よいアイデアに出会うコツ  2016.12.26

 

 

  

1.よいアイデアに出会うコツ

 

 私は税理士として、毎日のように、様々なご相談を受けています。
 おかげで、解決すべき問題を、常に複数抱えています。
 しかも、期限付きのものがほとんどです。
 そこで問われるのが、問題解決能力。

 

 ある日、突然、よいアイデアが浮んできて、いかなる難問も、瞬時に解決に向かう。
 このような夢のようなことを、若い頃からずっと期待してきました。
 さらに経験を積みながら、改善を重ねた結果 ・・・
 ある方法にたどり着きました。

 

 今回のテーマはその方法。
 つまり 「よいアイデアに出会うコツ」。
 アイデアについては、多くの方がご苦労されていることでしょう。
 参考になることが、1つでもあれば幸いです。

 

 

2.私が求めるアイデアとは?

 

 まずは、私が求めるアイデアについてお話しします。
 持ち込まれる問題の中には、必ず対立があります。
 たとえば 「納税者と税務署」、「相続人Aさんと相続人Bさん」、「顧客と業者」 など。
 また1人であっても、「理想と現実」 の対立も少なくありません。

 

 AとBの間で対立が起きた場合 ・・・
 一方的にAが有利な案を 「第1の案」、一方的にBが有利な案を 「第2の案」 とすると・・・
 両者のように、何れか一方に偏った結論は、次の対立を生みやすい ものです。
 そこで、私が求めているのは、「第3の案」。

 

 「第3の案」 とは、両者が問題を終結させ、生産的な活動に専念できる ものです。
 それは妥協案でありながら、双方にメリットがなければいけません。
 「第1の案」 や 「第2の案」 のように、単純なものではないので、発想に飛躍が求められます。
 つまり、私が求めているのは 「飛躍的なアイデア」 です。

 

 

3.アイデアは無理に引き出すものではない

 

 若い頃はアイデアを引き出そうと、四苦八苦しました。
 強く念じてみたり、逆立ちしてみたり、足をつねってみたことさえあります。
 しかし、一向に、よいアイデアなど浮かんできません。
  当たり前と言えば、当たり前ですが。

 

 実は、ここに致命的な間違いが ・・・
 アイデアとは 「無理に引き出すもの」 ではなく 「勝手に浮かぶもの」 でした。
 ただし準備が必要です。
  準備さえ怠らなければ、アイデアは勝手に浮かんでくるものなのです。

 

 この 「準備をすることによって、結果を導く方法」 は、他のことにも応用 することができます。
 たとえば、「よい仕事に出会う」 「よい人に出会う」 「よい本に出会う」 など。
 マスターされれば、今まで諦めていたことに、希望の光が見えるかもしれません。
 まずは 「アイデア」 について。

 

 

4.アイデアの芽は、植物の芽に似ている

 

 アイデアのヒントは 「アイデアの芽」 と呼ばれるように ・・・
 植物にたとえるとわかりやすい ものです。
 植物を発芽させるとき、何を準備するのでしょうか。
 それは 「豊かな土壌」 です。

 

 土壌とは、土地の表面にある 「土」 のこと。
 土を豊かにするためには、肥料や水を与えます。
 アイデアにとって、「肥料や水」 に当たるのが 「知識・情報」 です。
 だから、アイデアの芽を出すためには、頭 (土) に知識・情報 (肥料や水) を与える 必要があります。

 

 このように考えると、準備もせず、無理にアイデアを引き出そうとするのは ・・・
 やせた土壌に種をまき、種の片隅を、無理に引っ張り出そうとするのと同じ です。
 よいアイデアが浮かぶことなど、絶対にありえません。
 強く念じる、逆立ちする、足をつねるなど、何れも効果がないのは、当然のことでした。

 

 

5.具体的な手順

 

 私が具体的に実践している手順は、以下のとおりです。
 まずは 大型書店に出かけ、関係本を 10 冊前後、購入します
 足りなければ、ネットで購入します。
 そして、ひたすら読み続けます。

 

 最初から内容をまとめようとせず、インプットに努めます。
 なぜなら人間の脳には、優れた能力があるからです。
 無作為に入れた知識や情報を、睡眠中に整理する そうです。
 自分でまとめようとすると、固定観念や先入観が邪魔をするので、あえて脳に任せます。

 

 この能力を、さらに早く、さらに精度を高めるコツがあります。
 それは 「自分が何を求めているのか」 を、明確にしておく こと。
  「必ず正解にたどり着く」 と信じること。
  すると脳はその指示に従って、迷うことなくゴールを目指します。

 

 

6.アイデアの芽を表に出すための最終仕上げ

 

 水や肥料を与え続けると、やがて土は固まってきます。
 そこで土を耕して、空気を送り込むと、発芽しやすくします。
 脳を 「耕す」 ためには、脳に刺激を与えること。
 つまり 「緊張状態」 と 「リラックス状態」 を繰り返す ことです。

 

 @ まずは 「緊張状態」 をやめる
 A 1人で静かに過ごしたり、家族や友人との交流などで 「リラックス状態」 をつくり出す
 B 趣味やスポーツなど、異なることに熱中して 「緊張状態」 をつくり出す  
 これらを繰り返していると、ある日、突然、アイデアが浮かびます。

 

 私の場合、入浴中または散歩中 (何れも午前10時まで) に、アイデアが浮かぶことが、少なくありません。
 注意すべきは、早くメモを取らないと、忘れてしまうこと。
 アイデアが浮かぶパターンは、人それぞれでしょう。
 自分のパターンを発見すれば、意図的にそのシーンを増やす ことができます。

 

 

7.アイデアの質は何で決まるのか?

 

 浮かんでくるアイデアの 「質」 は、インプットした知識や情報の 「質」 に左右されます。
 優れたアイデアが欲しければ、質のよい知識や情報をインプットする こと。
 逆に質の悪い知識や情報をインプットすると、身を滅ぼすようなアイデアが生まれる可能性もあります。
 その点には注意が必要です。

 

 たとえばお金儲けについて。
 詐欺やインチキと言える本も、山ほどあります。
 このような知識や情報をインプットすると、ロクな結果を招きません。
 知識や情報の選択能力には、個人差があるため、自信のない人は信頼できる人に、アドバイスを求める べきです。

 

 私が行き着いた結論は、時間を経ても、なお世界的な名著として残っているもの。
 これらは外れが少ないと言えます。
 「楽をして儲けたい」 という気持ちが強いと、印税や名声を得るために書かれた本に騙されがちです。
 ベストセラー本や、経済評論家の著書を信じて、多額の財産を失った人も少なくありません。

 

 

8.この方法に適した人

 

 よいアイデアを導くためには、準備をします。
 この 「準備をして結果を導く方法」 は、他のことにも応用 できます。
 たとえば、「よい仕事が入る」 「よい人に出会う」 「よい本に出会う」 など。
 共通するのは、「自分自身を充実させれば、自ずとよい人生が開けてくる」 とも言えます。

 

 ただし 「100%よい結果が出る」 とか 「○○の法則」 などと言った万能のものではありません。
  しかし、やらないよりは、はるかにマシ。
 改善を重ねるごとに、結果はよくなっていく。
 このようなものてす。

 

 だから目先の結果を追い求める人や、目先の費用対効果に囚われる人。
 つまり、「小さな成功」 や 「短期的な成功」 で終わればよい人には向いていません。
 努力が報われなくても、努力に価値を見いだせる人。
 つまり、ある程度 「大きな成功」 や 「長期的な成功」 を成し遂げる人向け です。

 

 

9.ラッキーをモノに 「できる人」 と 「できない人」 の違い

 

 税理士試験の合格率は、 1 科目当たり 10 〜 15% 程度。
 全 5 科目合格までたどりつく確率は約 2%。
 合格のポイントは、頭の良し悪しではなく、やるべき勉強をしたかどうか。
 その量があまりに多いため、98% の人は途中で挫折します

 

 このような試験でさえ、実はラッキーな年があります。
 あまりに簡単な問題が出題され、首をかしげてしまいます。
 しかしその ラッキーの恩恵にあずかれるのは、一定のレベルまで実力を高めた人まで です。
  つまり一定レベルまで準備をした人。

 

 反対に 準備不足の人は、ラッキーな年でさえ不合格。
 翌年以降、つらい受験生活が、再び始まります。
 「最低どこまで準備をすれば、ラッキーを拾えるのか」 を見極めることができれば、人生は効率のよいものになります。
 このような勘も養うべきかもしれません。

 

 

10.よい仕事とよい人に出会うコツ

 

 税理士は税金の専門家です。
 しかし税金の範囲は膨大であり、さらに奥が深いものです。 
 だから、目先の仕事だけで精一杯。
 この繰り返しで、一生が終わりがちです。

 

 そこで時間をやり繰りして、新しい分野の勉強をすると ・・・
 よいタイミングで、その分野の仕事に出会うことがあります。
 実は不思議なことではないのかもしれません。
 準備することによって、目前を通り過ぎていた仕事を受けられる ようになっただけ、なのかもしれません。

 

 また理想の人間像を求めて、勉強や経験を積んで、自分を高めていると ・・・
 同じ方向を目指す人や、目標になる人に出会うことがあります。
 これも不思議なことではないのかもしれません。
 準備することによって、無数の人の中から、理想に近い人を見抜ける ようになっただけ、なのかもしれません。

 

 

11.よい本に出会うコツ

 

 私は年間 100 冊程度、ビジネス書を購入します。
 しかし 「よい本に出会う確率」 に関しては、波があります。
 だから 100 冊も購入してしまう訳ですが ・・・
 この反省のもとに、本の購入についても、検討を重ねてきました。

 

 これまでの経験から・・・
 よい本を手にする確率が高いのは、自分自身の気力が充実している時期 に限られます。
 つまり明確な目標に向かって、一路邁進しているとき。
 本を購入するケースでは 「気力の充実」 が準備に当たります。

 

 これも 準備することによって、無数の本の中から、必要な本を見抜ける ようになっただけ、なのかもしれません。
 なぜなら 「無数の本がある」 という現実は、常に変わらない訳ですから。
 このように準備と結果の関係に気づくと、人生をコントロールしやすくなります。
 あれこれ悩むことなく、有効な目的に向かって、準備に取りかかることができます。

 

 

12.よい結果に必要な思考回路

 

 最後に 「どのような準備をすべきか」 について、お話しします。
 前述したように、準備を間違えると、不幸な結果をまねきます。
 だから 準備を選択する前に、自分自身の思考回路を確認する 必要があります。
 私は思考回路を、次の 2 つに分けて考えます。

 

 @ 今の自分を出発点に物事を考える
 A 求める結果から逆算して、自分はいつ何をすべきか、どこまで到達すべきかを考える
 @ の思考回路を持つ人は、自分に囚われるため、努力の方向性を間違えやすいものです。
  必ず A の思考回路によって、必要な準備を選択すべき でしょう。

 

 多くの人が大成しない原因は、努力の中断にあります。
 努力を中断する理由は、努力が報われないことにあると考えられます。
 努力を報われやすいものにすれば、疲労感はやり甲斐に変化し、さらに努力を続け、より高いレベルを目指します。
 まずはアイデアから試されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 ※参考文献 
   過去 30 年間に読んだ多数の書籍。ただし書名等は忘れました。