人生の定期診断  2019.09.16

 

 

1.人生にも定期診断が必要です

 

 人間ドックなどアテにならないと言われますが ・・・
 定期的に受けていないと、知らないうちに、病状が進んでいる恐れがあります。
 人生も同じ。
 定期的にチェックを行わないと、思わぬ方向へ進んでいる 可能性があります。

 

 どんな方法が有効なのか。
 私は本を利用します。
 今回は、ロルフ・ドベリー著 Think clealy」。
 52 の項目 ( →  こちら ) があります。

 

 これらを読み進めながら ・・・
 自分の現状を診断していきます。
 これは合格だが、これは要改善だなどと。
 このような作業を繰り返します。

 

 

2.目的に合った本を選ぶ

 

 この本のレビューを読むと ・・・
 賛否両論あるようです。
 評価の高い人と、評価の低い人のおもな違いは  ・・・
 読む目的の違いによるのではないでしょうか。

 

 人間ドックレベル (浅く広く) の、「人生の定期診断」 を目的 とする場合は ・・・
 最適な本と言えます。
 どこから読んでもよいし ・・・
 チェック項目の数も、適量だからです。

 

 今回のテーマは 「人生の定期診断」。
 読み終える直前に、直観しました。
 著者が最も伝えたかったのは、最終テーマではないかと。
 最終2つのテーマに絞ってお話をします。

 

 

3.最も重要なこと 

 

 最終の 「52.内なる成功を目指そう」。
 「内なる成功」 とは、自分の内側にある要素、たとえば 「精神的な幸福」。
 「外なる成功」 とは、自分の外側にある要素、たとえば 「収入、地位、名誉、評価、学歴、家柄など」。
 この後は、わかりやすいように、「内なる成功」 を 「精神的幸福」、「外なる成功」 を 「収入や評価」 と、表現します。

 

 「収入や評価」 を求めている人も  ・・・
 心の底では 「精神的幸福」 を求めています。
 もしそうなら、回り道をせず、早い時期から 「内なる成功」 を目指せ。

 著者はこのように述べています。
 

 

 あくまで人生の目的は 「精神的な幸福」。
 しかし生活を維持するためには、「収入や評価」 が欠かせません。
 つまり 「収入や評価」 は、「精神的な幸福」 という目的を達成するための手段 と言えます。
 この違いを忘れないようにしたいものです。

 

 

4.目的と手段の主従関係を維持する

 

 本来は、目的である 「精神的な幸福」 が主であり ・・・
 手段である 「収入や評価」 は、従であるべきです。
 ところが人生の途中で ・・・
 目的と手段の主従関係が逆転 してしまう人もいます。

 

 これが原因で ・・・
 「収入や評価」 の獲得のために、「精神的な幸福」 が、犠牲 になることがあります。
 その結果、気づいたときには 「不幸なお金持ち」 になっていた。
 これでは本末転倒ではないでしょうか。

 

  「大金が手に入る」 「人気が出てチヤホヤされる」 「実力以上の地位を得る」。
 もし、こんなことが起きたら、人生の罠かもしれないと、疑うべきでしょう。
 自分の器以上のものを手に入れると ・・・
 自分の慢心や他人の嫉妬によって、転落のきっかけになりやすい ので、注意が必要です。

 

 

5.コントロールできないものは、意識の外へ

 

 「収入や評価」 は、多いに越したことはない。
 このように考えがちですが、一定レベルを越えると、逆に危険なものになります。
 ただし、自分にとって、最適な 「収入や評価」 レベルを知るのは、至難の業 です。
 これが原因で、事業拡大後に倒産を迎える企業も少なくありません。

 

 また 「収入や評価」 は、コントロールが難しいものです。
 多くの場合、どんな運命の下に生まれたのかによって決まります。
 中には、「人並み外れた努力の結果」 と言われる人もいるかもしれません。
 確かに努力が足りなければ、ラッキーを手にするチャンスさえ逃すことでしょう。

 

 一方、正当な努力を長年続けたにもかかわらず ・・・
 それが 報われなかった人など、星の数ほどいる ものです。
 また 「収入や評価」 に対する執着が強いため ・・・
 犯罪者まがいのことに手を染める人さえいるものです

 

 

6.コントロールできるものに意識を集中させる

 

 「精神的な幸福」 は、自分の考え方で決まります。
 それでも外的要因の影響を受けず、心を常に安定させることはできませんが ・・・
 トレーニングによって、影響を抑えることは可能です。
 まずは関心の方向を、他人から自分自身に変えること。

 

 紹介されている トレーニング方法は 「 1 日の終わりに評価する」。
 @ 今日はどこに問題があっただろうか ?
 A 毒のある感情で台無しにしてしまっただろうか ?
 B コントロール外の出来事のうち、動揺させたのは何だったのだろうか ?
 C そこから立ち直るために、どの精神的な道具を使ったのだろうか ?

 

 コントロールの可否を重要視する考え方が、他の項目でも紹介されています。
 苦手分野まで手を拡げてはいけないのが 「能力の輪」。
 不本意なことを受け入れてはいけないのが 「尊厳の輪」。
 どちらも輪の外に関わることなく、輪の中を充実させよう と、述べられています。
 

 

.他人に尊敬を求めるのは不毛

 

 次に 「 51.自分の人生に集中しよう」。
 最近は少なくなったと思われますが ・・・
 「普通の人ではいけない」 「名をなさなくてはいけない」 「他人から尊敬されたい」。
 このように考える人たちがいます。

 

 どんなに立派な天皇でさえ ・・・
 百年後には、名前を知る人など、ほとんどいなくなります。
 どんなに国民思いの総理大臣でさえ ・・・
 尊敬されるどころか、罵倒される こともあります。

 

 まして私たちがなし得ることなど ・・・
 広大な宇宙の中の、米粒ほどの大きさもありません。
 亡くなった後は、忘却の彼方へ消え去ります。
 それが健全な世の中と言えます。

 

 

8.歴史を作るのは誰か ?

 

 この本の中には、著名人が挙げられています。
 史上、最も大きな経済復興プロジェクトを成功させた、ケ小平。
 発明家として、白熱電球のエジソンに、飛行機のライト兄弟。
 OSのビル・ゲイツに、スマホのスティーブ・ジョブズ。

 

 これらは、たまたまその人が成し遂げた訳で ・・・
 もし彼らがいなくても、いずれ誰かが似たようなことを起こしたり、似たようなものを作ることができたと考えられます。
 つまり、個人が世界を変える訳ではなく ・・・
 世界は時代の流れと共に必然的に変わるということ。

 

 世界有数の賢明な投資家、ウォーレン・バフェットの言葉です。
 経営者としてのあなたの業績は ・・・
 あなたのボートの漕ぎ方がどうかより、ボート自体の機能によって決まるところが大きい。
 ボート自体の機能とは、従業員の熱意と能力ではないでしょうか。

 

 

9.自分の人生に集中しよう

 

 自分が本当に重要な役割を担っているのは ・・・
 自分自身の人生です。
 だから、自分自身の人生に集中すべき。
 それだけでも重労働なのがわかる。

 

 この本にも書いてありますが ・・・
 会話の内容の 90% が、他人のうわさ話 である人も少なくありません。
 他人がどうなのかは、本人の問題であり ・・・

 そのようなことに時間を費やすこと自体、人生の浪費と言えます。

 

 それよりも自分の人生に集中すること。
 与えられた役割に対してベストを尽くす。
 最高、賢明、有能を目指すだけで、あっという間に年月が過ぎるものです。
 人生は短く、貴重であることを、実感することもできます。

 

 

10.自分のための時間を確保しよう

 

 人間ドックのように ・・・
 体系的に人生の定期診断を行うと、自分自身を客観視 することができます。
 バランス感覚も身に付きます。
 異なる視点に出会うと、新たな成長にもつながります。

 

 同じことを繰り返したり ・・・
 限られたことを深く追求するのが、日常だとしたら ・・・
 その方向性が正しいかどうかを確認するのが定期診断。

 自分自身を見直すための、非日常的なチャンス と言えます。

 

 1 歩でも前進したい気持ちも、解らないではありませんが ・・・
 時には立ち止まって、人生を定期診断される ことをお勧めします。
 また自分のために、まとまった時間を確保すると ・・・
 心が落ち着きを取り戻し、本来の自分を取り戻すこともできます。

 

 

 ※参考文献

   ロルフ・ドベリー著 Think clealy