034.倒産する前に読んでおきたいドラッカー 2012.08.03
今から30年以上前のこと、私はアルバイト先の先輩から、大変、重要な話を聞きました。それは「サラリーマンは何か1つに秀でるべきだが、経営者は少しずつでもよいから、幅広く知ること」です。当時はそんなものかと軽く受け止めていました。
しかし経営者として経験を積んだ今、この言葉が正しかったことを痛感しています。例えば営業出身の方、サラリーマン時代は営業のみに力を入れればよかったのですが、経営者になった後も営業ひと筋では、他の部分から経営がほころんできます。
経営者に限らず、社会人であれば「やりたいこと」と「やるべきこと」の区別が必要です。たまにこの区別がつかない従業員が入ってくると、「やりたいことをするなら、逆に私にお金を払いなさい」と注意しますが、なかなか直らないものです。
サラリーマンとして勤務した後も、「やりたいこと」と「やるべきこと」の区別が付かない人が、独立して経営者になると、会社を倒産させる確率が高まります。「やりたいこと」に目を奪われ、他の経営要素が疎かになってしまうからです。
逆に「やりたいこと」よりも、「やるべきこと」を優先させるようにすると、効率よく成果が上がります。P.F.ドラッカー著「マネジメント エッセンシャル版」で、経営の全体像を把握しておけば、多くの倒産は避けられたのではないでしょうか。
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