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税理士法人 今井会計事務所

不完全主義者の時代  2018.10.26

1.80対20の法則

 従業員に出す問題です。

  第 1 問

  100 点を得点するのに、100 時間の学習が必要な場合、80 点を取るためには、最低、何時間が必要なのか ?

  正解は 80 時間ではなく 20 時間。
 これは統計上の数値です。
 実際には 「学習ポイントを正確に把握する」 などの厳しい要件を、クリアしなければいけません

  第 2 問

  上記の内容を前提に、今回は 5 科目 (国語・社会・数学・理科・英語) の試験。与えられた学習時間が 100 時間。最も多く得点するためには、どの科目に何時間、どのように学習時間を配分すればよいのか ?

 1 科目に 100 時間かけた人は 100 点止まり。

 5 科目に 20 時間ずつ充てた人は 80 点 × 5 科目 = 400 点。
 正解は 5 科目に 20 時間ずつ充てる。

 

 ご存じの方も多いと思われますが ・・・
 以上の内容は、パレートが発見した法則を応用した 「80対20の法則」 によります。

 

 

2.社会人に求められるのは総合力

 

 前述の問題で、最も伝えたいのは ・・・
 完全主義に陥ると成長が止まる こと。
 視野が狭い人の目には、1 科目しか映らないため ・・・
 自分には 80% の知識があると、勘違いします。

 

 また 残り 20 点 ( 1 科目) に固執するため、400 点 ( 4  科目)分のチャンスを逃します。
 その 20 点は、ほとんど価値のないものかもしれません。
 その科目は、すでに合格ラインに達しているのに、不毛な努力を続けているのかもしれません。
 成果をあげる人たちは、「① 複数の分野」 の中から、「② 重要なポイント」 を、「③ 優先的にゲット」 していきます。

 

 社会人の評価は、ごく特殊なケースを除けば、総合力によります。 学生のように知識さえあればよい訳ではありません。
 その人の個性に応じて、様々な能力を生かすことが求められます。
 完全に囚われるのは、受験勉強の弊害によるものかもしれません。

 

 

3.完全主義の弊害 ① 成長が止まる

 

 完全主義による主な弊害は、次の 3 つと考えています。
 ① 成長が止まる こと。
 ② 生産性が低下する こと。
 自分が定めた完全の基準を他人に押しつける こと。

 

 完全主義の人は、完全にこだわります。
 しかし この完全とは、しょせん今の自分のレベルで設定したものに、過ぎません。
 それにもかかわらず ・・・
 その範囲外、つまり未知のことを、思考の外へ追いやってしまいます。

 

 「もうこれ以上、学びたくない」 「他の分野の勉強は受け入れたくない」。
 このような宣言とも、受け取ることができます。
 限られた仕事だけで、一生、保障される人など、ほとんどいません。
 今後の成長を拒否する、「人生の敗北宣言」 にならないよう、注意すべきでしょう。

 

 

4.完全主義の弊害 ② 生産性が低下する

 

 2 番目の 「生産性」 が低下する。
 これについても、前述の第 2 問から、理解することができます。
 同じ時間内に ・・・
 ある人が 400 点を得点しているのに、完全主義の人は100点しか得点できません。

 

 この事実を、本人に自覚してもらう必要があります。
 そのためには、生産性を測定して、提示するのが一番です。
 数値化して表現するのが理想ですが、数値にできない要素も少なくありません。
 この当たりの見極めが、難しいところです。

 

 さらに数値化した生産性を、給与に 100% 反映させると・・・
 収入増につながる仕事しかしない者 が現れます。
 後輩の育成などは、企業にとって重要ですが、数値化するのは難しいものです。
 反対に数値化しなければ、後輩の育成などに力を入れて、本来の仕事を疎かにする者もいます。

 

 

5.完全主義の弊害 ③ 被害が組織全体に及ぶ

 

 完全主義の根本的な問題は ・・・
 世の中に、完全な人・物・事があるという誤解 です。
 冒頭の問題であれば、自分の得点は 80 点ですが ・・・
 実は 100 点満点ではなく、1 万点満点、あるいは 1 兆点満点かもしれません。

 

 この誤解が原因で、自分の想定する完全を、他人に押しつけがちです。
 同じ完全主義でも、人によって完全の中身は異なります。
 自分と他人の立場や権限、人格が違うことを、理解しなければいけません。

 そもそも、完全な人・物・事が存在するという思考そのものが、未熟 であることに、気づくべきでしょう。

 

 完全主義に陥ると ・・・
 前述のように、「成長が止まる」 「生産性が止まる」 などの弊害があります。

 完全主義の人が他のメンバーに、自分の完全を押しつけ始めると ・・・
 「成長が止まる」 「生産性が止まる」 などの体質が、社内全体にまで拡大 する恐れがあります。

 

 

6.自分が何を知っていて、何を知らないのか ?

 

 論語によれば ・・・
 知るとは、自分が何を知っていて、自分が何を知らないかを知ること。
 だから 知れば知るほど、自分の無知に気づかされる ものです。
 自分が無知で不完全だという自覚が、大きな判断ミスを防ぎます。

 

 さらに成長を目指す人たちは ・・・
 自分が無知で不完全であることを、自覚しています。
 それが成長意欲を、さらに高めます。  
 この自覚を失わない限り、半永久的な成長が可能になります。

 

 逆に、未熟であるにも関わらず、完全の範囲を決めてしまう人は ・・・
 「自分が何を知っているか」 のみを知り、「何を知らないか」 から、目を背けています。

 完全主義は無知な人の特徴であり、さらに抜け出せない状態 に陥ったと言えます。
 成長する人たちに、どんどん追い抜かれることでしょう。

 

 

7.経営者と従業員に求められる思考性の違い

 

 確実性を必要とする人は、起業家に向かない。
 そのような人は政治家、軍の将校、外国航路の船長など、いろいろなものに向かない。
 それらのものすべてに意思決定が必要である。
 意思決定の本質は、不確実性にある。

 

 これはドラッカーの言葉です。
 業務上の確実性や完全性は、組織が従業員に課した基準 に過ぎません。
 一方、組織のトップである経営者は、不確実かつ不完全な社会を相手に、意思決定を迫られます。
 末端で働く従業員と、同じ思考では通用しません。

 

 また欧米企業を目標としていた時代は、一定基準内において、確実性や完全性が存在しました。
 しかし世界トップレベルに立つと、先駆者のいない世界において、進路を決定しなければいけません。
 確実性や完全性を求める、単純な思考とは訣別して ・・・

 不確実性や不完全性を前提とする、複雑な思考を採用すべき です。

 

 

8.変化の激しい社会では、完全を求めない

 

 現代は 「めまぐるしい変化の時代」 に入りました。
 今日の正解が、明日の正解とは限りません。
 さらに今日の正解も、本当に正解なのかどうかさえ解りません。
 暗中模索の生き方が強いられます。

 

 見習うべきは、かつての Windows の不完全主義。
 発売された頃は、恐ろしく不完全。
 当初は MS-DOS の方が、信頼性が高かったものです。
 しかし見る見るうちに、世界を制覇していきました。

 

 社会の変化に対応するためには ・・・
 走りながら考える。
 長時間、立ち止まって、完全に固執していると、タイムオーバーになります。
 さらにその努力は、自己満足に終わり、ほとんど報われないでしょう。

 

 

9.完全主義は単純思考

 

 旧社会では、多くの人が同じような価値観を持っていました。
 人々の頭の中に 「完全」 という概念が、定着しやすい環境 だったかもしれません。
 また完全なものに、救いを求めていたのかもしれません。
 たとえば、特定の人を神格化するなど。

 

 極端な言い方をすると ・・・
 完全主義は、白または黒の世界です。

 選択肢が 2 つしかなければ、正解を見極めるのは、それほど難しいことではありません。
 自分で判断しなくても、多数に従っていれば、大きな失敗も避けられました。

 

 しかし、選択肢が 2 つしかないと言うことは ・・・
 本質的には根拠のない賭け事に、近いと言えます。

 成功するか、失敗するかは、神のみぞ知るところ。
 複雑な社会を生き抜くのは、難しいでしょう。

 

 

10.無数の中から合格ポイントを見極める

 

 一方、現代は複雑な社会になりました。
 白も黒もなく、すべてグレー。 
 ただし 「限りなく白に近いグレー」 から、「限りなく黒に近いグレー」 まで。
 何れのグレーに焦点を合わせるか、常に頭を悩ませます。

 

 選択肢は無数にあり、時間の経過によって、正解は変化します。
 多数の判断も、アテになりません。
 どこのような状況で、完全な白または黒と決めつけると、失敗のリスクが高まります。
 合格ポイントは何% の完成度でよいのかを、見極める必要があります。

 

 これはケースごとに、判断しなければいけません。
 その結果、50% でよいことに、それ以上を求めないこと。
 「1% でも多く」 という乱暴な発想から離れ ・・・ 
 目標をピンポイントで見極めるように、トレーニングを重ねるべきでしょう。

 

 

11.完全主義と不完全主義の、視線の違い

 

 完全主義が通用した旧社会では・・・
 100 点満点が存在すると、信じられていました。
 その結果、注目が集まったのは、失点を減らすこと。
 キーワードは、「欠点」 「問題」 「解決」 「改善」 など。

 

 不完全な状態を許容すべき新しい社会では・・・
 100 点満点を、200 点満点にする方法を、考える べきでしょう。
 「80対20の法則」 により、20% の時間を有効に使えば・・・
 得点を 80 から 160 まで、増やすことができます。

 

 つまり、得点の増加に注目します。
 キーワードは、「成長」 「機会(チャンス)」 「優位性」 「革新」 など。
 完全主義者は物事のマイナス部分、不完全主義者は物事のプラス部分。
 両者の視線は、正反対を向いています。

 

 

12.不完全主義者の時代

 

 完全主義のような単純思考は ・・・
 気持ちがよいかもしれません。
 白か黒かの二者択一であれば、判断は楽かもしれません。

 しかし、実際に成果があがらなければ、意味がありません。

 

 今後は 「不完全主義」 という複雑な思考に慣れるべきでしょう。
 不完全な状態をあえて許容しながら、その中で 「発展」 「向上」 「前進」 を目指す。
 あくまでも長期的な繁栄を目的とすれば ・・・
 メンタル部分のブレは、セルフコントロールできるはずです。

 

 世の中には、完全な人・物・事など、存在しません。
 人工的と言う言葉がありますが、人間の中にさえ、多くの自然が残っています。
 米国社会が、非常に優れているのは ・・・

 先進国でありながら、あえて社会の一部に不完全さを残している ところではないでしょうか。

 

 

 ※参考文献 
   守谷洋著 「論語の人間学」     P.F.ドラッカー著 「仕事の哲学

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1960年生まれ 名古屋市出身 1989〜1993年 税理士試験 法人税法、消費税法、事業税、簿記論、財務諸表論、全5科目合格
 
1994年税理士登録 日本税理士会連合会 登録番号 税理士法人3430 税理士78397 名古屋税理士会名古屋北支部所属

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