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税理士法人 今井会計事務所

続 4 「 嫌われる勇気 」 人生が変わるアドラー心理学  2014-08-08

前回までの内容 → こちらをクリック

 

 

57.人生に 「幸福駅」 行きのレールなどない      2014.08.08

 

 「特別であろうとする人」 は、自分が 「普通」 であることを、受け入れられません。
 だから、何か、特別なことをしなければいけないと、信じています。
 しかし、その目標を、達成できる人は、限られています。

 つまり、 「特別な人」 を目指しても、多くの人は、実現できないまま、 「普通人」 で終わります。

 

 たとえば、税理士。
 税理士は、全員 「普通人」 ですが、よく知らない人の中には、 「特別な人」 として、憧れる人もいる ようです。
  このような人が、税理士試験の合格を、目指したとします。
 しかし、全5科目合格まで、たどりつける人は、全体のわずか2%に過ぎません。
 

 

 つまり、 100人の挑戦者がいたとしても、98人は、途中で挫折したり、死亡 してしまいます。
 今回は、5科目に合格できず、税理士になれないまま、亡くなられた人について、考えてみましょう。
 この人自身に、存在価値はあったのでしょうか。
  この人の人生には、意味があったのでしょうか。
 

 

 同じようなケースで、アドラーは、 「ある」 と、答えています。
 人生を 「線」 でとらえると、そこには、始点と終点があります。
 終点 (例 : 税理士試験合格) に達すれば、そこから、 「本当の人生」 が始まると、考えると ・・・

 それまでは、 「仮の私」 が、 「仮の人生」 を、歩んでいる ことになります。 

 

 もし、途中で死んでしまうと、 「仮の私」 と 「仮の人生」 しか、存在しなかったことになります。
 これは、明らかに、 「人生の嘘」 ではないでしょうか。

 もし、今の自分に納得できなくても、今ここにいる私は、自分以外の何者でもありません。
 人間は、いつでも生まれ変わることができますが、どの時点の私も、 「本当の私」 です。 

 

 私は、たまたま運よく、税理士試験に合格しました。
 しかし、 合格できない98%の人たちについて ・・・ 存在価値がなく、その人生に意味がないとは、まったく考えていません。
 資格がなくても、充実した人生を送る人もいれば、資格があっても、不本意な人生を送る人も、いるでしょう。 

 

 人生を 「線」 でとらえると、 「幸福駅行きのレール」 が、存在するのではないかと、勘違い します。
 高学歴、安定した職業、他人もうらやむ結婚、このようなレールに乗れば、その先に、幸福な人生があると、信じる人もいます。
  ところが、実際には、それと関係なく、幸福であったり、不幸であったりするものです。
 だから、人生を 「線」 でとらえてはいけない ・・・ と、アドラーは述べています。

 

 

58.人生とは、 「今という瞬間」 の繰り返し      2014.08.11 

 

 人生を 「線」 でとらえると、そこには、 「始点」 と 「終点」 があります。
 この2つの点は、 「原因」 と 「結果」 を、意味します。

 これは 「○○であれば、△△になるだろう」 、つまり、フロイトの 「原因論」 に通じる考え方 です。
 原因論を信じていると、過去に不満がある人は、永久にそこから抜け出せなくなります。

 

 これに対して、アドラーは、人生を 「点」 でとらえなさいと、述べています。
  私たちは、 「今」 を生きています。
 しかし、次の瞬間が、100%、保証される訳ではありません。 

 人生は 「線」 のように見えますが、実は、連続する刹那、つまり 「今という瞬間 (点) の連続」 なのだと。 

 

 私たちは、過去に生きることも、未来に生きることもできません。
 できることは、ただ1つ、 「今、ここ」 に、生きること。
 人生とは、それを繰り返すことです。

  だから、 最善を尽くすとは、 「今日一日を精一杯生きる」 、これを繰り返すこと になるのではないでしょうか。 

 

 人生が、 「連続する今」 だとしたら・・・
  「充実した今」 を続ければ、充実した人生が実現します。
 「無意味な今」 を続ければ、無意味な人生が、実現します。 

 大切なことは、 今この瞬間から、 「充実した今」 をスタートさせる ことです。 

 

 アドラーの影響を受けた、デール・カーネギーは、名著 「道は開ける」 の中で・・・
  いやな過去と訣別するために、今日一日の区切りで生きよと、述べています。
 同じく、アドラーの影響を受けた、スティーブン・R・コビーは、名著 「7つの習慣」 の中で・・・
 よい習慣を持てば、よい人生、悪い習慣を持てば、悪い人生が訪れると、習慣の大切さ について、述べています。 

 

 25年前、税理士試験の勉強を、始めた頃のことです。
 求められる勉強量の多さに、 「まるで富士山をスコップで、崩しているようなものだ」 と、気絶しそうになりました。
  最終ゴールを想像すると、逃げ出したくなる (目的論的に言えば) ので、しばらく、忘れることにしました。

 そして、「今日一日だけに集中する」 を、繰り返したところ、気づいた時には、ゴールに達していました。

 

 

9.「今ここ」 だけに集中する      2014.08.12 

 

 過去や未来が、気になるのは、 「今ここ」 だけに、集中して、真剣に生きていないから。
  この本には、このように書かれていますが、私もまったく、同感です。
 たとえば、火災現場から、一刻も早く、逃げ出さなければならないとき、人間関係や金銭問題で、悩めるものでしょうか。
 たぶん、そのような余裕などなく、生き延びることだけに、ひたすら集中するでしょう。

 

 人間の脳は、同時に、異なる思いを、抱くことができない構造になっています。
  この性質を、うまく利用しない訳にはいけません。
 たとえば、楽観しながら、同時に悲観することができません。

 であれば、 何ごとも、意識して、楽観的にとらえるようにしていれば、脳は悲観的にとらえる時間を失います。 

 

 同じように、1つのことに、真剣に取り組んでいると、それ以外のことで悩むことができなくなります。
 だから、他の悩みは、放置したままになります。
 ここでお気づきかと、思いますが、大半の悩みは、放置しても、何も起きません。

 人間は、 真剣に生きた経験を、一度でも持つと、悩みの大半が、気の迷いであることに、気づかされる ものです。 

 

 人生を 「線」 として、とらえると、過去と今と未来は、1本の線でつながります。
 すると、もし、過去がよくなければ、今もよくなく、さらに未来もよくない、ことになります。
 しかし、人生を 「連続する点」 として、とらえれば、過去と今、今と未来は、つながっていないことになります。

 このように考えれば、 次の点に移る段階で、自分や人生を変えるチャンスが、無数に生まれる 訳です。 

 

 この本には、次のように、書かれています。      
  過去にどんなことがあったのかなど、今ここにいる自分には、何の関係もない。                              
  未来がどうであるかなど、今ここで考える問題ではない。                                                   
  私も、これに近い考え方で、生きています。 

 

 反対に、 年中、些細なことで悩んでいる人は、 「平和」 あるいは 「幸せ」 な状況 と、考えられます。
 ただし、何かに真剣に打ち込んで、充実した時を、過ごしている訳でもありません。
 何れの人生を選択するかは、各人で決めればよいことです。
 私は、時間が惜しいので、些細なことは、大半、放置することにしています。

 

 

60.生まれ変わるために 「誕生日」 を利用する      2014.08.14 

 

 成長とは、良い方向へ、変わることです。
 アドラー心理学を実践すると、成長のために、自分を変えられる ようになります。
 成功経験を持てば、さらに、積極的に、自分を変えていこうと、意欲が湧いてきます。
  アドラーのいうとおり、亡くなる2、3日前までは、生まれ変わることができるのではないでしょうか。

 

 その理由は、人生を 「線」 ではなく 「連続する点」 として、とらえることにあります。
 それによって、 過去と今、今と未来のつながりを、断つことができます。
  生まれ変わるチャンスが、毎瞬間ごとに、現れます。
 時の狭間に、無数のチャンスを、見出すことができます。
 

 

 しかし、これまで、 「変われない自分」 を、続けてきた人にとって、それは、雲をつかむような話でしょう。
 であれば、 「特別な日」 を、利用されてみては、いかがでしょうか。

 「誕生日」 や 「元旦」 は、 「変わらなければいけない」 と、自覚しやすい からです。
 過去の自分から、変わることが目的ですから、 「自分のことを、最も嫌と感じた日」 でもよいかもしれません。 

 

 私の場合、20代半ばまでは、 「変われない自分」 を自覚しつつも、そこに甘んじていました。
  28歳で、税理士試験という難関に差し掛かったため、そこで、やっと変わった 訳です。
 ところが、資格さえ取ってしまえば、もともと仕事好きのため、その後の人生は、順調に進みました。
  おかげで、 「常に変化を求める」 レベルまでには、至りませんでした。
 

 

 2度目の転機は、40代半ば、時代の変化に気づき、再度、大きく変わらなければならないと、自覚しました。
 どのように変わるべきかを、探るため、それ以来、毎年、100冊以上の本を読んでいます。

 数年間、続けるうちに、 異分野の知識に触れながら、自分を変えるコツを、覚えました。
 その結果、 「誕生日」 や 「元旦」 も、単なる1日に過ぎないことに、気づきました。 

 

 最後に、もう1つ、初心者の人が、長続きしない理由は、 「結果」 を求め過ぎる点に、あるのではないでしょうか。
 そうではなく、プロセスに意味があります。
 この本で言われるように、登山とは 、「登頂」 よりも 「山に登ること」 そのものに、価値があります。

 プロセスの改善こそが、自分の成長を維持するために、最も効果的ではないか と、私は考えています

 

 

1.「今できること」 を、実行する      2014.08.26 

 

 今、考えるべき」 ことは、過去でも、未来でもなく、 「今のこと」 でした。
 それでは、 「今、やるべき」 ことは、何でしょうか。
 この本には、次のように書かれています。 

 今できることを、真剣かつ丁寧にやっていくこと

 

 分解すると、 「①今できること」 を 「②真剣かつ丁寧」 に 「③やっていく」 こと。
   自分を成長させながら、人生を成功に導くために、これは 「基本中の基本」 と言えます。
 まずは、 「①今できること」。
 ここで間違えると、人生を大幅に浪費します。                                                   
 

 たとえば、この本に書かれている、大学進学を希望する人。 進路について、悩み続けたとしても、何一つ、前進することなどできません。
   「今できること」 とは、1つでも多くの、問題を解いたり、単語を覚えること ではないでしょうか。
 その結果、学力が高まれば、選択肢も増え、また、違った可能性も、見えてくるはずです。              

 

  次の 「②真剣かつ丁寧」 は、当たり前のこと。 
    そして、最後の 「③やっていく」。

    これは、 考えるだけではなく、必ず行動に結びつけること を、意味します。
  さらに、向上を目指し、改善を加えながら、それを、継続していくべきでしょう。              
 

  「①今できること」 を 「③やっていく」 ことが、できない人について、さらに、続けると・・・
  この中には、前述の受験生のように、 「今できないこと」 に、悩んでいる人も、少なくありません。

  ところが、 人間社会は行動しなければ、成果があがらない仕組み になっています。
  悩むのは自由ですが、悩むだけでは成果があがらず、ますます、自分を追いつめるかもしれません。

 

  だから、まずは、 「①今できること」 を 「③やっていく」 を、日々、欠かさないこと。
  そうすれば、毎日、必ず、成果があがるため、精神的に、よい状態を、つくり出すことができます。
  人生にとって、大切なのは、過去でも、未来でもなく、今でした。

  今の精神状態をよくすれば、よいアイデアや決断に、恵まれるばかりか、さらに、健康にもよい そうです。

 

 

62.人生は 「今の精神状態」 で決まる      2014.08.27 

 

 自分が生きられるのは、過去でも、未来でもなく、 「今この瞬間」 だけです。

 だから、 「今」 の自分の状態によって、すべての可能性が決まってしまう、 と言っても、過言ではありません。
 それでは、今の自分の 「何」 を、重視すべきなのでしょうか。
   ここが問題です。

 

 財産や学歴、友人数や人脈などで、決まると、考える人も、いるかもしれません。
 しかし、お金持ちから転落、友人が大勢いるのに、孤独感に悩む人も少なくありません。
 本当の原因は、精神状態にある、のではないでしょうか。

 なぜなら、 他のことで満たされても、最終的には、自分の精神状態がどうあるかで、幸福感は決まってしまう ものだからです。 

 

 このような考え方をしていると、財産や学歴、友人数や人脈などは、幸福感を高めるための、道具に過ぎません。
 しかし、何かに頼りすぎると、主従関係が逆転するものです。

 やがて道具が主人になり、財産や人づきあいにこきつかわれ、自分自身は、人生を楽しめなくなります。
 さらに、依存状態がひどくなると、やめることに対して、大きな不安を抱くものかもしれません。 

 

 道具に頼らず、自分で精神状態を充実させられると、人生がうまく展開し始めます。
 ただし、この精神状態の高め方にも、コツがあるようです。

 私は、アドラーの 「幸福とは、貢献感である」 という言葉を、支持します。
 なぜなら、貢献すべき対象は、世の中に無尽蔵にあふれているため、一生、困らないからです。 

 

 実は、この貢献の仕方にも、コツがあります。
  それは、できる限り、広い世界への貢献を、目指すことです。

 ごく身近な人や、利害関係のある人に対する貢献だけでは、 「他者貢献」 と 「他者承認欲求」 の違いが、はっきりしない からです。
 だから、人生の最終目標は、 「自己実現によって、社会貢献を、実現させること」 と、明確に、考えるようになりました。 

 

 「社会貢献」 と言っても、特別なことをする必要などありません。
 利害関係のない人、見知らぬ人に、道を教えても、立派な社会貢献の1つ になる、のではないでしょうか。
 ここで重要なことは、今できることを、やっていくこと。
 ここでは、 「真剣かつ丁寧」 である必要はなく、小さな社会貢献でよいから、見返りを期待せず、日常的に積み重ねましょう

 

 

3.「過去」 を塗り替える方法      2014.08.29 

 

 アドラー心理学を、マスターすると、 「今ここ」 に集中できるようになります。
 その結果、過去にも、囚われなくなります。
 意外に思われるかもしれませんが、事実に関する記憶力は、反対に増すようです。

 「嫌なことは忘れる」 のうち、 事実に付着している、余分な感情部分 「嫌な」 が、消滅してしまう からかもしれません。 

 

 しかし、まだ、そこまで到達できず、 「今ここ」 に集中できない人。
 どうしても、過去に囚われてしまう人に、 「過去」 を塗り替える方法を、2つご紹介します。
 1つ目は、 「成功による方法」 、2つ目は 「成長による方法」 。

 どちらにも、共通するのは、 今の自分を変えて、過去の事実に対する意味づけを変える、 という点です。 

 

 まずは、 1つ目の 「成功による方法」 。
 ずいぶん昔の話ですが、ある女性演歌歌手が、レコード大賞を受賞しました。
 この方は、名前とは裏腹に、 「過去の不幸」 を売り物に、恨みつらみ話を好んでいました。
 ところが、大賞を取った瞬間、 「みんなに感謝したくなった」 そうです。
 

 

 つまり、 人間は幸せになると、心が豊かになり、過去も塗り替えられる のだと、この時、知りました。
  私自身も、税理士試験に合格したとき、過去の辛い試練も、すべて合格のために必要だったと、理解しました。
 原因論的な考え方ですが ・・・ とにかく、成功すること。
 成功するために、一事に専念していると、副産物として、知らない間に、 「今ここ」 に、集中できるようになります。
 

 

 つ目は 「成長による方法」 。
  自分を成長させ、過去の事実に対して、これまでとは違う意味づけをし、 「不幸」 を 「幸福」 に塗り替えます。

 この方法を知ったのは、斎藤一人著 「自分探しの旅」 です。                    
 「親の年齢にならないと、親の本当の気持ちはわからない」 と言われますが、それと同じ考え方です。 

 

 たとえば、子供の頃、 「親は何もしてくれなかった」 と、恨んでいたとします。
 しかし、自分が成長して、親と同じ立場になれば、親は親で、一所懸命、育ててくれたことが、わかるかもしれません。
 すると、 「悪い過去」 が、実は 「よい過去」 だったと、自分の中で、塗り替えることができます。

  私自身は、 「成長するほど、人生が楽になる」 ことを、知ったので、楽になりたい一心で、今日も、成長を目指している訳です。

 

 

4.「偶然の成功」 に恵まれたら、ひたすら成長を目指す      2014.08.31 

 

 前回、過去を塗り替える方法を、2つご紹介しました。
 1つ目は、 「成功による方法」 、2つ目は「成長による方法」。

  これらによれば、 過去のマイナスの記憶を、プラスの記憶に、変えることができる のではないでしょうか。
 ただし、 「成功による方法」 には、注意点があります。 

 

 よく言われることですが、失敗には、必ず原因があります。
 しかし、 成功には、必ずしも原因があるとは限らず、偶然の成功も、少なくありません。
 私自身も、税理士試験に挑戦した1年目は、半年前から勉強を始めたにもかかわらず、運だけで1科目、合格しました。
 ここで反省しなかったおかげで、2年目は、大敗という結果を招きました。
 

 

 偶然の成功、言い換えれば、根拠のない成功は、 「成長」 を伴いません。
 さらに、成長を伴わなければ、成功を持続させることが、できません。

  だから、 偶然の成功に恵まれたら、本当の自分が、見かけの自分に、追いつくように、懸命に成長する 必要があります。
 これまでの自分と格闘して、自分の奥底にある価値観を、改善しなければいけません。 

 

 成長とは、よい方向へ、自分を変えることです。
 自分を変えることには、人間誰しも、強い抵抗を伴うものです。

 この抵抗を、乗り越えるためには、 謙虚になって、ありのままの自分と、向き合わなければいけません。
  さらに、 「過去ではなく、未来を生きるために、今の自分を変えるんだ」 という、強い意志を、持つべきでしょう。 

 

 反対に、偶然の成功だったにもかかわらず、「自分は偉い」 と思いこむ人がいます。
 謙虚な心とは、逆の方向へ進む訳です。
 すると、過去のマイナスの記憶も、すべて、他人が悪かったことになるかもしれません。

  ありのままの自分の悪い部分から、目を背けてしまうため、成長とは、逆の方向へ進みます。 

 

 また、マイナスの過去に囚われないように、記憶を消し去ろうとする人もいます。
 天災や病気、事故などは、仕方がないとしても、重要な人間関係によるものだけは、放置しないようにしたいものです。

 なぜなら、 自分の中で決着させておかないと、心のどこかに、弱さを隠し持つ ことになるからです。
 「自分も悪いところがあった、これは自分が乗り越えるべき課題だ」 と、考えられれば、前向きに、取り組めるはずです

 

 

5.「過去に一番、輝いていた自分」 に、戻ろうとしないこと      2014.09.01 

 

 もし、成功に恵まれたとしても、それに見合う成長が伴わなければ、成功は長続きしません。
 逆に、成功したことによって、浪費などの悪い習慣が身につき、天国から地獄へ墜ちる人もいます。
  だから、最初から、  「成功」ではなく、 「成長」 を目指すべきでしょう。

  遠回りのように見えて、実は着実に進む ことができます。 

 

 それでは 「マイナスの過去に囚われる話」 に、戻りましょう。
 その過去が、もし、10代の出来事だったとすると、10代の未熟な自分だからこそ、マイナスに感じたのかもしれません。

 今の自分が、タイムマシンに乗って、10代に戻り、同じ経験をしたら、マイナスに感じるでしょうか。
 もし、まったく同じように感じるとしたら、それは、成長していないということです。 

 

 同じことが、プラスの過去についても、言えます。
 昔、よかったと感じたことを、年齢を経てから、もう一度やってみましょう。
 もし、成長していれば、たいてい、がっかりするものです。

 昔は、どうして、こんなことで喜べたのかと、不思議に思う  ことさえあるでしょう。 

 

 成長が止まって、やがて、人生が下り坂に差し掛かると、過去に一番、輝いていた時代の自分に、戻ろうとする人 もいます。
 たとえば、昔の友人などと、日常的な付き合いを始めるなど。
 昔の友人は、自分が輝いていた時代を、知っていますから、尊重してくれるかもしれません。
 また、現在は利害関係もないので、気楽につき合えますが、一方で、お互いの成長など見込めないものです。
 

 

 よく考えてみると、 過去に一番、輝いていた時代は、その年齢、その時代だったからこそ、輝いていた 訳です。
   しかし、時代も、環境も、立場も、年齢も、状況も、その後、変わり果てました。
 だから、過去の自分に戻ったとしても、今、輝く可能性など、皆無に近いと言えます。
 むしろ、過去の自分と訣別して、新たな方向性を、模索すべきではないでしょうか。
 

 

 プラスの過去も、マイナスの過去も、同じ過去、囚われると、前進できなくなります。
 その状態から脱するためには  「自分を成長させる方法」 があります。
 成長したと感じられたら、記憶をたどって、過去へ旅立ってみることです。

 そこで、 「過去の自分が、その出来事に残した意味づけを、成長した自分が、書き換える」、この作業を、繰り返すべきでしょう。 

 

 

6.企業経営に生かす (アドラーとドラッカー)      2014.09.10 

 

 私は、次の3人の考え方に、大きな影響を受けました。
 アルフレッド・アドラー       (心理学者 1870〜1937)
  アルベルト・アインシュタイン (物理学者 1879〜1955)
  ピーター・F・ドラッカー       (経営学者 1909〜2005)
 

 

 実は、この3人には、共通点があります。
 それは、 オーストリア生まれ だという点です。
 ところが、私は、世界史に疎く、しかも、外国旅行にさえ、出かけたことが、ほとんど、ありません。
 いつか、この国に、関心を持ち、実際に、訪れてみたいものです。
 

 

 また、個人的な感想ですが、この3人には、共通する世界観がある と、感じられます。
 アドラーのいう 「共同体」 は、家族や会社ではなく、社会や地球、宇宙全体を意味します。
 アインシュタインは、 「社会に対して熱烈な関心があるが、個人的なつながりは、一切、求めない」 と、述べていました。
 ドラッカーが唱える経営学も、社会を強く意識したものです。
 

 

 人が、社会を認識する世界観は、大別すると、2種類ある のかもしれません。
 A.「自分と○○さん」 「自分と△△さん」 という関係の、積み重ねの延長上に、社会があるという認識方法による
  B.もともと社会という空間があり、各人が存在し、それぞれの人生を歩んでいるという認識方法による
 アドラー心理学を実践する人は、後者の認識方法を採ると、考えています。
 

 

 世界観の違いにより、たとえば、次の ①〜⑤ について、A を選択する人は、すべて A を、B を選択する人は、すべて B を、選択しやすい のではないでしょうか。

「A.他人と自分を比較する」 「B.理想 (目標) の自分と現実の自分を比較する」

「A.他人と競争する」 「B.自分の未熟な部分と戦う」

「A.他人を上下に分ける」 「B.人はすべて平等と考える」

「A.他人を変えようとする」 「B.自分を変えようとする」

「A.過去や未来に囚われる」 「B.今ここを精一杯、生きる」

 

 従って、 アドラー心理学に魅力を感じる経営者には、世界観の近い、ドラッカーの経営理論が合っている。
 ピンとこない経営者には、マイケル・ポーターの 「競争の戦略」 などが、合っているのかもしれません。
  私は、アインシュタイン博士の言葉をヒントに、29歳のとき以来、延々と、自分の考え方を再構築してきました。
 実は、その時点で、世界観の近い、ドラッカーの経営理論と、アドラー心理学に、行き着くことが、決まっていたのかもしれません。 

 

 

7.幸せかどうかは、 「意味づけ」 で決まる      2014.09.12 

 

 「過去を塗り替える」 と言っても、事実そのものは、変わりません。
 過去の事実に対する、意味づけを変えるということです。
 もし、同じような経験をしても、意味づけによって、その後の人生は変わります。
 だから、 「どんな意味づけをするのか」 が、非常に重要になります。

 

 ただし、一度、意味づけに失敗したからと言って、それで終わりという訳ではありません。
 意味づけは、その後、何度でも、書き換えることができます。
 むしろ、自分が成長すれば、過去の事実は、自然に、意味を変えるものです。
 オセロゲームのように、マイナスの過去を、どんどん、ひっくり返していくことでしょう。 

 

 実は、 ここに、幸せに生きるヒントが、隠されています。
 「幸せは、どこか遠くにある」 と、考える人がいます。
 また、特別な経験をしなければいけないと、考える人もいます。
 わざわざ、富士山に登る人もいますが、その後、人生が変わったという話は、未だに、聞いたことがありません。 

 

 幸せとは、実は、今、与えられている環境の中に、見出すべきものです。
 方法としては、様々な事実に対する 「意味づけ」 を、変えることによります。
  「意味づけ」 を変えるためには、自分の考え方や価値観を、成長させなければいけません。
 もし、成長を伴わないまま、 「意味づけ」を変更すれば、それは、自分に対する嘘であり、不毛な結果に終わるでしょう。

 

 たとえば、納得もしていないのに、無理矢理、プラスの意味づけをする人がいます。
 これは、以前、お話しした 「自己肯定 (自分の弱さを認めず、自分は強いと言い聞かせるなど) 」 と同じで、 「現実逃避」 と言えます。
 自分に正直な人は、そのような嘘をつきません。
 正しくは、 積極的に、人生経験を積んで、自分を成長させるのみです。 

 

 私が生まれた1960年代は、未舗装の道が多く、雨上がりに自転車で出かけると、ドロドロになったものです。
 それが、今では、すっかり快適な環境に変わりました。
 自分自身は、それに対して、何一つ努力していませんが、多くの人が暑さ寒さに耐えながら、工事をしてくれたからでしょう。
  そう思うと、 ただ道を歩いているだけで、何だか、気分がよくなる ものです。

 

 

8.マイナスの過去も、自分自身の 「大切な財産」      2014.09.14 

 

 マイナスの過去も、 「原因」 によって、2つに大別する ことができます。
  ① 他人が原因で、自分が、嫌な思いをした過去
 ② 自分が原因で、他人まで、嫌な思いをさせた過去
 ② について、私は、 「意味づけ」 を、改めることなく、そのままの形で、財産にしています。

 

 たとえば、20代半ばのことです。
 念願かない、私は、実家を出て、一人暮らしを、再開しました。
 なぜなら、生活費という名目で、給料の約70%を、天引きされていたからです。
 このお金を、父は、飲み代に回していたようですが・・・ 

 

 大須の街を選んだのは、大好きな焼肉店 「○ちゃん」 があったからです。
 私が、近くに引っ越してくると、○ちゃんご夫婦は、大変、喜んでくれました。
 他の客が、飲み残したビールの瓶に、栓をして、再び冷蔵庫で冷やしたものを、ただで飲ませてくれました。
 ○ちゃんご夫婦は、きっと、私が税理士を目指して、猛勉強するものと、期待してくれていた のでしょう。 

 

 ところが、 給料を満額手にした私は、その期待を裏切り、独身一人暮らしを満喫していました。
 すると、ある時から、おばちゃんが、口を聞いてくれなくなったのです。
 だんだん、行きづらくなり、足が遠のくようになりました。
 やがて、閉店を知ったのは、新聞に載ったときのことです。 

 

 あのときの 「申し訳ないことをした」 という気持ちを、30年近く経った、今でも、持ち続けています。
 思い出せば、若い頃は、この他にも、多くの人の期待を、裏切って、生きていました。
  自分の未熟さにより、他人の好意を、踏みにじる結果になった、これらの過去を、私は、絶対に忘れない ようにしています。
  そして、だからこそ、今ここをしっかり生きなければならないと、考えるようにしています。 

 

 向上心が薄れてくると、マイナスの過去を、記憶の中から、引き出してきます。
 時には、30年以上前の記憶の中から ・・・  「今この瞬間」 に対して、緊張感を、取り戻すために
  いわゆる、ワルだった友人の中にも、今は、別人のように真面目に働いている人たちがいます。
 彼らも、 「今ここ」 を、充実させるために、マイナスの過去を、財産にしている のかもしれません

 

 

9.「行動の否定」 と 「人格の否定」 を混同しない      2014.09.15 

 

 最近、また、マイナスの過去を、増やしてしまいました。
 9月11日 (木) の朝、 学生時代の友人、J 君が、息を引き取りました。
 実は、9月6日 (土) に、同じく学生時代の仲間だった Y 君 から、 「そろそろ危ない」 と、連絡を受けていたのです。
 ところが、疲れが残っていたため、見舞いに行くのを、3連休 (13〜15日) まで、延ばしてしまいました。

 

 学生時代、100%外食派の私は、まめに自炊する J 君の下宿で、よく、ご飯を食べさせてもらったものです。
 また、引っ越しも手伝ってくれるなど、本当に長い時間を、いっしょに過ごしました。
 今でも、様々なシーンが、思い出されます。
  だから、 訃報を聞いたときは、 「どうして、すぐに会いにいかなかったのか」 と、猛反省しました。 

 

 昨年7月に、病名を聞いた後は、定期的に電話を入れ、病状を確認していました。
 最後に会ったのが、亡くなる 3 ヶ月前、すでに、相当、衰え、体重の減少を嘆いていました。
 葬儀場で、最後にかけた言葉は、 「あの世でまた会おう」 です。
 私自身、 この後の人生を、彼の分まで、しっかり生きよう と思います。 

 

 私は、マイナスの過去のうち、他人が原因であるものは、課題の分離によって、切り捨てます。
 反対に、 自分が原因であるものは、しっかりと、胸に刻み込む ことにしています。
 そして、同じ過ちを、繰り返さないこと。
 過去に、応援してくれた人たちのためにも、その後の人生を充実させることを、心掛けています。 

 

 以上のことを、実践するためには、 「自分が原因」 と気づき、潔く認め、長く記憶に、留めなければいけません。
 「罪を憎んで人を憎まず」 と言われますが、 罪とは 「行動」 に対するものであり、 「人格」 に対するものと、区別すべき です。
 これらを混同すると、全人格を否定するものと感じられ、他人や過去のせいにして、逃げる原因にもなります。
 罪は罪として、憎み、同じ過ちを、二度と、繰り返さないようにしたいものです。 

 

 プラスの過去も、マイナスの過去も、すべて自分が選択した結果、つまり自分の人生の一部 です。
 だから、 「目的論」 でお話ししたとおり、自分の人生に対して、主体性を持つべきです
 そうすれば、どちらの過去も、財産として、その後の人生に、生かすことができます。
 なぜなら、これらは、他人事ではなく、すべて自分が経験したものだからです。

 

 

70.アドラー心理学を必要とする人      2014.09.16 

 

  今回、この本を読みながら、気づいたことがあります。 
  それは、アドラー心理学を理解する上で、 もともとの性質や考え方も、無視できない という点です。
 私は、29歳のとき、アインシュタイン博士の言葉から、ヒントを得て、その後の生き方を、構築してきました。
 今年に入り、この本を読んだところ、アドラー心理学と同じ方向を、目指してきたことを、知りました。

 

 もともとの性質や考え方は、どうだったのかと言われれば、アドラー心理学寄りだったと言えます。
 幼少期から、 「他人と比較しない」 「他人と競争しない」 「他人の評価に無頓着」 など。
 だから、アインシュタイン博士の言葉に触れた後は、水を得た魚のごとく、どんどんその方向へ進みました。
 私の場合、性質や考え方の点から見て、 アドラー心理学が、もともと合っていた のではないでしょうか。 

 

 反対に 「他人と比較する」 「他人と競争する」 「他人の評価を気にする」 などの、性質や考え方を持つ人たち。
  そのために、 人生に苦しみを感じ、そこから抜け出したい と、考えている人たちは、どうでしょうか。
 自覚されていますので、この本を読んで、諦めずに、実践すれば、必ず、マスターできると思います。
 強い意志を持って、取り組んでいただきたいものです。 

 

 アドラー心理学を、マスターすべき人たちは、本来、以上のようなタイプではありません。
  たとえば、他人の課題に土足で踏み込む、お節介な人たち。
 このような人たちこそ、 アドラー心理学をマスターして、他人に迷惑を掛けない ようにして欲しいものです。
 しかし、この本を読んでも、永久に理解できない、のではないでしょうか。 

 

 また、 「他人と比較する」 「他人と競争する」 「他人の評価を気にする」 という傾向が、非常に強い人。
 このような人たちが、この本を読んでも、信じられない、可能性があります。
 さらに、読解力が乏しいと、タイトルに囚われて、誤読する恐れもあります
 たとえば、 タイトルのみ見て、他人の評価を得るために、あえて 「嫌われる」 ような、態度を取ってしまう 、など。 

 

 アドラー心理学をマスターするためには、年齢の半分の時間が必要 と、言われています。
  従って、若い人ほど、アドラー心理学をマスターしやすいと、言えます。
 とりあえず、 「課題の分離」 まで進めば、人生は劇的に軽いものになります。
 やがて、無力感から解放され、人生つまり自分の課題に、積極的に取り組めるようになるでしょう。

 

 

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代表社員 税理士 今井 睦明


1960年生まれ 名古屋市出身 1989〜1993年 税理士試験 法人税法、消費税法、事業税、簿記論、財務諸表論、全5科目合格
 
1994年税理士登録 日本税理士会連合会 登録番号 税理士法人3430 税理士78397 名古屋税理士会名古屋北支部所属

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