30歳から始める社会人のための勉強  2017.08.20

 

 

1.勉強は 「嫌なもの」 とは限らない

 

 もし 「学生時代までの勉強」 を怠ったとしても ・・・・
 「社会人になった後の勉強」 さえ、しっかりすれば、十分、挽回できます。
 ここから先は、学生時代までの勉強を、「学生時代の勉強」。
 社会人になった後の勉強を、「社会人のための勉強」 と、呼ぶことにしましょう。

 

 実は、多くの人が、2 つの勉強の違いに、気づいていません。
 だから、社会人になった後も、「勉強とは嫌なもの」 と考えています。
 それが原因で、社会人になると、勉強をしなくなります。
 やがて、生活のためだけに、いやいや仕事をするようになります。

 

 しかし、両者の違いを知ると、進んで勉強をするようになります。
 なぜなら、「社会人のための勉強」 は、やればやるほど、よい人生が訪れる からです。
 収入が増えたり、仕事が上達したり、他人の役に立てたり、不安を解消したり、生き甲斐を得たり、前向きになったり。
 1 日も早く、「社会人のための勉強」 に、取り組んでみましょう。

 

 

2.「学生時代の勉強」 と 「社会人のための勉強」 の違い

 

 「学生時代の勉強」 と 「社会人のための勉強」。
 両者の違いは、たとえば以下のようなものです。

  

区 分 学生時代の勉強 社会人のための勉強
@動 機 大人から強制される 自主的に行う
Aテーマ ・ 教  材 大人が決めたものの中から選択する 自分で探す・選ぶ・決める
B仕事に役立つかどうか 役に立たない (一部の職業では役立つ) 役に立つ

  

 「学生時代の勉強」 とは、極端な言い方をすると ・・・
 大人に決められた、役に立たないことを、受け身で行うもの と、言えます。
 だから 「嫌なもの」 と感じるのも、当然かもしれません。

 

 「社会人のための勉強」 とは、極端な言い方をすると ・・・
  仕事や人生、社会に役立つことを、自分で探し求め、自ら進んで行うもの と、言えます。

 つまり、そこには 「自分の意思」 が求められます。

 

 

 

3.「社会人のための勉強」 をすると、恐怖や不安から解放される?

 

 「学生時代の勉強」 には、終わりがあります。
 たとえば、受験勉強は、合格したら、終わり。
  しかし 「社会人のための勉強」 には、終わりがありません。
 やればやるほど、自分の無知に、気づかされるからです。

 

 さらに、カントという哲学者が、次のように述べていました。
  「恐怖の原因は、無知である」。
  2 つのことから ・・・
 「社会人のための勉強」 をすると、様々なことがわかるようになり、恐怖や不安から、解放されると言えます。 

 

 もし 「学生時代の勉強」 しか知らなければ ・・・
 勉強とは、役に立たないものと信じているため、噂レベルのことしか知ろうとしません。
 これでは、無知な状態から抜け出すことができません。
 それが原因で、些細なことに対しても、いちいち恐怖や不安を感じやすい のではないでしょうか。

 

 

 

4.社会人の勉強にも 2 種類ある

 

 社会人の勉強にも、2 種類あります。
 
1 つ目は 「日常的な勉強」。
  日常の中で、仕事や生活を通じて、学んでいくもの。
 ただし、これだけでは、成長速度が限られてきます。

 

 2つ目は 「飛躍するための勉強」 。
 現状から飛躍するために行う、勉強のことです。
 本を読んだり、講演を聞いたり、異なる立場の人と接したり ・・・
 非日常的な知識や経験から、自分を向上させます。

 

 多くの人は 「日常的な勉強」 に、留まります。
 だから、ここでは、あえて 「社会人のための勉強」 には含めません。
 社会人になった後、勉強と呼ぶべきものは ・・・
 「飛躍するための勉強」 です。

 

 

5.「何を勉強するのか」 の 「何を」 が重要

 

 学生は 「努力」 するだけで、評価されます。
 しかし、社会人は 「結果」 がすべてなので、「結果」 に責任を負わなければいけません。
 だから、努力する以前に、「何を努力するのか」 の 「何を」 が重要です。
 もし、努力の方向性が間違っていれば、何もしないよりも、悪い結果を招いてしまうからです。

 

 「社会人のための勉強」 も同じ。
 勉強する以前に、「何を勉強するのか」 の 「何を」 が重要です。
 より重要な 「何か」 を発見するためには、社会人としての自覚が求められます。
 まずは、自分の仕事に対して、真剣に取り組むことではないでしょうか。

 

 社会人としての自覚が足りないと ・・・
 30 歳を過ぎても、重要なテーマが見つからなかったり、そのテーマに対して、努力を重ねることができません。
 私自身は「仕事」 「人生」 「社会」 の 3 つに、行き着きました。
 つまり、仕事、人生、社会に、役立つこと。

 

 

6.「仕事」 と 「人生」 と 「社会」 の関係

 

 「仕事」 「人生」 「社会」。
 なぜ、この 3 つの分野の勉強が、必要なのでしょうか。
 それは、3 つの分野の勉強をした方が、仕事のみの勉強に集中するより、レベルアップできる からです。
 実は、3 つの分野は、それぞれ関係しています。

 

 たとえば 「仕事」 は、単独で存在している訳ではありません。
 「仕事」 とは、「社会」 の需要に応じて、発生するものです。
 だから、「社会」 とは何かを理解することが、「仕事」 の成果にもつながります。
 また、「仕事」 を成し遂げることによって、物心ともに恵まれ、「人生」 も豊かになります。

 

 さらに 「社会」 とは、無数の 「人生」 の集合体と、見なすこともできます。
 「仕事」 を生み出す源泉と、見なすこともできます。
 ある分野を勉強するときは、その分野の勉強しかしない。
 このような、近視眼的な思考を離れ、より広い範囲から、ダイナミックにとらえる 必要があります。

 

 

7.3 つのうち、メインは 「仕事」

 

 「仕事」 「人生」 「社会」。
 これら 3 つのテーマのうち、メインは 「仕事」 と考えています。
 なぜなら、「社会」 はコントロールできないし、「人生」 は結果に過ぎないからです。
 自分の意思と行動を、最も反映させられるのは、「仕事」です。

 

 だから 「仕事」 を向上させることによって ・・・
 「人生」 と 「社会」 をよくしたいと、考えています。
 逆から見れば ・・・
 「人生」 と 「社会」 がよくなるような 「仕事」 をすべきと、考えています。

 

 仕事がすべてではないが、仕事が第一である。
 ドラッカーのこの言葉も、逆から読むことができます。
 仕事が第一ではあるが、仕事がすべてではない。
 つまり、 「人生」 や 「社会」 のことも、よく勉強して、「仕事」 の成果に生かせるようにしたい ものです。

 

 

8.まずは自分の仕事でプロになる

 

 現代社会は分業制です。
 それぞれの職業の人が、それぞれの仕事を分担し合って、社会全体が成り立っています。
 だから、どんな職業の人も、まずは、その道のプロのレベルに、到達したい ものです。
 つまり、プロの名にふさわしい知識や技能を、身につける必要があります。

 

 しかし、そのために学ぶべきことは、無限にあります。
 段階を踏んで、専門分野を絞っていく、必要があるでしょう。
 たとえば、料理人であれば ・・・
 料理の基本 → 中華料理 → 天心 → 餃子 → 水餃子

 

 世の中には、何でも知ったかぶり、上から目線の人たちがいます。
 しかし、大半の知識が、聞きかじりのレベル。
 このような人は、自分の仕事に関する知識も、大したものではありません。
 逆に、プロフェッショナルな人ほど、専門外の分野については、驚くほど謙虚なものです。

 

 

9.「社会人のための勉強」 を始める時期

 

 成功するためには、「何が正解なのか」 を、知る必要があります。
 しかし、成功するためには、さらに 「何が間違いなのか」 も、知る必要があります。
 正解だけを追い求めても、うまくいく訳ではありません。
 「仕事」 「人生」 「社会」 に関する勉強についても、同じことが言えます。

 

 そこで 「社会人のための勉強」 を、スタートさせる時期。
 就職後、ただちに取りかかるのが、理想と思われるかもしれません。
 しかし、「人生の間違いとは何か」 を知るために、20 代前半までは、若さを謳歌しましょう
 そこで、自分の愚かさに気づくことができれば、しめたものです。

 

 ジャンプする前には、一度、沈み込む必要があります。
 人生で飛躍する前には、一度、落ち込む必要があります。
 そこで大いに反省して、その後は 「社会人のための勉強」 に全力で取り組む。
 早ければ 20 代後半、遅くとも 30 代前半には、スタートさせたいものです。

 

 

 

10.最後は 「自分の意思の強さ」 で決まる

 

 人生は 「学生時代」 よりも 「社会人時代」 の方が、圧倒的に長いものです。
 だから 「社会人のための勉強」 の方が、はるかに重要です。
 「社会人のための勉強」 に目覚めた人たちは、その後、生き生きとした人生を歩んでいます。
  そこで、特に頑張って欲しいのは ・・・

 

 「学生時代の勉強」 を怠り、青春時代を楽しく過ごしてしまった人。
 このような人は、精神的疲労が少ないため、過酷な勉強にも、耐えうる余力が十分に残っています。
 また、高学歴でありながら、就職後、仕事でうまくいかなくなった人。
 このような人たちは、正しい方向性さえ発見できれば、高い学習能力を生かすことができます。

 

 多くの人にとって、「学生時代の勉強」 は無駄なものでした。
 しかし 「社会人のための勉強」 は、すべての人に、役立つものです。
 そのためには、2 つの勉強の違いを知ることから、スタートします。
 さらに「自分の人生を自分の力でよいものに変える」 という、強い思いが、原動力になります。

 


※ 参考文献 

  P.F.ドラッカー著 仕事の哲学