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税理士法人 今井会計事務所

人生100年時代は、40代までに起業する  2022.08.26

1.今の 60 代の姿は、未来の自分

 

昨春、同級生が 60 歳で定年を迎えました。                          長年のサラリーマン生活から解放され、さぞかし気楽な日々を送っていると思いきや・・・     再就職後の 「収入の減少」 と 「環境の変化」 に、悩まされている 人もいます。          何が起きているのでしょうか。

 

就職したのは、約 40 年前。                                 当時はサラリーマン全盛時代で、「年功序列」 と 「終身雇用」 が当たり前。
定年まで勤めれば、一生安泰のはず でした。
まさか、このような時代が訪れるとは、一体、誰が想像できたでしょうか。 

 

今回のテーマは 「人生 100 年時代の働き方」。                         その解決方法の1つと て「40 代までの起業」を提案します。
読んでいただきたいのは、準備すれば間に合う 20 〜 40 代 の人たち。
60 代の身に起きていることを、明日の我が身として、ご想像をいただければ幸いです。

 

 

2.「60 歳定年退職モデル崩壊」 の原因

                                              人生設計において、「60 歳定年退職モデル」 は、なぜ崩壊 したのでしょうか。
大きな原因は 2 つと考えられます。
①平均寿命の延び ・・・ 老後期間の長期化
②日本経済の衰退 ・・・ 退職金や年金などの減少

 

私が生まれた 1960 当時は、定年が 55 歳で、男性の平均寿命が 65歳。
老後は 10年 しかなく、しかも家族に囲まれ、年長者として尊重 されました。
しかし、今や人生 100 年時代を、予測する人さえいます。 
もし、老後が現役と同じ 40 年間もあったとしたら、私たちはその過ごし方に慣れていません。

 

さらに、30 年間、衰退を続けた日本経済の実態が、コロナとウクライナ問題をきっかけに、露呈しました。
かつてのような退職金と年金は、期待できません。
このような時代を生き抜くためには・・・

「70〜80歳まで働くことができる人生設計」を、40代で再構築 するのも、解決方法の1つです。

 

 

3.起業のタイムリミットは 40 代 ?

 

50 歳に到達すると、次の 3 つの原因により、新たなことを始めるのが、難しくなります。
① 精神力の低下  ② 家庭の事情  ③ 定年間近
体力低下に伴い 「① 精神力の低下」も進むため、新たなことに挑戦する意欲が、失われていきます。
30 歳と 40 歳よりも、40 歳と 50 歳、さらに 50 歳と 60 歳と、その差は拡がっていきます。

 

「②家庭 の事情」としては、子の教育費や住宅ローンなど。
また、残り 10 年になると、ゴールまで続けたくなるので、「③定年間近」も原因の 1 つ。
活かせない側にも問題がありますが、「働かないおじさん」 と呼ばれる 50 代の人たちがいます。
今後は社会の変化が速まり、「年齢による人材の陳腐化」 が加速 するでしょう。

 

「身近な人間関係」 や 「目先の損得」 にばかり関心が集中し ・・・
社会の動きにまったく関心がなく、リスク情報に無頓着な人がいます。
国力が弱まれば、公共の支援も難しくなります。

事前に予測して行動を起こすかどうかで、その差が拡がる ことでしょう。

 

 

4.「起業に有利な人」 と 「起業に不利な人」

 

起業に有利な人と、不利な人がいます。
有利な人とは、サラリーマン時代に 「起業しやすい仕事」 に就いていた人。
わかりやすく言えば、手に職のつきやすい仕事。
営業職や技術職、事務職などを問わず、1つの職種でプロのレベルに達した人。

 

一方、役所や大企業で、様々な部署に配置転換させられた人は ・・・
何十年、仕事をしても、手に職がつきません。
組織や役職という看板を外したとき、自分には何が残るのか。
この答えが明確でない人は、起業に不利と考えられます。

 

起業に有利な人は、サラリーマン時代と同じ分野で起業 されるでしょう。
過去に蓄積した知識や技術、人脈などを、活かすことができます。
一方、起業に不利な人は、フランチャイズ等に加入するのも方法の 1 つです。
ただし様々な制限があり、本部の業績にも左右されるなど、少なからずリスクを抱えます。

 

 

5.自ら進んで、起業家になる人

 

サラリーマンを続けたくても、やむを得ない事情により、起業家になる人もいれば ・・・
自ら進んで、起業家になる人もいます。
タイプとしては、大きく 3 つに分かれます。
① すべてにおいて優秀な人  ② もともと起業家向きの人  ③ サラリーマンに合っていない人

 

① のタイプは、上場企業などの エリート・サラリーマン を経て、大事業を成し遂げます。
② のタイプは、若い頃から一生の仕事に気づいている人。
その分野に必要な知識が必要な場合は、10 代半ばで学部を決めなければいけません。
何れも、ごく少数なので、普通の人には関係がありません。

 

起業家の大半は、③ のタイプ でしょう。
サラリーマンを途中で嫌になって、辞めてしまう人も、このタイプ。
私の場合、20 歳の頃には 「サラリーマンは絶対無理」であること を、自覚していました。
今後は、自分の経験等も踏まえて、話を進めていきましょう。

 

 

6.起業の準備はいつから始めるのか ?

 

起業するための準備は、20 代から始めるのが理想です。
ゴールの 「起業家としての成功」 から 逆算して、今の過ごし方を計画 します。
「サラリーマンを一生続ける予定の人」 と、「途中退職後に起業を予定する人」
両者は、 働き方も就職先も異なります。

 

まずは、働き方。
就職の主たる目的は、将来の起業のために、知識や技術、経験を得る ことなので ・・・
一般的なサラリーマンのように、「安定」 や 「福利厚生」 などは、ほとんど求めません。
困難な仕事も積極的に引き受け、経験数を増やし、自分の財産にしていきます。

 

次に、就職先。
大きな組織に入ってしまうと、歯車の 1 つとして、ごく一部の仕事しか任されません。

逆に 小さな組織に入ると、広範囲の業務を任されます。
将来、起業して経営者になるためには、中小企業の方が有利かもしれません。

 

 

7.収入を増やすためのアプローチは、サラリーマンも起業家も同じ

 

成果をあげる人とあげない人の差は、才能ではない。
いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。

  

成果をあげることは、実践的な能力の積み重ねである。                      実践的な能力を修得するのは、あきれるほどに単純である。

 

普通の人であれば、実践的な能力は身につけられる。
卓越するには特別の才能が必要であるが、成果をあげるには、人並みの能力があれば十分である。

 

これはドラッカーの言葉です。
つまり 「普通の人」 が 「特別な人」 になるためには、生まれ変わる以外の方法はありません。
しかし、仕事や収入を増やすだけなら、「やりたいこと」をやめて、「やるべきこと」をすればよい。
そこに、サラリーマンと起業家に、違いはないでしょう。

 

 

8.サラリーマンの方がよいこと

 

もし収入が不安定になったとしても、サラリーマンの方がよいこともあります。
それは 「大きなプロジェクトに関われること」 や 「研究費などの予算が大きなこと」。
起業家は、零細企業からスタートするので、その点では不利と言えます。
超優秀な技術者や医師、学者などは、大きな組織にいた方が幸せでしょう。

 

さらに、面倒なことや苦手なことは、他の部署の人が担当してくれます。
一方、起業後、業績を伸ばし、従業員数が増えてくると ・・・

経営者は雑用に追われ、「管理」という新たな課題 に、取り組まなければいけなくなります。
その煩わしさから、自分の職業を見失ってしまう人もいます。

 

私は、もともとサラリーマン向きではないので ・・・
サラリーマンのメリットが、なかなか思い浮かびません。
今の時代は、収入も上がらなければ、勤務先の存続や安定も、怪しくなってきました。

サラリーマンに対する固執は、リスクの 1 つ になりつつあるのかもしれません。

 

 

9.サラリーマンも、起業家のように生きる時代

 

今日のエグゼクティブは ・・・
体系としてのマネジメントの 「経営管理的な側面」 に全面的にコミットしている。

しかし、今や 「起業家的な側面」 にコミット しなければならない。
これもドラッカーの言葉です。

 

超意訳ではありますが ・・・
今日の組織の上層部は、管理に力を入れている。
しかし、激変する社会においては・・・
常に新たなことを生み出すために、起業家的な思考と行動を備えなくてはならない。

 

変化を当然とし、自ら変化を生み出し、変化を利用して、機会(チャンス)を創り出す。
ドラッカーには、このような思想があります。

反対に、日本人が求める 「安定」 は、「現状への執着」 と 「変化に対する拒絶」 が含まれます。
恐竜の絶滅、百貨店や駅前商店街の衰退など、変化に対応できなかった実例から、学びたいものです。

 

 

10.起業家の方がよいこと

 

資格取得から 30 年近く、経営者を務めてきました。
60 代になった今も、時間外労働が月 100 時間前後。

しかし、自分の裁量で仕事ができるため、疲労感は格段に少ない ものです。
人間関係の悩みも、大きな組織と比べれば、無に等しいと言えます。

 

顧客との関係も契約で成立しているため、解除する権利を平等に有しています。
仕事量を調節することも可能であれば、引退する時期も自由です。
ただし、この状況に至るまでには、様々なことを経験しました。

「選択できる側」 に立てるかどうのキーワードは、「需要」 ではないでしょうか。

 

就職氷河期世代の問題が、しばしばニュースになりますが、起業家になった人たちは元気です。
「自分の力で生きている」 というリアリティー感覚が、活力を生む のでしょうか。
サラリーマンに絶対的な価値を置く時代は終わりを告げ、起業家を選択する人が増えつつあります。
起業家の増加が、日本経済の活性化につながることを願っています。
 

 

 ※参考文献

  P.F.ドラッカー著 仕事の哲学」 「経営の哲

コロナの最中に見えた近未来社会 2021.07.17

 

1.メジャーリーガー大谷昇平選手の活躍

 

 2019年の終わり頃から、コロナ禍が始まりました。
 幸いにも、ほぼ何も影響を受けることなく、多忙な日々を送ってきました。
 今回は仕事疲れを引きずりながら、久しぶりのコラム更新。
 コロナ禍の最中も続けてきたのが、未来社会の模索。

 

 最近の明るいニュースと言えば、メジャーリーグに移籍した大谷翔平選手の活躍。
 日本人もここまできたかと、感慨深いものがあります。
 一方、ホームランを放つ大谷選手の後方に目を移すと ・・・

 マスクもしない観客が、過密状態になって、歓声をあげている ではありませんか。

 

 米国と比べ、感染者数も重症化率も極端に低かった日本は ・・・
 未だに国民に自粛を呼びかけ、医療機関は悲鳴をあげています。
 大きな違いを生んだ原因は、何処にあるのでしょうか。

 日本社会の構造的欠陥は、何処にあるのでしょうか。

 

 

2.公務員数を増やすべきか ?

 

 1 ヶ月の残業が 387 時間。                                                                                                                  「新型コロナウイルス感染症対策推進室」 に勤務する官僚の 1 人の勤務実態。
 公務員の一部では、コロナ以前からサービス残業が常習化 していました。
 過酷な労働環境に耐えきれず、官僚の離職率が高まったという記事も目にしました。

 

 国家の中枢がこのような状況では、将来に不安を感じます。
 山口周著 「ビジネスの未来 を読んだところ、新たな視点に気づかされました。
 たとえば、日本は 「小さな米国」 を目指してきたが ・・・
 圧倒的な存在である、米国を目指すこと自体が間違っていた。

 

 日本が目指すべきは ・・・
 税負担も高いが、社会保障も充実している北欧諸国 ではないかと。
 見逃せないのは、このような国に住んでいる人たちの方が、幸福度が高いという事実。
 そのためには公務員数を増やすべきかもしれません。

 

 

3.未成年者の食事無償化も可能 ? 

 

 消費者庁のHPによれば ・・・
 2017年の日本の食品廃棄物は、年間 2,550 万トン。
 このうち、まだ食べられる 「食品ロス」 は、612 万トン。
 これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた、世界の食糧援助量 390 万トンの 1.6 倍に相当します。

 

 もし 「食品ロス」 を減らし、その食料を貧困に苦しむ人たちに活かす ことができれば ・・・
 生きるために欠かせない要件の 1 つが、満たされることになります。
 さらに未成年者に食事券を無償で支給すれば、その金額を教育費に回すこともできます。
 「どのような家庭に生まれたのか」 による不公平と不平等を、少しでも解消することができます。 

 

 根本的な問題は、「モノ不足」 ではなく、「分配方法の間違い」。
 発想を転換すれば、今ある物資を活かすことによって、貧困問題の一部を解決することができます。
 米国のような貧富の差が激しい社会は、日本人に合わないと思います。                                                         「小さな米国」 よりも 「北欧諸国」 を、目指すべきなのかもしれません。

 

 

4.過去 30 年間のGDP成長率は世界ワースト 2

 

 1990 年以降 30 年間の日本のGDP成長率は 「世界ワースト 2」。
 日本は人口が多いので、原因は1人あたりの生産性が低い ことにあります。
   https://www.globalnote.jp/post-1339.html
 日本
人は過去の仕事を捨てられない一方で、時代の変化に対応するため、新しい仕事が増え続けます。

 

 この状況を IT などのツールを用いて解決を図ろうとしますが、働く人のメンタルが持たなくなります。
 最善の方法は、「無駄な仕事を廃止する」 ことではないでしょうか。
 価値の高い新たな仕事を生み出すためには、失敗を重ねる必要があります。
 しかし日本社会は逆の方向、つまり硬直化が進み、寛容さが失われつつあります。

 

 無意味化した過去の仕事を正確に行うことに、時間と労力をかける。                                                          お手本として完璧を目指す過去とは 「失われた過去 30 年」。 
 つまり 昭和の蓄積を使い果たし、未来の人から多額の借金を重ねた 「平成時代」 のこと。
 視線は 「平成時代の日本」 ではなく 「諸外国」 や 「理想の未来」 に向けられるべきでしょう。

 

 

5.男女の賃金格差も世界ワースト 2

 

 OECD (経済協力開発機構) の統計によると ・・・
 男女の賃金格差においても、日本は 「世界ワースト 2」 で、格差は 24.5%。
 主たる収入を得るのが夫で、自分は負担の軽いパートでよいという女性にとっては、悪くないのかもしれませんが ・・・
 自分の収入を主と
する シングルマザーや独身女性にとっては、深刻な問題 と言えます。

 

 ① 男女に能力差がない
 ② 男女には大きな賃金差がある
 これら2つを前提として、雇用する側から検討すると、異なる未来が見えてきます。
 それは女性優位の社会。

 

 もし同じ雇用条件で、求人募集をするのであれば、男女何れが優秀な人材を確保しやすいでしょうか。
 もちろん正解は女性です。
 これは差別でも偏見でもなく ・・・

 2 つの前提条件を基に、合理的に判断すれば、明らか に到達する結論です。

 

 

6.「女性の活躍」 と 「男性の二極化」 が進む

 

 近年は、若年ながら目覚ましい成果をあげる男性が増えつつあります。
 
反対に、いわゆる 「ひきこもり」 と呼ばれる人たちも、男性の比率が圧倒的に高いそうです。            男性は 「大活躍する人」 と 「社会への適合が難しい人」 の二極化 が、進んでいるのかもしれません。
 「年功序列」 と 「終身雇用」 の全盛期には、見られなかった傾向です。

 

 一方、女性は 「ゆとり世代」 から変わったと感じます。
 それ以前の 「就職氷河期世代」 は、就職難もあり、経済面では男性に依存せざるをえなかった可能性があります。
 しかし 「ゆとり世代」 の女性には、「男性に引けを取る」 といった空気が、まったく感じられません。
 むしろ女性の方が、かつて呼ばれた 「男性らしさ」 を持ち合わせていると感じます。

 

 また雇用する側の安心材料として ・・・
 女性の方が犯罪率が低い という点も挙げられます。
 これは警察庁の HP 等で確認することができます。
 カウントされている逮捕者は氷山の一角であり、逮捕されない程度の犯罪は、その数十倍はあるはずです。
 

 

.銀行からお金を借りなくなる

 

 前述の山口周さんの本にも書かれていました。
 高い経済成長率は発展途上国の特徴であり、成熟すればやがて低成長時代を迎えるのだと。
 国家として永久に高い成長を目指すのは、成人後も身長を伸ばそうとするのと同じ。
 今後は高い成長を目指すよりも、すでに成長した現状の活かし方について検討すべき なのかもしれません。

 

 このような状況で 危ぶまれるのが、経済的基盤も弱く、国内を主な市場とする地方銀行。
 経済成長率が下がると
、デフレを回避するために、金融緩和政策が採られます。
 おかげで今の日本は超低金利。                                        収益源である利ざや (貸したお金に対する受取利息と、預かったお金に対する支払利息の差額) が小さくなります。

 

 さらに追い打ちをかけるようですが、金融機関からお金を借りる人が減るかもしれません。
 代わりに増えるのが 「クラウドファンディング」 と呼ばれる資金調達方法。
 インターネットを介して、不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する方法とのこと。

 メルカリで物品の個人間取引が進んだように、クラウドファンディングで資金の個人間取引が進む かもしれません。

 

 

8.人生 100 年時代のユウウツ

 

 私が生まれた1960 年頃は、定年が 55 歳で、男性の平均寿命が 65歳。
 老後が10年しかなく、しかも家族と同居するケースが多いため、幸せな晩年を過ごすことができました。
 ところが今は、「人生 100 年時代も近い」 と言われています。
 もし 定年後の余生が 40 年もあったら、政府が試算した老後資金 2000 万円などで、足りる訳がありません。

 

 定年退職者の人材活用。                                            政府や行政機関に限らず、民間企業にも真剣に取り組んでいただきたいテーマです。
 それは 本人に限らず、人口減少により、労働力低下が避けられない日本経済にとっても幸い します。
 ここでも 「求められる人材」 と 「求められない人材」 の二極化が進むことでしょう。

 

 さらに健康問題。
 心身ともに健康でなければ、生きていること自体が、苦痛になります。
 同業の先輩に教えてもらいましたが、研究家によれば人間は身体の寿命よりも、脳の寿命の方が短いそうです。
 莫大な情報量と複雑な人間関係の中、メンタルを強くする思考法も習得 すべきでしょう。

 

 

9.何もしない人が当事者を批判する時代

 

 今回のコロナ禍では、政府と行政、委員会など、当事者に批判が集中しています。 しかし新型コロナウィルスは未知のものであり、その対応は困難を極めたと推測されます。
 さらに 日本国憲法には 「非常時に国民の行動を制限する条項」 がないそうです。
 だから好き勝手に行動する人たちにも、お願いをするしかありません。 
 

 硬直化した不寛容な社会では、減点主義が主流になります。
 そこで優位な立場を確保するためには、失敗をしないこと。
 その結果、何もしない人が、当事者を声高に批判する 風潮がまん延します。

 生産的な社会への移行は、ますます難しくなるでしょう。 
 

 

 当事者の立場にある人たちに、1 つだけ提案があります。
 それは 政治や行政に限らず、組織の上層部が、現場の状況を把握する こと。
 仲間と群れ合う時間を減らして、現場の声に耳を傾ければ、失言も回避できるでしょう。 社会を改善できるのは、評論家や批判者ではなく当事者です。 

 

 

10.アフターコロナに始まる未来社会

 

 ここまで読まれて ・・・ 「GDP成長率ワースト 1」 と 「男女賃金格差ワースト 1」 は、何処の国なのかと、気になられた方もみえるでしょう。
 前者はイラク、後者は韓国です。
 イラクは湾岸戦争等が原因、韓国は意外でしたが 34.6% と高い結果 でした。

 

 問題解決を目指すとき、必ず対立する誰かの板挟みになるものです。
 コロナ禍の場合は 「健康重視派」 と 「経済重視派」。
 それぞれの人が、それぞれの立場で、極端な主張を繰り広げました。

 どのあたりが正しかったのかは、後世になって、明らかにされることでしょう。

 

 幸いにもワクチンのおかげで、平常の生活に戻るのも、時間の問題になりました。
 経済的に苦しまれている業界と、医療や介護に従事される方たちのことを思うと、その日が早く訪れて欲しいものです。
 コロナの後には、新しい社会への動きが加速化することでしょう。

 変化を恐れることなく、前向きに受けとめる ことが、成功につながるのではないでしょうか。

 

 

 ※参考文献

   山口周著ビジネスの未来  神田昌典著マーケティング・ジャーニー

 

 ※参考HP

   消費者庁   警察庁   OECD (経済協力開発機構)

新型コロナウイルスによる大不況 2020.04.03

1.新型コロナウイルスの予測の難しさ

 

 2016 年の秋頃から、景気後退を警戒していました。
 詳しくは 2017年から始める不況対策を、ご覧いただければ幸いです。
 2008 年に起きた リーマン・ショックは、数年前から、予測 されていました。
 おかげでこの私でさえ、2 ヶ月前に情報を入手することができました。

 

 さらに、予測本には、金融危機発生後の展開まで、書かれていました。
 具体的には、FRB の ベン・バーナンキ議長が、震源地の米国で、米ドル紙幣を大量にばらまく。
 つまり超大規模な金融緩和を行う。
 実際にそのように実行され、世界経済は平和を取り戻しました。

 

 ところが今回の新型コロナウイルスについては ・・・
 経済的見地のみならず、医学的見地も求められます。
 しかし、医学の専門家でさえ、影響や収束時期が予測できていません。
 ここにリーマン・ショックとは、次元の異なる問題解決の難しさがあります。

 

 

2.世界経済なくして、日本経済なし

 

 今回の問題がいかに難しいかを示すかのように ・・・
 コロナに関する経済対策本が、現時点において、見つかりません。
 そこでネット情報を探していたところ  ・・・
 有益な記事を 2 つ発見しました。

 

 ① 岩田太郎さんの 新型コロナ 米経済崩壊への最悪シナリオ これから3カ月で何が起こるのか
 ② 鈴木貴博さんの 世界恐慌かリーマン級か? コロナウイルスの本当の危険度とは
 近年、世界経済はつながっており、1 つの国で何かが起きると、多くの国に影響 を及ぼします。
 それが世界的に起きている。

 

 さらに最も感染者が多いのが、世界経済の中心である米国。 日本は人口当たりの感染者数や、死亡率において、非常に優秀ですが・・・
 世界経済、米国事情などにより、深刻な不況が長引く 可能性が出てきました。
 今回のテーマは 「新型コロナウイルスによる大不況」。

 

 

3.リーマンとは逆の進み方 

 

 リーマン・ショックは、以下の順で悪化が進みました。
 金融 → 企業 → 消費
 経済学の成果により、大規模な金融緩和を実施すれば、何とかなると、解っていました。
 鈴木貴博さんによれば、最終的に金融業界はほぼ安泰、被害に遭ったのは製造業・サービス業・小売業。

 

 今回の新型コロナの場合 ・・・
 金融 ← 企業 ← 消費
 今のところ、外出を控えているため、スーパーなどの売上は増えているそうです。
 しかし収束まで長引けば、政府の援助も終わり、お金は底を突きます。 

 

 在米ジャーナリスト岩田太郎さんは ・・・
 医療危機から金融危機へ進む ことを、危惧しています。 
人 (健康) か経済かと言われますが ・・・
 やはり優先すべきは人 (健康) です。

 

 

4.医療崩壊から始まる金融崩壊

 

 米国の感染者数増加が止まりません。 根拠の有無はわかりませんが、4 月の第 2 週がピークと言われています。
 ところが米国の医療施設は、在庫を最小限に抑えているため ・・・
 その時点で 6 万 4 千の患者用ベッド、1 万 9 千の人工呼吸器が不足 する。

 

 ここから医療崩壊が始まる。
 つまり 患者が増えても治療できないので、爆発的に増加 していく。
 その結果、住宅ローンなどが返済不能に陥り ・・・
 債権回収会社などに、莫大な損失が発生する。

 

 担保である住宅が大量に市場に出回り ・・・
 不動産価格が暴落 する。
 さらにリーマン時と同様、不動産担保債権の焦げ付き。
 これらにより、大規模な金融危機が発生する恐れがあるそうです。

 

 

5.景気が悪いのにインフレ

 

 一方、鈴木貴博さんの記事の中に ・・・
 興味深いことが書かれていました。
 それは 「景気が悪いのにインフレ (物価上昇) 」 の可能性。
 普通は 「景気がよければインフレ」 「景気が悪ければデフレ」 です。

 

 景気が悪いとき、デフレになれば ・・・
 資産家以外の人は、物価が下がり、生活しやすくなります。
 しかしインフレになると ・・・
 収入が減るにもかかわらず、物価が上がるため、生活が困難な状況 に陥ります。

 

 リーマン・ショック時、経済本を数十冊、読みました
 それ以来、どのような条件で、この最悪の組み合わせ が起きるのか。
 疑問に思っていたところ ・・・
 ようやく理解することができました。

 

 

6.米国の失業率は最悪を迎えるか

 

 今回のコロナ・ショックでは ・・・
 人 ・ モノ ・ お金のうち、人とモノが動かなくなりました。
 つまりモノの生産に、急ブレーキがかかっています。
 その結果、モノ不足が進んでいます。

 

 経済学の大原則ですが ・・・
 モノが減れば、価格は高騰。
 さらに買い占めが進めば、この傾向は強くなります。
 すでにマスクは世界的に高騰しています。

 

 米国の失業率は 2 月で過去最低レベルの 3.5%。
 その数ヶ月後、専門家の予測では、24.9 〜 42.0% という数字も挙がっています。
 不況によって、仕事が減り、収入が不足する状況で ・・・
 インフレ社会が訪れば、生きることさえ、困難になります。
 

 

.便利で安全な 「決済用 普通預金」

 

 2017 年から始める不況対策 の内容と重複しますが ・・・
 不況時にはとにかくキャッシュを多く持つこと。
 平常時に必要なのは売上の3ヵ月分、非常時は最低6ヵ月分以上。
 運用益など無視して、ひたすら現金を保有する。

 

 リーマン・ショック時にペイ・オフ制度が制定されました。
 利息のつく預金の残高は、1 行あたり 1 千万円までしか保証されないというもの。
 しかし 利息の付かない 「決済用 普通預金」 の口座を開設すれば ・・・
 普通預金として、気軽に利用できる上、全額保証されます。

 

 また政府などの ・・・
 支援策には、早めに目を通し、早めに利用 しておきましょう。
 https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
 政府の予算が、底を突く前に。

 

 

8.大不況を乗り越える

 

 社会の方向性が 180 度変わった。
 企業経営の方向性についても、このように認識すべきです。
 2008 年のリーマン・ショックから立ち直り、好景気が続いた社会が突然、終わり ・・・
 大不況に突入することを前提に、用心深く経営に当たる 必要があります。

 

 まずは自分自身が感染しないこと。 矛盾するようですが、最悪の事態を避けるために ・・・
 感染を前提に、基礎体力の維持向上 に努めておく こと。
 事前の準備は怠りなく。

 

 大不況の後には、新しい社会 が訪れます。
 コロナ不況対策の一方で、その準備が必要になります。
 過去の業歴や業種に固執することなく ・・・ 社会の変化に対応していきたいものです。

 

 ※参考記事

   岩田太郎 新型コロナ 米経済崩壊への最悪シナリオ これから3カ月で何が起こるのか
   鈴木貴博 世界恐慌かリーマン級か? コロナウイルスの本当の危険度とは

     「2017年から始める不況対策  2016.09.29

 

 ※参考文献

   ジム・コリンズ著 ビジョナリーカンパニー④自分の意志で偉大になる

高学歴を活かせない人  2019.11.02

 

 

■  高学歴を活かせない人 (前編 : キーワードは、 秀才 ・ 再現性 ・ 正解)

 

 

1.高学歴を活かせない人

 

 高学歴なのに ・・・
 社会人として、それを活かせない 人が増えています。
 彼らが本来の力を発揮してくれれば ・・・
 日本社会、いや世界さえ、もっとよくなるかもしれません

 

 本人も心の底で ・・・ 「こんなはずじゃなかった」 と、思っているはず。
 今回のテーマは 「高学歴を活かせない人」。
 ご参考になれば幸いです。

 

 これらの問題のヒントが見つかりそうな本に出会いました。
 北野唯我著 天才を殺す凡人」。
 人を、「天才」、「秀才」、「凡人」 に、分けます。
 それぞれの本質に基づいて、人間関係が解説されています。

 

 

2.天才、秀才、凡人の違い

 

 キーワードは ・・・
 天才が 「創造性」、秀才が 「再現性」、凡人が 「共感性」。
 1 人の中にすべての要素があり、それぞれの比率によって、3 タイプに分かれるそうです。
 それぞれ異なる長所と短所があるので、優劣の問題ではありません。

 

 ただし人数が異なります。
 圧倒的多数なのが 「凡人」、次に 「秀才」、最も少ないのが 「天才」。
 「高学歴とはどの程度まで」 という定義は別として ・・・
 高学歴の人の中に、「凡人」 は少ないと考えられます。

 

 さらに 「天才」 のキーワードは 「創造性」。 学歴とは関係ありません。
 高学歴者の大半は 「秀才」 ではないでしょうか。
 ここから先は 「秀才」 に絞って、話を進めましょう。

 

 

3.秀才とは 「再現性」 に優れた人のこと

 

 秀才とは 「再現性」 に優れた人。
 学習から得られた正解を、同じように再現できる人。
 正解に近い行動、発言、思考ができる人 のことです。
 正解とは、知識やルールなど、既に正しいと認知されたもの。

 

 つまり秀才が成功するための条件とは ・・・
 「正解が明らかなこと」 ではないでしょうか。
 正解さえ解れば、秀才は高い「再現性」 を発揮 して ・・・
 成功をモノにできる可能性が高まります。

 

 受験勉強の世界では、白 (正解) と黒 (間違い) しかありません。 しかも、模範解答として、正解が与えられます。 
 一方、社会に出ると、白黒はっきりしたものなどなく、すべてグレー。
 その中から、自分で正解らしきものを、探したり、判断したり、選択しなければいけません。

 

 

4.社会人の成功は 「社会人の基礎」 が前提 

 

 社会人になった後、うまくいかないのは ・・・ 「秀才」 に限った話ではなく、「天才」 も 「凡人」 も同じ。
 なぜなら学生と社会人では、求められるものが異なるからです。
 秀才の立場で言えば、「正解」 が異なる。

 

 社会人の基礎となる部分 ・・・ たとえば、生活習慣、法律遵守、人間関係、仕事・勉強・成長の方法、進路の決め方など。
 これらは 学生時代と異なり、すべて自発的に学んで、習得する 必要があります。 
 ここからは 「社会人の基礎」 と呼んで、話を進めましょう。

 

 天才、秀才、凡人の全員が、「社会人の基礎」 を、1 から学ばなければいけません。
 秀才であれば、そこから 「正解」 を導き出し ・・・
 優れた 「再現性」 をフルに生かして、その後、多くの成功を手に入れる。 
 これが秀才らしい生き方ではないでしょうか。

 

 

5.仕事に対する責任感が、自分を成長させる 

 

 自分にとって ・・・
 多少なりとも、大変な仕事や日常と、向き合い続ける。
 これも人生の歯車を狂わせない方法の 1 つかと。
 60 歳近い人間の感想です。

 

 ドラッカーも述べるとおり ・・・
 成長を促す最も大きな要素は、仕事に対する責任感。
 責任に耐えながら、失敗を乗り越えることによって ・・・
 「社会人の基礎」 が、習得できると考えられます。

 

 責任のある立場を手に入れる方法とは ・・・ ① やり甲斐のある職場に就職する
 ② 今の職場の中に、やり甲斐を見出したり、やり甲斐を生み出すようにする
 ③ 起業する

 

 

6.秀才に成長をうながす仕事とは ?

 

 前述の理屈によれば ・・・
 優秀な人ほど、能力に見合った仕事、つまり責任の重い、大変な仕事が必要 になります。
 「鉄は熱いうちに打て」 と言われるように ・・・
 まだ頭が固まっていない、卒業後の 10 年が勝負と思われます。

 

 順調に就職できた秀才は ・・・
 自ら望んだ職場ですから、仕事に前向きに取り組むことができます。
 大変な困難にも、耐え抜くことができます。
 これらを乗り越えるうちに、「社会人の基礎」 が、確立されていきます。

 

 一方、最初の就職でつまづいてしまうと ・・・ 希望もなく就職した職場には、目標 (正解) となる先輩も見あたりません。
 凡人にとって、それは 「普通の社会」 であり、そこで長年、過ごすことも可能です。
 しかし 秀才にとっては望ましくない環境、「社会人の基礎」 を学ぶ前に、転職 してしまうのではないでしょうか。

 


 ■  高学歴を活かせない人 (中編 : 試して欲しいこと)

 

 

1.失敗を恐れない

 

 前述の本には、次のようなことが、書かれています。
 教科書に載っている成功の裏には、無数の失敗が存在する。
 しかし 秀才は、その上澄みの成功だけを学んできた。
 失敗しまくったことがないから、秀才は何でもできると勘違いする。

 

 学生は教科書や授業から、頭で学びます。 一方、社会人は 「経験」 を通じて、「知識」 を検証しながら、体得していきます。
 特に 「失敗という経験」 が、欠かせません。 
 失敗から立ち直ることによって、メンタルも鍛えられます。

 

 しかし挑戦好きの天才や、日常的に失敗を重ねる凡人と比べると ・・・ 秀才は失敗に慣れていません。
 だから、失敗から学ぶことを、苦手とします。
 精神的ダメージを恐れると、ますます悪循環に陥ります。

 

 

2.末端の仕事に終始しない

 

 秀才にとって ・・・
 成否を左右するのが、正解の有無。
 しかし、どんな仕事も ・・・

 正解が明らかなのは、末端の単純作業まで。

 

 再現性に優れる 秀才にとって、末端の単純作業の繰り返しは、非常に簡単 なはずです。
 失敗も少なく、周囲から賞賛されるので、プライドも維持できます。
 ただし、このような楽な生き方を続けていると・・・
 失敗もしない代わりに、成長する機会にも恵まれないでしょう。

 

 現場責任者になったり、さらに管理者や経営者になると ・・・
 未知への対応が求められるため、再現性だけでは通用しません。
 そこには判断力や決断力、応用力が求められます。
 もし昇進すると、失敗が続くかもしれませんが、成長のチャンスにも恵まれます。

 

 

3.学生時代のプライドを捨てる

 

 この本には、次のようなことが書かれています。
 秀才は天才に対して、「憧れと妬み」 を持っている。
 コンプレックスを克服した秀才は、「天才の参謀」 として、偉大な何かを成し遂げる。
 コンプレックスを克服できない秀才は、「天才を邪魔な存在」 として、抹殺しようとする。

 

 失敗経験が足りない秀才の中には ・・・
 学生時代のプライドを、その後も持ちつづける 人がいます。
 内心、自信がないと推測されますが ・・・
 見下すことによって、コンプレックスから逃れようとしているのでしょうか。

 

 他人や物事を上から見るため ・・・
 社会や仕事、人生そのものをなめています。 
 一方、社会に出た後、仕事で鍛えられた人たちは ・・・
 他人との共同作業を成功させるためには、学生時代のプライドが邪魔であることを、失敗から学んでいます。

 

 

4.特別な人を目指さない

 

 秀才の中には ・・・
 30 代になったにもかかわらず ・・・

 「特別な人」 を目指して、空回り を繰り返す人もいます。
 「普通の人 (凡人) 」 では、いけないようです。

 

 この本にも書かれていましたが ・・・
 心の中では凡人を見下しているから でしょうか。
 いつも無理をします。
 当たり前のことができないのに、難しいことに挑戦しようとします。

 

 おかげで、地道に努力し続ける凡人に、どんどん追い抜かれます。
 過去の栄光はリセットして ・・・
 謙虚な気持ちで、社会人の基礎部分を、1 から習得すべきです。
 そうしなければ、職場にも迷惑がかかる上、自分自身も成長できないでしょう。

 

 

5.凡人に 「人を見る目」 を学ぶ

 

 この本に登場する 「共感の神」 とは ・・・ 共感性の高い、「人間関係の天才」 のことです。
 誰が天才、誰が秀才、誰が凡人なのかを、見抜くことができます。
 さらに天才の才能を信じ抜く能力があり、天才を支え続けます。

 凡人の多くは、誰かの下で働いています。
 さらに自分 1 人だけでは、大したことができないことを、若い頃から自覚しています。
 周囲の人に、人生が左右される ので ・・・
 自ずと人を見る目が養われます。

 

 一方、「共感性」 に欠ける秀才は ・・・
 それが原因で、人を見抜く能力が不十分 と、考えられます。
 恵まれない人など、自分とは立場が異なる人のことを想像するだけでも ・・・
 人を見る目が養われるのではないでしょうか。

 

 

6.天才に 「壮大な目標設定」 を学ぶ  

 

 私は 60 歳に近い人間です。
 これまで多くの人生と関わってきました。
 その中で、どのような人が、才能を生かすことができたのか。

 それは 「学歴の高さ」 や 「要領のよさ」 ではなく、「志の高さ」 だったと、考えています。

 

 一方、残念だった人の中には ・・・
 学生から社会人になり、求める単位が 「点」 から 「円」 に変わっただけ。
 このような単純な人生を送る人もいます。

 この志の低さこそが、成長や成功の妨げ になった可能性もあります。

 

 この本にも書かれていましたが ・・・
 天才は 「世の中を変えよう」 と、真剣に考えます。
 実現するかどうかは別として ・・・
 偉人伝を読むなど、自分の志を高めることが、才能開花につながるかもしれません。
 

 


 ■  高学歴を活かせない人 (後編 : 天才、秀才、凡人、それぞれの人生)

 

 

1.それぞれの40年後

 

 私は進学校の劣等生 でした。 旧友の中には、東大や医学部に進学し、その後、大活躍をした人も、少なくありません。
 学習能力においては ・・・
 天と地ほどの隔たりがあり、同じ人類とは思えないほどでした。

 

 その中間にいたのが秀才。 同級生だった、60 歳間近の元秀才の人たちは、その多くが幸せな人生を送っています。
 しかし 30〜40 代となると、そうではなさそうです。 
 それが、教育の違いによるものなのか、時代の違いによるものなのか、よくわかりませんが。

 

 10 代の頃、共に過ごしたからこそ ・・・
 天才と秀才の人生の大変さも、何となく理解 しています。
 人生は長い道程。
 才能ある者として、生き続けることが、どれだけ大変なことか。

 

 

2.天才として生きる苦しみ

 

 天才は、誰よりも早く飽きるので、新しいことを生み出すことでしか、自分を満足させられない。
 このような人生には、苦しいこともある。
 甘えが出て、凡人に好かれたいと、凡人に迎合し 「再現性」 で勝負しようとしたとき ・・・

 天才は天才でなくなり、凡人に降格する。

 

 この本の中には、天才の苦しみが、このように書かれています。
 天才は、他人と自分を比較する習慣が、ほとんどないと推測されます。
 従って、「凡人への降格」 そのものは、「苦しみからの解放」 に過ぎず ・・・

 絶望に至るのは、志半ばにして 「創造性」 の限界を認めざるをえない時 ではないでしょうか。

 

 ロルフ・ドベリー著 Think clealy の中で、述べられていました。 ソクラテス、カント、ダーウィンなど、天才と呼ばれた人たちは ・・・
 華々しい時期を除けば、人生の残り時間を、静かな私生活に費やしたそうです。
 天才だからこそ、「凡人として生きる幸せ」 に、安楽を求める 気持ちが、強いのかもしれません。

 

 

3.秀才として生きる苦しみ

 

 秀才コースを走り続ける人たちの多くは ・・・
 それぞれの 組織で中心的役割を果たし、人生を謳歌 することでしょう。
 一方、そのコースから、早い時期に脱落すると ・・・

 待ち受けているのは 「凡人社会」。

 

 秀才は常に順位争いに明け暮れてきたので ・・・
 他人と自分を比較する習慣があると推測されます。
 「凡人への降格」 は、「失望と堕落」 を、意味するのではないでしょうか。
 さらに 「凡人の本質」 を、理解していないため、凡人社会に溶け込むこともできません。

 

 秀才時代の延長で、承認欲求が表に出ると ・・・
 自慢話と受け取られ、一部の被害者意識の強い凡人の神経を、逆なでします。 
 心の中で見下している相手に対して、自分から迎合すべきではありません。
 秀才と凡人の壁は、克服しがたいものと悟り、「和して同ぜず」 を貫いて、自尊心を守る べきでしょう

 

 

4.凡人として生きる苦しみ

 

 凡人にとって、悩みや苦しみは、物心ついた頃から日常の一部。
 毎日、親に叱られ、先生に殴られ (昭和 40 年代)、もちろん人に誇れる取り柄もありません。

 しかし悩みや苦しみは、大したものではなく ・・・
 人生経験を重ねるうちに、その 90% は無意味なもの であることを、理解します。

 

 さらに凡人は多数。
 同じ悩みや苦しみを持つ人は無数にいるので、話し相手に不自由しません。
 天才や秀才にとって、成功とは呼べないレベルでも ・・・

 凡人であれば、「意外にやるじゃん」 と、好意的に見られます。

 

 社会人として、並み以下からスタートするので ・・・ 多少の上下はあったとしても、最後まで右肩上がりの人生を、実現できる可能性もあります。
 失敗にも慣れているので、打たれ強く、立ち直りも早い。
 凡人の特徴を知り尽くし、凡人に徹した生き方をするのも、悪くない人生の 1 つかと。

 

 

5.仲介役として生きる人生

 

 天才、秀才、凡人 ・・・ 3 者は、評価軸 (何を基準に評価するのか) が異なるので ・・・
 放置しておくと ・・・
 コミュニケーションの断絶が原因で、組織が崩壊 するそうです。

 

 この本には、それを防ぐ仲介役として、アンバサダー (もともとの意味は 「大使?」 ) が、紹介されています。
 ① 天才と秀才の仲介役 = 「創造性」 と 「再現性」 を併せもつ 「エリートスーパーマン」
 ② 天才と凡人の仲介役 = 「創造性」 と 「共感性」 を併せもつ 「病める天才」
 ③ 秀才と凡人の仲介役 = 「再現性」 と 「共感性」 を併せもつ 「最強の実行者」

 

 万人が 「天才」 「秀才」 「凡人」 の、何れかに該当する訳ではなく ・・・ 中間的な性格の人もいるようです。
 だからこそ、実現できる役割もあります。
 仲介役にやり甲斐を感じる人には、魅力のある生き方 ではないでしょうか。

 

 

6.凡人からシフトする  

 

 劣等生仲間は、人生の早い時期に、底辺を経験したおかげか ・・・
 その後も、タフに生き延びました。
 さすがに 「あの状態のままではいけない」 と、自覚したのでしょうか。

 心を改め、謙虚に努力し続けた結果、思わぬ成功を手にした 人もいます。

 

 当時は 「凡人」 として、「共感性」 にどっぷり浸かっていましたが ・・・
 それだけの人生では、何かが足りない。
 必要に応じて、「再現性」 を習得したり、潜在的な 「創造性」 を伸ばしたり、得意の 「共感性」 を極めることにより ・・・

 「最強の実行者」 「病める天才」 「共感の神」 へ、シフト した人たちもいるでしょう。

 

 数年に 1 度、高校 2 年の時のクラスメートと再会すると ・・・
 「人並みの人生が送れてよかった」 と、お互いの人生を祝し、乾杯をします。
 いろいろなタイプの人がいますが ・・・

 自分が何者かを知り、自分自身を生かすことが、人生の改善につながる のではないでしょうか。

 

 

7.自分の人生は、自分で切り開く  

 

 北野唯我著 天才を殺す凡人 には ・・・
 天才と凡人が中心に書かれています。
 その中で触れられていない ・・・

 「高学歴を活かせない秀才」 を、テーマ に選びました。

 

 最初にお話ししたように ・・・ 高い教育を受けた秀才の学力が、卒業後に活かされないことを、社会的損失と考えています。
 社会問題として認識されるべきですが、救済方法さえ検討されることなく、放置されたままです。
 この点において、残念な社会と言えるのではないでしょうか。

 

 ただし、いつの時代も、自分の人生は、自分で切り開くべき。
 まずは、ご自身で気づかれ、アクションを起こさなければいけません。
 もともと優れた才能を持つ秀才の皆さん、今回の話の中に、発奮材料が見つかれば幸いです。
 ご健闘をお祈りいたします。 

 

 

※ 参考文献 
   北野唯我著 天才を殺す凡人」  P.F.ドラッカー著 仕事の哲学」  ロルフ・ドベリー著 Think clealy

人生の定期診断  2019.09.16

1.人生にも定期診断が必要です

 

 人間ドックなどアテにならないと言われますが ・・・
 定期的に受けていないと、知らないうちに、病状が進んでいる恐れがあります。
 人生も同じ。
 定期的にチェックを行わないと、思わぬ方向へ進んでいる 可能性があります。

 

 どんな方法が有効なのか。
 私は本を利用します。
 今回は、ロルフ・ドベリー著 Think clealy」。
 52 の項目 ( →  こちら ) があります。

 

 これらを読み進めながら ・・・ 自分の現状を診断していきます。
 これは合格だが、これは要改善だなどと。
 このような作業を繰り返します。

 

 

2.目的に合った本を選ぶ

 

 この本のレビューを読むと ・・・ 賛否両論あるようです。
 評価の高い人と、評価の低い人のおもな違いは  ・・・
 読む目的の違いによるのではないでしょうか。

 

 人間ドックレベル (浅く広く) の、「人生の定期診断」 を目的 とする場合は ・・・
 最適な本と言えます。
 どこから読んでもよいし ・・・
 チェック項目の数も、適量だからです。

 

 今回のテーマは 「人生の定期診断」。 読み終える直前に、直観しました。
 著者が最も伝えたかったのは、最終テーマではないかと。
 最終2つのテーマに絞ってお話をします。

 

 

3.最も重要なこと 

 

 最終の 「52.内なる成功を目指そう」。
 「内なる成功」 とは、自分の内側にある要素、たとえば 「精神的な幸福」。
 「外なる成功」 とは、自分の外側にある要素、たとえば 「収入、地位、名誉、評価、学歴、家柄など」。
 この後は、わかりやすいように、「内なる成功」 を 「精神的幸福」、「外なる成功」 を 「収入や評価」 と、表現します。

 

 「収入や評価」 を求めている人も  ・・・ 心の底では 「精神的幸福」 を求めています。
 もしそうなら、回り道をせず、早い時期から 「内なる成功」 を目指せ。
 著者はこのように述べています。 

 

 あくまで人生の目的は 「精神的な幸福」。
 しかし生活を維持するためには、「収入や評価」 が欠かせません。
 つまり 「収入や評価」 は、「精神的な幸福」 という目的を達成するための手段 と言えます。
 この違いを忘れないようにしたいものです。

 

 

4.目的と手段の主従関係を維持する

 

 本来は、目的である 「精神的な幸福」 が主であり ・・・ 手段である 「収入や評価」 は、従であるべきです。
 ところが人生の途中で ・・・
 目的と手段の主従関係が逆転 してしまう人もいます。

 

 これが原因で ・・・
 「収入や評価」 の獲得のために、「精神的な幸福」 が、犠牲 になることがあります。
 その結果、気づいたときには 「不幸なお金持ち」 になっていた。
 これでは本末転倒ではないでしょうか。

 

  「大金が手に入る」 「人気が出てチヤホヤされる」 「実力以上の地位を得る」。
 もし、こんなことが起きたら、人生の罠かもしれないと、疑うべきでしょう。
 自分の器以上のものを手に入れると ・・・

 自分の慢心や他人の嫉妬によって、転落のきっかけになりやすい ので、注意が必要です。

 

 

5.コントロールできないものは、意識の外へ

 

 「収入や評価」 は、多いに越したことはない。
 このように考えがちですが、一定レベルを越えると、逆に危険なものになります。
 ただし、自分にとって、最適な 「収入や評価」 レベルを知るのは、至難の業 です。
 これが原因で、事業拡大後に倒産を迎える企業も少なくありません。

 

 また 「収入や評価」 は、コントロールが難しいものです。
 多くの場合、どんな運命の下に生まれたのかによって決まります。
 中には、「人並み外れた努力の結果」 と言われる人もいるかもしれません。
 確かに努力が足りなければ、ラッキーを手にするチャンスさえ逃すことでしょう。

 

 一方、正当な努力を長年続けたにもかかわらず ・・・
 それが 報われなかった人など、星の数ほどいる ものです。
 また 「収入や評価」 に対する執着が強いため ・・・
 犯罪者まがいのことに手を染める人さえいるものです

 

 

6.コントロールできるものに意識を集中させる

 

 「精神的な幸福」 は、自分の考え方で決まります。
 それでも外的要因の影響を受けず、心を常に安定させることはできませんが ・・・
 トレーニングによって、影響を抑えることは可能です。
 まずは関心の方向を、他人から自分自身に変えること。

 

 紹介されている トレーニング方法は 「 1 日の終わりに評価する」。
 ① 今日はどこに問題があっただろうか ?
 ② 毒のある感情で台無しにしてしまっただろうか ?
 ③ コントロール外の出来事のうち、動揺させたのは何だったのだろうか ?
 ④ そこから立ち直るために、どの精神的な道具を使ったのだろうか ?

 

 コントロールの可否を重要視する考え方が、他の項目でも紹介されています。
 苦手分野まで手を拡げてはいけないのが 「能力の輪」。
 不本意なことを受け入れてはいけないのが 「尊厳の輪」。

 どちらも輪の外に関わることなく、輪の中を充実させよう と、述べられています。


 

 

.他人に尊敬を求めるのは不毛

 

 次に 「 51.自分の人生に集中しよう」。
 最近は少なくなったと思われますが ・・・
 「普通の人ではいけない」 「名をなさなくてはいけない」 「他人から尊敬されたい」。
 このように考える人たちがいます。

 

 どんなに立派な天皇でさえ ・・・
 百年後には、名前を知る人など、ほとんどいなくなります。
 どんなに国民思いの総理大臣でさえ ・・・
 尊敬されるどころか、罵倒される こともあります。

 

 まして私たちがなし得ることなど ・・・ 広大な宇宙の中の、米粒ほどの大きさもありません。
 亡くなった後は、忘却の彼方へ消え去ります。
 それが健全な世の中と言えます。

 

 

8.歴史を作るのは誰か ?

 

 この本の中には、著名人が挙げられています。
 史上、最も大きな経済復興プロジェクトを成功させた、鄧小平。
 発明家として、白熱電球のエジソンに、飛行機のライト兄弟。
 OSのビル・ゲイツに、スマホのスティーブ・ジョブズ。

 

 これらは、たまたまその人が成し遂げた訳で ・・・
 もし彼らがいなくても、いずれ誰かが似たようなことを起こしたり、似たようなものを作ることができたと考えられます。
 つまり、個人が世界を変える訳ではなく ・・・

 世界は時代の流れと共に必然的に変わるということ。

 

 世界有数の賢明な投資家、ウォーレン・バフェットの言葉です。 経営者としてのあなたの業績は ・・・
 あなたのボートの漕ぎ方がどうかより、ボート自体の機能によって決まるところが大きい。
 ボート自体の機能とは、従業員の熱意と能力ではないでしょうか。

 

 

9.自分の人生に集中しよう

 

 自分が本当に重要な役割を担っているのは ・・・
 自分自身の人生です。
 だから、自分自身の人生に集中すべき。
 それだけでも重労働なのがわかる。

 

 この本にも書いてありますが ・・・
 会話の内容の 90% が、他人のうわさ話 である人も少なくありません。
 他人がどうなのかは、本人の問題であり ・・・

 そのようなことに時間を費やすこと自体、人生の浪費と言えます。

 

 それよりも自分の人生に集中すること。
 与えられた役割に対してベストを尽くす。
 最高、賢明、有能を目指すだけで、あっという間に年月が過ぎるものです。
 人生は短く、貴重であることを、実感することもできます。

 

 

10.自分のための時間を確保しよう

 

 人間ドックのように ・・・
 体系的に人生の定期診断を行うと、自分自身を客観視 することができます。
 バランス感覚も身に付きます。
 異なる視点に出会うと、新たな成長にもつながります。

 

 同じことを繰り返したり ・・・
 限られたことを深く追求するのが、日常だとしたら ・・・ その方向性が正しいかどうかを確認するのが定期診断。
 自分自身を見直すための、非日常的なチャンス と言えます。

 

 1 歩でも前進したい気持ちも、解らないではありませんが ・・・
 時には立ち止まって、人生を定期診断される ことをお勧めします。
 また自分のために、まとまった時間を確保すると ・・・
 心が落ち着きを取り戻し、本来の自分を取り戻すこともできます。

 

 

 ※参考文献

   ロルフ・ドベリー著 Think clealy

50代、初めての起業  2019.06.07

1.激変したサラリーマンの人生設計

 

 50代の方たちが、初めて就職した頃は ・・・
 年功序列と終身雇用の全盛期。
 60歳まで働けば ・・・
 定年退職後は、退職金と厚生年金で、一生安泰 のはずでした。

 

 ところが、トヨタと経団連のトップでさえ ・・・
 「終身雇用の維持は難しい」 と、発言されました。
 サラリーマンの方たちにとって、これは明らかに想定外。
 困惑されている方も、少なくなさそうです。

 

 解決方法として ・・・
 自分で事業を起こす、つまり起業も選択肢の 1 つです。
 今回のテーマは 「50代、初めての起業」。
 その可能性を探ってみましょう。

 

 

2.起業の適齢期

 

 起業家として、大成功を収めたいなら  ・・・ 20 代のうちに、スタートを切るべきでしょう。
 しかし 社会経験と職業経験が足りない ので  ・・・
 数年以内に倒産や廃業など、大失敗をする確率も低くありません。

 

 これら大変な困難を、いくつも乗り越えられた方たちが ・・・
 大経営者になられるのではないでしょうか。
 それを除けば、一般的に起業に適した年齢とは ・・・

 30 代半ばから 40 代半ばまで と考えられます。

 

 それでは 50 代以降の起業に、チャンスはあるのでしょうか。 それは人それぞれ、やり方次第と考えられます。
 30 代と 50 代では、明らかに異なる。
 この点に注目しながら、話を進めていきましょう。

 

 

3.50 代の強みとは ? 

 

 50 代から、まったく新たなことを、習得するのは ・・・
 並大抵のことではありません。
 だから 長年、蓄積してきたものを生かすのが、妥当 と考えられます。
 過去の蓄積こそが、50 代の強みと言えます。

 

 そこで問われるのが、サラリーマン時代の過ごし方。 求められるのは、大きく分けて 2 つ。
 1 つ目は 「その分野に関する知識や技術、そして経験」。
 仕事に対して真摯に取り組んできた方には、チャンスがあると考えられます。 

 

 一方、サラリーマン時代を、安易に過ごされてきた方には ・・・
 成功の確率は、ほとんどないと考えられます。
  サラリーマンと比べ、成功と失敗の差が、大きいので ・・・
再就職された方が安全 でしょう。

 

 

4.起業に適さない人

 

 2つ目は、「自分の基準になっているルール」。 サラリーマン時代は、特定の組織に 属しています。
 そこには、ローカルルールがあり ・・・
 年長者ほど、どっぷり浸かってきた恐れがあります。

 

 一方、起業家になると ・・・
 異なるルールを持つ人間関係の中で、過ごさなければいけません。
 このような環境においては ・・・

 ローカルルールではなく、法律など万人に通じるルール が求められます。

 

 以上の理由により ・・・
 サラリーマン時代に、自分に近い価値観の人たちと群れてきた方も、起業家には適さないと考えられます。
 起業に限りませんが ・・・

 第2の人生がどうなるのかは、第1の人生の過ごし方次第 ではないでしょうか。

 

 

5.過去の蓄積を生かした例

 

 以下は、1985 年頃の米国の状況です ・・・
 ドラッカーの著書
イノベーションと起業家精神 によれば ・・・

 

 大企業で 25 年、30 年を過ごしてきたマネジメントや専門職の人たちが ・・・
 自分にとっての最終ポストに達したことを知って、早期退職する。
 50 歳、55 歳で起業家として独立する。 

 

 特に技術系の人たちは、ベンチャーを顧客とするコンサルタントになる。
 あるいはベンチャーのマネジメントに参加する。
 彼らの多くが、新しい仕事に成功する。

 

  日本は欧米社会の後を、追いかけてきました。
四半世紀前の米国社会にも、今後の日本社会を占うヒント があるかもしれません。

 ここでもわかるように ・・・
 起業する以前の知識と経験を、いかに生かすかがポイントです。

 

 

6.若い人をサポートする仕事

 

 20 年前よりも優れた意思決定を行う人がいる。 助言者としても、年とともに欲を離れ、かつ知恵と親身さを併せもつならば、最高の仕事をする。

 

 これもドラッカーの言葉です。 前述の言葉と共通する部分を、読み取ることができます。
 それは、第2の人生で目指すべきポジションは ・・・
 主役ではなく、「現役世代のサポート役」 ではないでしょうか。

 

 そこで 30 代よりも、50 代の方が多くもっているもの。 それは知識ではなく知恵。
 新しい知識は、30 代の方が、より多くもっているかもしれません。
 しかし 知識を使いこなし、実践で成果に結びつけるためには、知恵が必要。

 

 その知恵を生かせる関係を築くためには ・・・
 欲から離れ、親身さを併せもて という、意味でしょうか。

 

 

.起業家とサラリーマンの感覚の違い

 

 私は、起業家タイプの人間 です。
 また数十年間にわたり、税理士として、起業家のお客様と接してきました。
 おかげで、どこを取ってもサラリーマンとは、程遠く ・・・
 サラリーマンの方たちの協調性や忍耐力には、本当に頭が下がります。

 

 このような私が、40 代以上で起業された方たちと出会ったとき ・・・
 最も違和感をもつのが、金銭感覚 です。
 これまで起業家について、学んできたことと、逆の部分があるからです。
 もちろん、歯がゆく感じています。

 

 1 つ目は、ごたわるのが 「収入か支出かの違い」。
 2 つ目は、こだわる 「金額の大きさの違い」。
 サラリーマンの関心は、少額の支出に集中しがちです。

 一方、起業家の関心は何よりも収入 にあり、支出への関心は、特に大きなもののみです。

 

 

8.金銭感覚の違い ① 収入と支出

 

 サラリーマンは、収入をコントロールできません。
 それが原因で、関心は 「支出の抑制」 に、集中 しがちです。
 その結果、お金に関するトレーニングの場も、消費者の立場に限られます。
 「どこから買えば、安く手に入るか」 など、実は、それほど難しいものではありません。

 

 一方、起業家の主たる立場は、生産者側にあります。
 関心は、収入を第一 とします。
 収入が発生しなければ、何も始まらないばかりか、消滅の危機を迎えるからです。
 しかし、世界中の企業が収入増加を目指しますが、なかなかうまくいくものではありません。

 

 また支出に関しては、消費者の立場になります。
 ここでも、収入第一を前提に、収入が増えるような使い方、つまり 「生きたお金の使い方」 が、求められます。
 サラリーマンは、お店でひたすら値切っても、大きな害はありませんが ・・・
 起業家は適正な価格を把握し、その範囲内で取引相手と良好な関係を維持 しなければいけません。

 

 

9.金銭感覚の違い ② こだわる金額の大小

 

 コスト管理は、最大のコストに集中しなければならない。
 5 万ドルのコストの 1 割削減に要する労力は ・・・
 500 万ドルのコストの 1 割削減に要する労力と、ほとんど同じである。

 

 これもドラッカーの言葉です。
 会社の損益計算書に記載されている数字の中で、最も大きな数字は、通常 「売上高」。
 次は、卸売業であれば 「仕入高」、サービス業であれば 「給料手当」。

 

 小さなお金の使い方と、大きなお金の使い方を、両方マスターするのが、理想ではありますが ・・・ 何れにも長けている人は、まずいません。
 同じ時間と労力を使うなら、より報われやすいことに、意識を集中させるべき でしょう。

 

 小さな支出、つまり重要性の低いコストに、神経をとがらせるのは、賢明ではありません。
 とは言うものの、40 代以上の脱サラの方が ・・・
 いきなり起業家のような金銭感覚で、お金を動かし始めたら、早い時期に倒産危機を迎えるでしょう。
 急がれることなく、少しずつ変わればよい のではないでしょうか。

 

 

10.頑張って欲しい 50 代  !

 

 50 代の方たちとは同年代。
 私自身は、最初に就職したときから、「亡くなる直前まで働くのが当たり前」 と、考えてきました。
 なぜなら、同業者の多くが、そうしているからです。
 反対に、「60歳以上は労働禁止」 になると、困り果てますが。

 

 一方、サラリーマンの方たちは ・・・
 定年退職後の生活を楽しみに、多くのストレスに耐えてこられた にちがいありません。
 このような社会になってしまい、お気の毒と思われますが ・・・

 時計の針を戻すことはできません。

 

 運命は勇者に微笑む。
 この言葉を胸に、前進を目指していただければ幸いです。
 何かお役に立てることを ・・・
 今後もお伝えできればと、考えております。

 

 

 ※参考文献

   P.F.ドラッカー著 イノベーションと企業家精神」  「経営の哲学

 

※ 関連記事  

   「20 歳から始める自分のマネジメント」 → こちら 

   「30 歳から始める社会人のための勉強」 → こちら 

   「人生は 35 歳で決まるのか ?」 → こちら 

     「人生100年時代は、40代までに起業する」 → こちら   

   「50 歳までに準備しておくこと」 → こちら

     「50 歳  第2の人生を考えるとき」 → こちら

     「高学歴を活かせない人」 → こちら

人手不足をチャンスに変える  2019.04.28

1.人手不足はピンチなのか、チャンスなのか ?

 

 日本中、人手不足に悩んでいます。 特に深刻なのは ・・・
 収益性の低い飲食業や小売業。
 人気のある事務職にまで、その影響は及んでいます。

 

 しかし、数年後には ・・・
 今回のピンチを、チャンスに変えた 企業の存在が、明らかになります。
 気づいた時には 100 歩先、いや、はるか彼方を前進していることでしょう。
 それは単なる偶然なのか、幸運なのか、結果に過ぎないのか。

 

 常識的に考えれば ・・・ 人手不足はピンチにちがいありません。
 しかし 発想を変えれば、大きなチャンスに転換できる 可能性があります。
 今回のテーマは 「人手不足をチャンスに変える」。

 

 

2.変化を利用して、競争を回避する

 

 変化を利用する者は ・・・
 激しい競争に直面することがほとんどない。
 他の者たちが ・・・
 相変わらず、昨日の現実に基づいて、仕事をしているからである。

 

 これはドラッカーの言葉です。 この中で、「変化を利用する者」 とは ・・・
 変化を機会 (チャンス) ととらえて、事業の根本的な見直しを行う 人たちのことです。
 たとえば、以下のテーマに、取り組み始めるでしょう。

 

 人手不足でも ・・・ 収益と成長が見込めるビジネスモデルの構築。
 人手不足だからこそ ・・・
 収益と成長が見込めるビジネスモデルの構築。

 

 

3.変化を恐れる、2 つのタイプ  

 

 一方、「昨日の現実に基づいて仕事をする者」 とは ・・・
 変化を脅威 (ピンチ) ととらえる 人たちのことです。
 すでに終わった 「昨日の現実」 を前提に、明日の計画を立てます。
 現実逃避になるため、よい結果を招きません。

 

 脅威に対して 「積極策」 を採る人たちは・・・
 求人広告数を増やすなど、従来路線の強化を図る でしょう。
 「人手不足」 という目前の問題には、ダイレクトに反応しますが ・・・
 背景にある社会事情などには、洞察が及ばないようです。

 

 脅威に対して 「消極策」 を採る人たちは ・・・
 脅威そのものから、目を背けます。
 何事もなかったかのように、ただ待ち続けます。 それが正解である場合もありますが。

 

 

4.「思考停止の状態」 に、注意する 

 

 変化への抵抗にあるものは無知である。
 未知への不安である。
 しかし、変化は機会と見なすべきである。

 変化を機会としてとらえたとき、初めて不安は消える。

 

 これもドラッカーの言葉です。
 変化を認めようとせず、「昨日の現実」 が続くものと、信じ続ける。
 つまり自分自身は、何 1 つ変わろうとしない。

 このとき、人間の脳は 「思考停止の状態」 に、陥ります。

 

 休むことなく変化を続ける現実社会の中で ・・・
 これは大いに危険と言えます。
 根底にある恐怖や不安を克服するためには ・・・

 発想を変えて、変化を機会 (チャンス) と、とらえる べきでしょう。

 

 

5.最も安全なリスクの取り方 = 最悪の事態に備える

 

 人手不足の原因について、たとえば 2 つの原因が考えられます。
 ① 人手不足は、少子高齢化によるもので、20 〜 30 年間は続く
 ② 人手不足は、アベノミクスによるもので、2 〜 3 年間で終わる

 何れが正解なのかはわかりませんが、何れを選択するかにより、採るべき対策も異なります。

 

 ① が原因と考える企業は ・・・
 変化を長期的なものと見なし、経営を 1 から見直して、「改革」 レベルの対策 に取り組むでしょう。
 ② が原因と考える企業は ・・・
 変化を短期的なものと見なし、従来路線の延長上で、「改善」 レベルの対策に取り組むでしょう。

 

 もし、② が正解だったとしても ・・・
 より厳しい事態を想定した ① の企業に、大きなリスクはありません。
 もし、① が正解だったとしたら ・・・
 従来路線を続けた ② の企業は、戦略的に大きな遅れを取ります。

 

 

6.試行錯誤のプロセスから生まれる宝物

 

 私たち凡人の場合 ・・・
 脳の機能を 10% も使っていない 恐れがあります。
 裏を返せば、いくら使っても、破綻することなどありえないということ。
 脳には、まだまだ可能性を追求すべきです。

 

 ある 1 つの問題について ・・・ とことん試行錯誤を繰り返したとします。
 すると正解にたどり着くまでのプロセスにおいて ・・・
 「周辺の問題」 または 「まったく別の問題」 に関して、よいアイデアが浮かぶ ことがあります。

 

 これによって、ビジネスの方向性が変わることもあります。 別のビジネスを、発見することもあります。
 まずは、考える習慣を持つこと。
 「頭使って、気を遣いすぎず」 です。

 

 

.不安定な時代に求められる経営者像

 

 1964 年に発行されたドラッカーの著書 創造する経営者には ・・・
 次のようなこと (要約) が、書かれています。
 今日、企業の重役たちは、「管理的な仕事」 に、重点を置いている。
 しかし、今や 「起業家的な仕事」 に、重点を置かなければならない。

 

 安定した時代には、「管理的な仕事」 に、重点を置くべきでしょう。
 しかし、変化の激しい不安定な時代には、「起業家的な仕事」 に重点 を置くべきです。
 それでは、変化に対して、どのように向き合えばよいのでしょうか。
 1985 年発行の イノベーションと起業家精神によれば ・・・

 

 起業家は、変化を当然かつ健全なものとする。 彼ら自身は、それらの変化を引き起こさないかもしれない。
 しかし、変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。
 これが、起業家および起業家精神の定義である。

 

 

8.2 つの 「流行」 の違いを見分ける

 

 変化は、「流行」 として、表れることがあります。
 「流行」 には、大きく分けて、2 種類あります。
 短期的、一時的な流行が 「ファッション」。

 長期的、数年間続く流行が 「トレンド」。

 

 トレンドを利用する者は、必ず成功する。
 構造的なトレンドの変化に抵抗する者は ・・・
 短期的に成功することさえ難しい。
 長期的には、ほとんど勝ち目がない。

 

 ドラッカーも、このように述べています。 もう 1 つのキーワードは 「構造的」、今回は少子高齢化、つまり 「人口構造」 のことでしょうか。
 これを前提に、事業全体を組み立て直す。
 企業として、新たな方向性を見出そうというもの。

 

 

9.「昨日の現実」 と訣別する

 

 王者として君臨し続けた某証券会社が、10 年ぶりに赤字に転落するそうです。 主たる事業において、「伝統的ビジネスモデルの崩壊」。
 ネット販売を軽視し、人的営業を重視したから と、報じられています。
 最後にドラッカーの言葉を、もう 1 つ。

 

 1 つの構造的なトレンドが終わったにもかかわらず ・・・
 あるいは逆転したにもかかわらず ・・・
 行動できない者は、消滅の危機に瀕する。
 逆に、そのとき急速に自らを変化させる者は、機会 (チャンス) と出会う。

 

 1990 年代のバブル経済崩壊後のこと ・・・
 バブル再来を期待して、従来の経営方針を続ける 人たちがいました。
 相変わらず、「昨日の現実」 という幻想の中で、事業を続けたところ ・・・
 前述の言葉どおり、消滅に追い込まれました。

 

 

10.人手不足をチャンスに変える

 

 最後まで読んでいいだき、ありがとうございます。 申し訳ありませんが ・・・
 私自身、「事業の見直し」 を、決断 したところ。
 具体的な方法や、結論らしきものは、何も述べていません。

 

 ゴールは 「人手不足を前提に、成長が見込めるビジネスモデル」 ですが・・・ 方法論はおろか、方向性さえ見えていません。
 これから試行錯誤を繰り返し ・・・ 七転八倒の末、数年かけて、ゴールを目指す予定です。

 

 ピンチをチャンスに変える。
 ここに、大きな成果 (仕事と収益) と、大きなやり甲斐が潜んでいます。
 そのためには、まず 「昨日の現実」 と訣別すること。
 皆様にも、早い段階での着手を、お勧めします。

 

 

 ※参考文献

  P.F.ドラッカー著 変革の哲学」  「創造する経営者」  「イノベーションと企業家精神

20代から始める自分のマネジメント  2019.03.30

1.「転職」 を前提に生きる時代

 

 かつて、古い社会では ・・・
 企業は人間よりも長生きで、労働者は 1 つの企業に固定されていた。
 しかし、新しい社会では ・・・

 人間は企業よりも長生きになり、労働者は自由に転職できるようになった。

 

 P.F.ドラッカー著 明日を支配するもの には、このようなことが書かれています。
 これは、1999 年当時の米国社会について、語られたもの。
 それから 20 年が経ちました。

 2019 年の日本社会も、新しい時代へ突入 しつつあるのかもしれません。

 

 このような社会においては ・・・
 多くの人が、一生の間に、最低一度は 「転職」 を、経験することになりそうです。
 そこで求められるのが、「自分のマネジメント」。
 今回のテーマは 「20代から始める自分のマネジメント」 です。

 

 

2.「真面目」 だけでは、通用しない

 

 私は 1960 年生まれ。 途中までは、典型的な旧社会。
 右肩上がりの経済、横並び主義、年功序列、終身雇用、既得権の保護など ・・・
 おかげで、楽なこともありました。

 

 普通に働いていれば ・・・
 多くの人は結婚し、子供を育て、マイホームを手に入れることができました。
 極端な言い方をすれば ・・・
 進路の選択は周囲に任せ
後は真面目に続けていれば、一生、何とかなる 時代でした。

 

 しかし、今後はそうはいかないでしょう。
 若い世代ほど、厳しい現実 が待ち受けています。
 だから 50 代以上の人は、自分たちの時代とは違うことを、認識すべきでしょう。
 特に子供の就職に関して、「昔の常識」 を、押しつけないことです。

 

 

3.「自分のマネジメント」 が、求められる社会 

 

 「自分をマネジメントする」 とは ・・・
 自分で、自分の人生を、設計すること。
 自分で、自分を管理したり、育てること。
 自分で、自分の目標を設定し、結果を求め、成長を促すこと。

 

 このような意味でしょうか。
 今回は、ダイヤモンド社、ハーバード・ビジネス・レビュー ベスト 10 選 自分を成長させる極意 のうち ・・・
 Chapter 2、ドラッカーの 「自分をマネジメントする」 を、参考にします。
 ドラッカーの言う 「自分のマネジメントの目標」 とは ・・・

 

 ① 自己の 「能力」 を発揮しなければならない
 ② 長い職業生活を、「生き生き」 と、働かなければならない
 ③ 大きな 「貢献」 が可能な適所に、自己を置かなければならない
 ④ 自分の仕事をいつ、いかに 「変える」 かさえ、知らなければならない

 

 

4.自分の強みを知るのは、大変なこと

 

 旧社会とは異なり、現代は 「職業選択の自由」 があります。
 自分に合った職場を選択するために ・・・

 ドラッカーは、自分の 「強み」 を知ることが重要 と、述べています。
 しかし、よほど個性の強い人でなければ、自分の強みなど解らないものです。

 

 そこで陥る罠が、「自分探しの旅」 ではないでしょうか。
 若い頃は、自分のことなど、ほとんど解らない ものです。
 やがて迷路から抜け出せなくなり、貴重な時間をロスしてしまいます。
 精神医学の本にも、「自分のことを考えすぎるのは危険」 と書かれていました。

 

 私自身は、自分の外の世界に関心が向くタイプ。
 さらに、実際に経験しなければ、理解できないタイプでもあります。
 だから、常に何らかの活動をしています。

 その 結果から、「強み」 と 「弱み」 を、知りました。

 

 

5.自分の強みを知る方法

 

 自分の強みを知る方法として ・・・
 ドラッカーは、「フィードバック方式」 しかない。

 利用すれば、2 〜 3 年という短期間に、自己の強みが何であるかが解る と、述べています。

 

 手順は、以下のとおり。
 ① やるべきことを決めて、具体的に書き留めておく
 ② 9 〜 12 ヵ月後に、当初の期待と結果を、照らし合わせる

 

 フィードバック方式による効果は ・・・
 ① 「強み」 と 「弱み」 が解る
 ② 「強み」 を発揮する上で、邪魔になっているものが解る
 ③ 「強み」 が発揮できない仕事や分野、方法や環境などが解る

 

 

6.強みを生かすために、行うべきこと

 

 自分の強みが解ったら ・・・
 次は、いかに強みを成果に結びつけるか。

 

 ドラッカーが述べる方法は、大きく分けて次の 3 つ。
 ① 「強み」 に集中し、さらに 「強み」 を伸ばすために、新たな知識やスキルを習得する
 ② 成果の妨げになる、自己の習慣 (行動・発言・対人関係) を改める
 ③ 「弱み」 に囚われない

 

 この中で、多くの人にとって、最大の壁は ・・・ ③ の 「弱み」 ではないでしょうか。
 自信のない人ほど、周囲の影響を受けやすいものです。
 その結果、他人と比較して、不足している点を、自分の弱みとして認識 します。

 

 自分の弱みを、いかに放置できるか。
 そこに 必要なものは、学力などの優位性ではなく、勇気 かもしれません。

 

 

.自分に合う 「仕事の方法」 や 「学習の方法」 を、確立する

 

 人は得意な方法で成果をあげる。
 知識労働者 (知識を使って成果をあげる人) にとっては ・・・
 強みよりも、むしろ得意とする仕事の仕方の方が重要である。
 ドラッカーはこのように述べています。

 

 仕事であれば ・・・
 1 人の方がよいか、人と組んだ方がよいか、どんな組み方がよいか。
 緊張感や不安があった方がよいか、安心できる環境の方がよいか。
 トップがよいか、ナンバー 2 がよいか、現場で指示される立場がよいかなど。

 

 学習であれば ・・・
 読んで理解するか、聞いて理解するか、書いて理解するかなど。
 私自身は読んだ言葉を、自分の言葉に直して、さらに書いて、まとめて、やっと理解するタイプのため ・・・
 授業やセミナー、講演は、熟睡タイムにしています。

 

 

8.転職のポイントは、「組織の価値観との共存」

 

 かなり特別な能力を持っている者でさえ ・・・
 
自己の適所を知るのは、20 代半ばをかなり過ぎてからである。
 ドラッカーの言葉どおり、私が一生の職業を決めたのも、28 歳 の時でした。
 最も大きな理由は、それまで続けていた仕事に、ようやく 「やり甲斐」 を発見したから。

 

 しかし多くの人は、自営業ではなく、サラリーマンを選択します。
 つまり自分の意思で、「やり甲斐」 のある環境を、設定することができません。

 そこで、就職または転職のポイントとして、ドラッカーは 「組織の価値観との共存」 を、挙げています。
 価値観とは 「優先すべきもの」。

 

 最高のキャリアは ・・・ チャンスをつかむ用意のある者だけが、手にできる。
 その用意とは、自己の強み、仕事の仕方、価値観を知ること。 ドラッカーの言葉どおりでしょう。

 

 

9.他人を育てる方法を、自分に応用する

 

 自分を育てる場合 ・・・
 他人を育てる方法を、応用 することができます。
 親が子を育てる方法や、先生が生徒や学生を教える方法など。
 何れにしても、自分自身を客観視できなければいけません。

 

 経営学の分野で、私が支持するのは ・・・
 ドラッカーとクリステンセンの、お 2 人。
 イノベーション肯定派と、いうこともありますが ・・・

 経営とは人間が行うものであり、両者は、その人間の本質に、注目 しているからです。

 

 クレイトン・M・クリステンセン共著 イノベーション・オブ・ライフにおいても ・・・
 重要なヒントが、記されています。
 クリステンセンは、ハーバード・ビジネス・スクールの看板教授。
 多くの卒業生や同窓生について、分析を試みています。

 

 

10.「能力」 を伸ばす方法

 

 人生を切り開くのに、重要な役割を果たすのが 「能力」 です。
 極端な例ですが ・・・
 100m を 15 秒でしか走れなかった人が ・・・
 100m を 10 秒で走れるようになると、人生は激変します。

 

 クリステンセンは、能力について、3 つの要素を挙げています。
 ① 資源  ② プロセス  ③ 優先事項

 これら 3 つの要素を総合的に伸ばすと、能力を高められる ようです。
 ① の資源だけよくても、他の要素が今ひとつでは、成果に結びつきません。

 

 簡単に言うと ・・・
 ① 資源とは、知識・学歴・性格・健康・体力・精神力など、自分が備えているもの

 ② プロセスとは、働き方・学び方・人付き合いの方法など、資源を生かして成果に結びつける方法
 ③ 優先事項とは、あらゆることのうち、優先すべきものを、判断すること

 

 

11.自力で挑戦して、失敗から何かを学ぶ

 

 たとえば、手取り足取り教えてしまうと ・・・
 その場は短時間でやり遂げますが、本人の頭には、ほとんど何も残っていない ものです。
 つまり 「②プロセス」 を、経験させないことにより ・・・
 自分で考える習慣が身に付かないため、その後の成長が限定されます。

 

 クリステンセンが勧める方法は ・・・
 やり方を簡単に教えたら、後は自力で行わせる。
 成功しても、失敗しても、その結果を、本人に引き受けさせる。
 私自身も、この方法を採用しています。

 

 さらに、クリステンセンは述べています。
 失敗すれば、「困難から立ち直る力」 という、生涯に渡って役立つ能力を、身につけることができます。
 他人に親切過ぎる人は、それは自己満足であり、逆に、他人の成長の妨げになっている。
 このような自覚を持つべきではないでしょうか。

 

 

12.すでに存在している 「自分をマネジメントする 20 代」

 

 税理士という職業柄 ・・・
 「 20 代から始める自分のマネジメント」 を実践する人に、出会う ことがあります。
 旧社会には、滅多にいませんでしたが・・・
 既に、一般の人にまで、浸透しつつあるようです。

 

 もちろん、最初に描いた設計図どおりに、進むことはありません。
 多くの人が、「描いては修正」 を、繰り返す ものです。
 そのために、まずは始めてみる。
 おおまかな設計図を描き始めるのに、20 代は最高のスタート地点です。

 

 目指すべきは成功ですが ・・・
 そのプロセスにある、星の数ほどの失敗から立ち直ることによって、強靱さを身につけることができます。
 多くの若い人たちに ・・・
 「 20 代から始める自分のマネジメント」 を、お勧め します。

 

 

 ※参考文献

   ダイヤモンド社 ハーバード・ビジネス・レビュー ベスト 10 選 自分を成長させる極意   

      クレイトン・・クリステンセン著 イノベーション・オブ・ライフ

   P.F.ドラッカー著 明日を支配するもの」  「仕事の哲学

 

※ 関連記事 

   「30 歳から始める社会人のための勉強」 → こちら 

   「人生は 35 歳で決まるのか ?」 → こちら 

    「人生100年時代は、40代までに起業する」 → こちら

   「50 歳までに準備しておくこと」 → こちら

     「50 歳  第2の人生を考えるとき」 → こちら 

     「50代、初めての起業」 → こちら

     「高学歴を活かせない人」 → こちら 

お金に強くなる方法  2019.03.11

1.税理士はお金に強いのか ?

 

 ある宴席で、たまたま隣になった人から ・・・
 「お金に強いので、うらやましいですね」 と、言われました。
 自覚がなかっただけに、正直、驚きました。
 しかし、よく考えてみれば、弱くはないかもしれません。

 

 私自身は 「お金」 よりも、「時間」 と 「仕事」 を、重視するタイプ。
 「時間 = お金」 という公式を念頭において、常に行動しています。
 仕事をすれば、結果として、お金はついてくる。

 このような考え方なので、お金そのものを追うことはありません。

 

 それでも、お金に関して、鍛えられたのは ・・・
 税理士という職業のおかげでしょうか。

 一般的な人よりも、お金に関する学習の機会に、恵まれています。
 数十年間、毎日のように、お客様から、お金の相談を受けてきました。

 

 

2.お金に強くなろうとする、2 つのタイプ

 

 お金に強くなろうとする人には、2 つのタイプがある。
 私は、このように考えています。

 その 2 つとは、「知識を求めるタイプ」 と 「知恵を求めるタイプ」。
 ここから先は、何れか一方に偏った人をモデルにして、話を進めます。

 

 「知識を求めるタイプ」 とは ・・・
 ○○ をすると儲かる、○○ の方が得をする、○○ の方が損をしない。
 このような知識を求めて、セミナーなどに参加し、その内容を疑わない人たちのことです。
 テーマは、土地活用、相続対策、投資、事業承継など。

 

 一方、「知恵を求めるタイプ」 とは ・・・
 お金とどのように付き合えば、幸せな人生を送れるのか。
 お金や人生の本質を理解し、自分独自の金銭哲学を、確立しようとする人たちのことです。
 たとえば本を読んだり、人生について考えます。

 

 

3.「知識」 を求めるタイプ  

 

 まずは、前者 「知識を求めるタイプ」 について。
 どのようなものが儲かるのか、どのようなものが損をしないのか。
 これらの情報収集に熱心です。
 情報源は、セミナー、営業マン、親しい者の話など。

 

 相対比較をする傾向にあるため ・・・
 複数のものに順位をつけて、その中から上位のものを選びがちです。
 たとえば、A 〜 Z、26 個の商品を並べられ、A が有利という説明を受け ・・・
 さらに A が有利に作られた資料を見せられると、半分以上、信用してしまいます。

 

 もともと、その話自体が ・・・
 「良いのか、悪いのか」 「本当なのか、嘘なのか」 「必要なのか、不要なのか」。
 このような発想に欠けます。 騙されやすいタイプと言えます。

 

 

4.「知恵」 を求めるタイプ 

 

 次に後者 「知恵を求めるタイプ」 について。
 知識を求めるタイプが、物事の 「結果」 に、関心が高いのに対して ・・・

 知恵を求めるタイプは、その 「根拠や仕組み、プロセスや背景など」 に、関心が高い ものです。
 知識をインプットした後、行動に移すまで、手間と時間をかけます。

 

 行動は、自分の価値観に基づきます。
 1 つの経験から、何らかの教訓を学ぶことによって ・・・
 金銭哲学を、より強固なものにしていきます。
 お金に限らず、何事に関しても考える習慣、学習する習慣が、身に付いています。

 

 一攫千金のような儲け話に ・・・
 知識を求めるタイプが、乗りやすいのに対して ・・・
 知恵を求めるタイプは、むしろ警戒します。

 悪夢に目もくれず、地道に堅実に、継続性のある収入を、大切にします。

 

 

5.知識がリスクを生む

 

 前述 3 の 「知識を求めるタイプ」 の例に、話を戻しましょう。
 もし営業マンから、知識を手に入れなかったら ・・・
 商品を買ったり、契約を結ぶなどのリスクを、背負うことはないでしょう。

 お気づきいただきたいのは「知識がリスクを生む」 という点です。

 

 知識があっても ・・・
 知恵がなければ、その知識を正しく使うことができません。
 また、知識の真偽を、判断することもできません。
 必ずしも、知識そのものに価値がある訳ではないということ。

 

 もし知恵が足りないのに、それ以上の知識を身につけてしまうと ・・・
 知識は 「リスクを伴う凶器」 に、変わります。
 私自身、知らないことは、ほぼすべて専門家の意見に従います。
 おかげでタイムロスもなく、よい結果に結び着きます。

 

 

6.知恵が足りなくても、リスクを避ける方法

 

 知るとは、「自分が何を知っていて、何を知らないか」 を知ること。
 論語には、このように書かれています。
 「自分が知ること」 は、たかが知れています。
 その範囲を知ることは、不可能ではないものです。

 

 一方、「自分が知らないこと」 は、無限にあります。
 その範囲は、一生をかけても、わからないでしょう。
 「自分が何を知らないか」 を、知れば知るほど・・・
 自分が無知であることを、思い知らされます。

 

 つまり、知るとは、最終的に 「自分の無知」 を、自覚すること です。
 自分が 「無知な存在」 であることに気づくと ・・・
 謙虚さを身につけることができます。
 その結果、生半可な知識を振り回したり、性急な決断を下すことがなくなります。

 

 

.知恵を身につける方法

 

 知識は、瞬時に手に入りますが ・・・
 知恵は、一朝一夕に身に付くものではありません。
 私は 2 つの方法を実践しています。
 「日常的な方法」 と 「 飛躍的な方法」。

 

 「日常的な方法」 とは ・・・
 日常生活の中で、経験を通じて、反省を繰り返しながら、学ぶ ものです。
 仕事、家庭、健康、交友、買物など。
 しかし、これだけでは、自分が経験する、狭い範囲内に限られます。

 

 そこで 「 飛躍的な方法」。
 知恵のある人の本を読んで、できそうなことを、実践してみる。
 社会で起きることをリサーチして、自分の身に置き換えて、頭の中で疑似体験してみる。
 これらの作業を繰り返します。

 

 

8.自分にとって、お金とは何か ?

 

 自分にとって、お金とは何か。 この質問の答えは、人それぞれです。
 ごく、たまに、金銭に強い執着を持つ人 と、出会います。
 私とは縁が薄いのか、関係は長続きしませんが ・・・

 

 その動機を推測すると  ・・・
 ① 将来に大きな不安を抱いている
 ② お金しか信じることができない
 ③ 浪費資金を捻出するため

 

 もし、自分にとって、最も大切なものが、お金だとしたら ・・・
 「お金のための人生」 になってしまいます。
 すると主従関係が逆転し ・・・

 人生の主人公はお金、自分はその奴隷 になってしまいます。

 

 

9.お金は 「人生のための道具」

 

 私自身は、あくまで 「人生を豊かにするための道具」 と考えています。
 家族、健康、趣味、人づき合いなど ・・・
 これらのために、精一杯、役立ってもらうために ・・・
 道具の使い方や、道具とのつき合い方を、前述 7 の方法によって、学習しています。

 

 いくらまでのお金なら、正気を維持 できるのか。
 これも人それぞれで、非常に重要な要素です。
 年収 5 百万円で狂う人もいれば、100 億円でも正気を維持する人がいます。

 自分の器を超えるようなお金とは、関わりを避ける知恵が求められます。

 

 また経営者でもあるため ・・・
 事業に関わるお金の学習も欠かせません。
 価格、生産性、コスト、利益、仕組みなどについては・・・
 道具の使い方として、研究を重ねてきました。

 

 

10.「不幸なお金持ち」 にならないように

 

 お金に強くなるためには、知識と知恵が必要です。
 ただし、知識が知恵を上回ると、むしろ危険 なものになります。
 理解できない知識を振り回して、極端な行動に出ないようにしたいものです。
 その前に、まずは知恵をつける。

 

 方法としては ・・・ 古典や知恵のある人の本を読んで、人間の本質を理解すると、効果的です。
 お金にまつわる栄枯盛衰は、大昔から変わることなく、繰り返されているからです。
 格言を集めるだけでも、ヒントが得られるでしょう。

 

 人生最後の日に、やっと気づいた。
 自分が目指していたのは、「不幸なお金持ち」 だった。
 このようなことにならないためにも ・・・
 「お金に関する知恵」 を深めたいものです。

 

 

 ※参考文献

  加瀬英明著 ユダヤ人の智恵

やりがいのある仕事  2019.01.20

1.なぜ優秀な人が、輝きを失うのか ?

 

 私は 60 歳に近い人間です。
 最近は 10 〜 20 代で出会った人たちと、再会する機会が増えました。

 その中には、かつての輝きを、失った人たち もいます。
 会話や表情などから、1 時間もすれば、気づくことができます。

 

 原因が、病気や事故、災害などの不可抗力。
 またはプライベートに関するものであれば、お気の毒と言えます。

 しかし、仕事が原因であれば、改善の余地 があります。
 なぜなら人生 100 年時代、まだまだ挽回するチャンスがあるからです。

 

 今回のテーマは 「やりがいのある仕事」。
 参考文献は、クレイトン ・ M ・ クリステンセン共著 イノベーション・オブ・ライフ」。
 経営学の観点から、科学的にアプローチしています。
 かつて生き生きとしていた人には、特に活力を取り戻して欲しいものです。

 

 

2.必要最低限あればよいもの

 

 「仕事へのやりがい」 に関して、前述の著書の中で紹介されているのが ・・・
 フレデリック ・ ハーズバーグの理論。

 この理論では、2 つの要因に注目します。
 「衛生要因」 と 「動機づけ要因」。

 

 1 つ目の 「衛生要因」 とは、不足すると不満を生むが、多すぎても喜ばれない要因です。
 衛生状態が悪いと健康を害するが、衛生状態がよくても、健康増進にはつながらない。
 ここから、名づけられたそうです。
 具体的には、収入、地位、名誉、職の安定、作業条件、会社の方針、管理方法など。

 

 経営者側から見ると ・・・
 これらについては、足りないと不満が起きるが、多くても 「やりがい」 にはつながらない。
 もし最低レベル、または一般平均レベルを満たさない要因があれば ・・・
 ただちに改善に取り組むべきでしょう。

 

 

3.より多くあった方がよいもの 

 

 2 つ目の 「動機づけ要因」。
 こちらが、仕事にやりがいを生み出すものです。
 動機づけは、外部からの働きかけや刺激とは、関係なく ・・・
 「自分の内面」 と 「仕事の内容」 に、関係があるそうです。

 

 動機づけとなる、仕事の内容とは、たとえば以下のようなものです。
 ① 本当に意味のある仕事
 ② 興味深く、挑戦しがいのある仕事
 ③ 自分が成長できる仕事

 

 これらの仕事の大前提となるのは ・・・
 仕事を通じて、自分は有意義な貢献をしている。
 このような自負ではないでしょうか。
 もちろん貢献の対象は、自分以外の者、広くは社会などを意味します。

 

 

4.「仕事にやりがいを見いだす人」 と 「仕事にやりがいを見いだせない人」 の違い

 

 ここまでの内容をおさらいすると ・・・
 仕事にやりがいを見いだせるかどうか。

 この問題に取り組むためには、2 つの要因に注目します。
 それは 「衛生要因」 と 「動機づけ要因」。

 

 仕事にやりがいを見いだせない人は ・・・
 「衛生要因」、つまり多すぎても嬉しくない要因を、いつまでも追求します。
 具体的には、収入、地位、名誉、職の安定、作業条件、会社の方針、管理方法など。
 これら外的要因のみを追求するあまり、内的要因を疎かにしています。

 

 一方、仕事にやりがいを見いだせる人は ・・・
 仕事を通じて、他者に貢献できる 「動機づけ要因」 を追求しています。

 このような自負が得られる仕事を求め、最善を尽くすことによって、自尊心を育んでいます。
 つまり内的要因を優先させています。

 

 

5.お金は必要な分だけあればよいのか ?

 

 クリステンセン教授が面白いと指摘しているのは ・・・
 この理論では、収入が、「動機づけ要因」 ではなく 「衛生要因」 であること。
 「衛生要因」 とは、不足すると不満を生むが、それ以上、増えても嬉しくない要因のこと。
 収入の他に、地位、名誉、安定など。

 

 お金は確かに大切です。
 お金が足りなければ、生活に支障が出るので、そのレベルまでは、何とか稼ぎたいものです。
 しかし一定の収入が得られるようになったら ・・・

 仕事の目的を、「動機づけ要因」 に、切り替えていかなければいけません。

 

 この切り替えがうまく進まないと、いつまで経っても、お金を追い求めます。
 いわゆる 「むさぼる」 という状態。
 これが人生にやがて不幸をまねく、大きな原因になるのではないでしょうか。
 お金に限らず、衛生要因すべてに言えることでしょう。

 

 

6.お金や地位、名誉は、わかりやすいもの

 

 衛生要因と動機づけ要因には ・・・
 次のような違いもあります。
 「衛生要因」 である、お金、地位、名誉などは ・・・

 「目に見える (世間に周知された) もの」 であり、「数値や文書」 で表しやすい、つまり 「わかりやすいもの」 です。

 

 反対に、「動機づけ要因」 である、自分が成長できる仕事の価値などは ・・・
 「目に見えない (自分の内部にある) もの」 であり、「数値や文書」 で表しにくい、つまり 「わかりにくいもの」 です。
 さらに 「衛生要因」 を求めるのは、本能や感情など、原始的な欲求に基づくもの。
 「動機づけ要因」 を求めるのは、理性や思考など、成熟した欲求に基づくものではないでしょうか。

 

 つまり、お金や地位、名誉などに執着するのは、「わかりやすいもの」 だからかもしれません。 たとえば、「年収 100 万円」 よりも、「年収 1000 万円」 の方が多いことは、小学生でもわかります。
 係長よりは課長、課長よりは部長の方が、地位が高いことは、新入社員でもわかるでしょう。
 しかし、各人が 「どれだけ仕事にやりがいを持っているのか」 は、単純に比較したり、評価することができません。

 

 

.「仕事へのやりがい」 について考える時間を、意識的に設ける

 

 お金を求める根底には、「収入や貯蓄が不足している」 という自覚があります。
 しかし、その自覚レベルは、人それぞれ。
 100 万円の貯蓄で不足を感じない人もいれば、100 億円の貯蓄でも不足を感じる人がいます。

 この 過剰な不足感の根底には、将来に対する過剰な不安がある のかもしれません。

 

 今回のテーマは「 やりがいのある仕事」。
 問題は、お金などの 「衛生要因を求める」 ことにあるのではなく、「動機づけ要因を求めない」 ことにあります。
 お金や地位、名誉を求めること、それ自体は悪くはありませんが・・・
 仕事のやりがいは、必ず求めなければいけないということ。

 

 人間の脳は、同時に 2 つのことを処理することができませんので・・・
 「衛生要因」 を求める時間を一部カットして、意識的に 「動機づけ要因」 を求める時間を設ける。

 必要最低限の収入が得られるようになったら、仕事へのやりがいを求め始める。
 年齢を経るごとに、その比率を高めていく。

 

 

8.マズローの欲求 5 段階説

 

 ① 生理的欲求 ・・・・・ 原始的欲求を満たしたい
 ② 安定的欲求 ・・・・・ 生活を安定させたい

 ③ 社会的欲求 ・・・・・ 仲間が欲しい
 ④ 承認の欲求 ・・・・・ 尊敬されたい
 ⑤ 自己実現の欲求 ・・・ 自分の能力を最大限発揮して社会に貢献したい

 

 マズローの欲求 5 段階説によれば ・・・
 人間の欲求は上記 5 段階に沿って、① → ⑤ へと成長します。
 早く成長させるコツは、① 〜 ④ を必要最低限のレベルで通過する。

 

 衛生要因であるお金や地位、名誉は、① 〜 ④ を満たす材料 ではないでしょうか。
 お金、地位、名誉に執着する人は、よくて ④ 止まり。
 人間関係に執着する人は、③ 止まり。
 生活の安全や安定に執着する人は、② 止まり

 原始的欲求をコントロールすることができず、犯罪を犯してしまう人は、① 止まりでしょうか。

 

 

9.精神的疲労の蓄積に注意する

 

 今後は、さらに長期化しますが ・・・
 これまでの社会でさえ、就職から定年退職まで約 40 年。
 このような長い期間、お金や地位を目標に、やりがいもなく仕事を続けていれば ・・・

 精神的疲労の蓄積は、相当なもの になります。

 

 数十年ぶりに旧友と再会したとき ・・・
 プライベートは満たされているのに、かつての輝きを失った人たちがいました。
 覇気のあった頃の姿を知っているだけに、非常に残念な気持ちになりました。

 その原因は、長期間に蓄積された精神的疲労にあった と推測されます。

 

 たとえば教師の場合 ・・・
 校長や教頭になることよりも、教師としての使命に重点を置く べきです。
 当たり前のことですが、誰もが校長や教頭になれる訳ではありません。
 それを目標にしてしまうと、多くの教師が幸せになれないのではないでしょうか。

 

 

10.やりがいは自分で獲得するもの

 

 一方、仕事そのものに、やりがいをもつ人は ・・・
 同じ仕事量でも、やりがいのない人よりも、疲労感がずっと少ない ものです。
 さらに仕事が好きなので、大量の仕事に挑戦します。
 その効果もあり、成長速度が高まるため、ますます仕事にやりがいをもちます。

 

 仕事へのやりがいは、他者から与えられるものではありません。
 自分で今の仕事の中に見いだすもの。
 または、自分でやりがいのある仕事へ移るべきもの。
 もしくは、自分で生み出すものでもあります。

 

 たとえば、自分が名もないラーメン店主だったします。
 一方で、世の中には、中華の達人と呼ばれる人もいます。
 達人の料理は素晴らしいのですが、近所の人たちに団らんの場を提供することができません。

 そこに自分のやりがいがあるはずです。

 

 

11.もう1つの大間違い

 

 本書には、最も陥りやすい間違いとして ・・・
 「それさえあれば幸せになれる」 と信じてしまう ことが、挙げられています。
 戦後日本人は、経済的に豊かになれば、国民は幸せになれると信じて、過酷な労働に耐えました。
 しかし、その代償として、失ったものも少なくありません。

 

 個人の場合 ・・・
 お金に苦労した人が、お金に執着して、けっきょく幸せになれないケース。
 家庭に恵まれなかった人が、家族に執着して、けっきょく幸せを壊してしまうケースなど。
 とてもお気の毒ではありますが。

 

 仕事に関して、クリステンセン教授は、次のように述べています。
 もっと高い報酬、もっと権威のある肩書き、もっと立派なオフィスなど。

 これら 職業上の成功を示す、目にみえやすい証に執着しないこと。
 なぜなら、それは 「自分の成功を、友人や家族に示すためのもの」 でしかないからです。

 

 

12.「やりがいのある仕事」 を手に入れる方法

 

 20 代前半の頃、重要なことに気づきました。
 それは人生の中の健康な期間のうち、目覚めている時間の大半は、仕事のために費やされること。
 勤務中はもちろん、通勤時間も、昼休みも、仕事に関する勉強時間も、すべて仕事のため。
 だから、仕事が嫌になったら、人生の大半が嫌なものになります。

 

 それは私にとって、人生の失敗を意味しました。
 だから 「絶対に仕事を楽しもう」 と決意。
 当時は拝金主義を非難する風潮もあり、やりがい中心の仕事習慣を身につけることができました。

 最後は、クリステンセン教授の言葉で締めくくりましょう。

 

 幸いにも、動機づけ要因は職業や時間を経ても変わらないため、
 これを絶対的な指針として、キャリアの舵取りをしていけばいい。
 金銭、ステータス、報酬、職の安定といった衛生要因は、ある一定水準を超えると、

 仕事での幸せを生み出す要因ではなく、幸せがもたらす副産物に過ぎなくなることを忘れてはならない。 これさえおさえておけば、本当に大切なことに心ゆくまで集中できる。

 

 

 ※参考文献

  クレイトン・・クリステンセン著 イノベーション・オブ・ライフ

悩まない生き方  2018.11.04

1.悩むのは百害あって一利なし

 

 年齢を重ねるにつれ ・・・
 ほとんど悩まなくなりました。
 人生経験によるところも少なくありませんが ・・・
 それ以上に、強固な意思で、悩むことを拒否するようになりました。

 

 なぜかと言えば ?
 悩むのは百害あって一利なし。
 悩むのは 「無駄」 であり ・・・
 「害」 であるとさえ、考えるようになったからです。

 

 今回のテーマは 「悩まない生き方」。 最終目標は、悩みを 「減らす」 のではなく 「なくす」。
 多くの人が悩むことで、貴重な時間を、ロス しています。
 悩むことをやめれば、本来の生産的な時間を、取り戻すことができます。

 

 

2.悩んでも解決しない理由

 

 誰もが経験するものですが ・・・
 いくら悩んでも、問題は解決しません。
 行き着いた答えは ・・・

 「悩んでも解決しない」 ではなく 「悩むから解決しない」。

 

 冷静に考えれば当たり前のことですが ・・・
 悩みは自分自身の心の中にあります。
 一方、悩みの原因は、自分自身の外にあります。

 反対の方向を見続けても、現実は何も改善されません。

 

 さらに悩んでいるうちに、時間が経過します。
 この タイムロスが事態を悪化させ、解決をより難しく します。
 根本的な問題は ・・・
 現実を直視せず、自分の心に囚われる点にあります。

 

 

3.たとえば病気になったら ・・・

 

 悩む習慣を持つ人は、心だけではなく、身体にも悪影響 を及ぼします。
 病気を例に説明すると、わかりやすいものです。
 悩むことが、いかに無駄か。
 そして害になるか。

 

 悩んでいるうちに、どんどん病状が悪化 すれば ・・・
 治療はより難しくなります。
 最悪の場合、手遅れになる恐れさえあります。
 どうすればよいのでしょうか ?

 

 早い段階で専門医を探して、診療を受ければ、軽い症状で終わる かもしれません。
 治療も簡単なもので済むかもしれません。
 日常生活に、何 1 つ支障がないかもしれません。 ご理解いただけたでしょうか。

 

 

4.「思う + 悩む」 から 「考える + 行動する」 へ

 

 「思い悩む」 と言いますが、問題があるのは、「思う」 の部分。
 「思う」 とは、自分の内面から自然に湧き出るもの。
 思うことが多いと、本能や感情に流されがちす。
 客観的な根拠もなく、単なる主観に過ぎないので、何も解決しません。

 

 一方、「考える」 とは、自分の意思で主体的に行う もの。
 悩むのをやめて具体的な解決策を考える。
 さらに、それを行動に移して、そこで初めて、事態は改善に向かいます。
 考えて行動に移すことを、「悩む」 とは言いません。

 

 自分の中に、2 人の自分がいたとします。
 1 人は思うことや感じるをこと好む、本能的、感情的な自分。
 もう 1 人は、考えて行動することを好む、理性的な自分。

 どちらの自分が主導権を握るかで、人生は大きく変わります。

 

 

5.30 代以降は、悩む習慣から離れる

 

 人生にとって ・・・
 「何が正解か」 を、知る必要があります。
 しかし、それだけでは足りません。

 「何が間違いなのか」 も、知る必要があります。

 

 若い頃に悩む価値は、後者にあると考えています。 20 代までは、大いに悩むべきかもしれません。
 そこから 成長すると、後に過去の経験を、客観的に評価 することができます。
 悩むことがいかに無駄だったかに、気づくことでしょう。

 

 30 代にもなれば、重い責任を負い始めます。
 それにもかかわらず、自分の心にとらわれると、高い成果をあげられません。

 このような 悪習慣を、強い意思で断ち切らなければいけません。
 成果をあげるためには、見る方向を、自分の心から現実に変える。

 

 

6.「無駄な悩み」 を無視する

 

 最近は 悩みの 90% を放置するか、他人任せ にしています。
 残り 10% の重要な悩みだけに、時間の大半を費やしています。

 

 無視すべき 「悩みのワースト 3」 とは?
 ① どうにもならない悩み
 ② どうでもよい悩み  
 ③ どちらでもよい悩み

 

 ワースト第 1 位 「どうにもならない悩み」 の多くは ・・・
 過去と他人に関するもの。
 過去は変更できませんが、未来は今の過ごし方によって変更可能です。
 他人の人生は他人のものであり、自分が全力を尽くすべきは自分の人生。

 

 目を向けるなら ・・・
 過去ではなく未来、他人ではなく自分 ではないでしょうか。

 

 

7.将来に対する悩みの多くは妄想

 

 私たちは、将来に対しても、悩むことがあります。
 死、病、天災、事故、離婚、失敗、解雇、倒産、不況、貧困など。
 「悩みのワースト」 に、含めなかった理由は ・・・

 妄想と思いつつも、原始時代から受け継いだ本能部分を、全面否定するのはやめようと。

 

 一方では、心配事を探して、常に悩んでいる人 がいます。
 万が一にも起きないことまで、悩み続けます。
 このような人にお勧めなのが、デール・カーネギー著 「道は開ける」。
 悩みに関する世界的な名著で、多くのケースと解決方法が紹介されています。

 

 また哲学者カントが残した言葉に、こんなものがあります。
 恐怖の原因は無知。
 つまり知らないから恐れる。
 悩みやすい人のほとんどが、その問題について、真剣に知ろうとしないものです。

 

 

8.人生は悩んだら負け

 

 現在、50 代後半。 平均寿命まで残り 20 年強しかありません。
 しかも健康でいられる期間は、もっと短いはずです。
 目標は、この 貴重な時間を、できる限り有効に過ごす こと。

 

 その結果、悩むことを時間のロスと考え、徹底的に排除することにしました。
 悩むという行為は、セルフコントロールによって、100% 回避できる はずです。
 害があると知りながら、悩んでしまうとしたら、それは自分との戦いに負けたこと。
 このように考え、自分を戒めています。

 

 その方法は、悩みから目を背けるのではなく ・・・
 ① 重要な悩みを選択して、課題として認識する
 ② 解決方法を収集して、その中から選択する
 ③ 選択した解決方法を実行してみる

 

 

9.悩みを 100% 消滅させる方法

 

 生死に関わる火災現場から、一刻を争って抜け出す最中に ・・・
 つまらない人間関係の悩みなど、一瞬たりとも、思い出すことはないでしょう。

 平常時でも、冷静さを取り戻せば ・・・
 「② どうでもよい悩み」 または 「③ どちらでもよい悩み」 であることに気づきます。

 

 人生にとって重要な目標を持つと ・・・
 悩みの 90% が、心の中から消滅します。
 さらに、人生の大切さに気づくことができれば ・・・

 残り 10% の悩みも、成長するための課題であることがわかります。

 

 ただし人生に対して真剣に取り組むと ・・・
 悩みは減りますが、課題は山のように押し寄せます。
 反対に悩んでばかりだと、成果に乏しい人生、自分を生かせない人生、不完全燃焼の人生で終わります。
 何れを選択するかは、自分次第でしょう。

 

 

 ※関連記事 
   成功者の考え方に学ぶ  2018.07.25」  「30歳から始める社会人のための勉強  2017.08.20」

不完全主義者の時代  2018.10.26

1.80対20の法則

 従業員に出す問題です。

  第 1 問

  100 点を得点するのに、100 時間の学習が必要な場合、80 点を取るためには、最低、何時間が必要なのか ?

  正解は 80 時間ではなく 20 時間。
 これは統計上の数値です。
 実際には 「学習ポイントを正確に把握する」 などの厳しい要件を、クリアしなければいけません

  第 2 問

  上記の内容を前提に、今回は 5 科目 (国語・社会・数学・理科・英語) の試験。与えられた学習時間が 100 時間。最も多く得点するためには、どの科目に何時間、どのように学習時間を配分すればよいのか ?

 1 科目に 100 時間かけた人は 100 点止まり。

 5 科目に 20 時間ずつ充てた人は 80 点 × 5 科目 = 400 点。
 正解は 5 科目に 20 時間ずつ充てる。

 

 ご存じの方も多いと思われますが ・・・
 以上の内容は、パレートが発見した法則を応用した 「80対20の法則」 によります。

 

 

2.社会人に求められるのは総合力

 

 前述の問題で、最も伝えたいのは ・・・
 完全主義に陥ると成長が止まる こと。
 視野が狭い人の目には、1 科目しか映らないため ・・・
 自分には 80% の知識があると、勘違いします。

 

 また 残り 20 点 ( 1 科目) に固執するため、400 点 ( 4  科目)分のチャンスを逃します。
 その 20 点は、ほとんど価値のないものかもしれません。
 その科目は、すでに合格ラインに達しているのに、不毛な努力を続けているのかもしれません。
 成果をあげる人たちは、「① 複数の分野」 の中から、「② 重要なポイント」 を、「③ 優先的にゲット」 していきます。

 

 社会人の評価は、ごく特殊なケースを除けば、総合力によります。 学生のように知識さえあればよい訳ではありません。
 その人の個性に応じて、様々な能力を生かすことが求められます。
 完全に囚われるのは、受験勉強の弊害によるものかもしれません。

 

 

3.完全主義の弊害 ① 成長が止まる

 

 完全主義による主な弊害は、次の 3 つと考えています。
 ① 成長が止まる こと。
 ② 生産性が低下する こと。
 自分が定めた完全の基準を他人に押しつける こと。

 

 完全主義の人は、完全にこだわります。
 しかし この完全とは、しょせん今の自分のレベルで設定したものに、過ぎません。
 それにもかかわらず ・・・
 その範囲外、つまり未知のことを、思考の外へ追いやってしまいます。

 

 「もうこれ以上、学びたくない」 「他の分野の勉強は受け入れたくない」。
 このような宣言とも、受け取ることができます。
 限られた仕事だけで、一生、保障される人など、ほとんどいません。
 今後の成長を拒否する、「人生の敗北宣言」 にならないよう、注意すべきでしょう。

 

 

4.完全主義の弊害 ② 生産性が低下する

 

 2 番目の 「生産性」 が低下する。
 これについても、前述の第 2 問から、理解することができます。
 同じ時間内に ・・・
 ある人が 400 点を得点しているのに、完全主義の人は100点しか得点できません。

 

 この事実を、本人に自覚してもらう必要があります。
 そのためには、生産性を測定して、提示するのが一番です。
 数値化して表現するのが理想ですが、数値にできない要素も少なくありません。
 この当たりの見極めが、難しいところです。

 

 さらに数値化した生産性を、給与に 100% 反映させると・・・
 収入増につながる仕事しかしない者 が現れます。
 後輩の育成などは、企業にとって重要ですが、数値化するのは難しいものです。
 反対に数値化しなければ、後輩の育成などに力を入れて、本来の仕事を疎かにする者もいます。

 

 

5.完全主義の弊害 ③ 被害が組織全体に及ぶ

 

 完全主義の根本的な問題は ・・・
 世の中に、完全な人・物・事があるという誤解 です。
 冒頭の問題であれば、自分の得点は 80 点ですが ・・・
 実は 100 点満点ではなく、1 万点満点、あるいは 1 兆点満点かもしれません。

 

 この誤解が原因で、自分の想定する完全を、他人に押しつけがちです。
 同じ完全主義でも、人によって完全の中身は異なります。
 自分と他人の立場や権限、人格が違うことを、理解しなければいけません。

 そもそも、完全な人・物・事が存在するという思考そのものが、未熟 であることに、気づくべきでしょう。

 

 完全主義に陥ると ・・・
 前述のように、「成長が止まる」 「生産性が止まる」 などの弊害があります。

 完全主義の人が他のメンバーに、自分の完全を押しつけ始めると ・・・
 「成長が止まる」 「生産性が止まる」 などの体質が、社内全体にまで拡大 する恐れがあります。

 

 

6.自分が何を知っていて、何を知らないのか ?

 

 論語によれば ・・・
 知るとは、自分が何を知っていて、自分が何を知らないかを知ること。
 だから 知れば知るほど、自分の無知に気づかされる ものです。
 自分が無知で不完全だという自覚が、大きな判断ミスを防ぎます。

 

 さらに成長を目指す人たちは ・・・
 自分が無知で不完全であることを、自覚しています。
 それが成長意欲を、さらに高めます。  
 この自覚を失わない限り、半永久的な成長が可能になります。

 

 逆に、未熟であるにも関わらず、完全の範囲を決めてしまう人は ・・・
 「自分が何を知っているか」 のみを知り、「何を知らないか」 から、目を背けています。

 完全主義は無知な人の特徴であり、さらに抜け出せない状態 に陥ったと言えます。
 成長する人たちに、どんどん追い抜かれることでしょう。

 

 

7.経営者と従業員に求められる思考性の違い

 

 確実性を必要とする人は、起業家に向かない。
 そのような人は政治家、軍の将校、外国航路の船長など、いろいろなものに向かない。
 それらのものすべてに意思決定が必要である。
 意思決定の本質は、不確実性にある。

 

 これはドラッカーの言葉です。
 業務上の確実性や完全性は、組織が従業員に課した基準 に過ぎません。
 一方、組織のトップである経営者は、不確実かつ不完全な社会を相手に、意思決定を迫られます。
 末端で働く従業員と、同じ思考では通用しません。

 

 また欧米企業を目標としていた時代は、一定基準内において、確実性や完全性が存在しました。
 しかし世界トップレベルに立つと、先駆者のいない世界において、進路を決定しなければいけません。
 確実性や完全性を求める、単純な思考とは訣別して ・・・

 不確実性や不完全性を前提とする、複雑な思考を採用すべき です。

 

 

8.変化の激しい社会では、完全を求めない

 

 現代は 「めまぐるしい変化の時代」 に入りました。
 今日の正解が、明日の正解とは限りません。
 さらに今日の正解も、本当に正解なのかどうかさえ解りません。
 暗中模索の生き方が強いられます。

 

 見習うべきは、かつての Windows の不完全主義。
 発売された頃は、恐ろしく不完全。
 当初は MS-DOS の方が、信頼性が高かったものです。
 しかし見る見るうちに、世界を制覇していきました。

 

 社会の変化に対応するためには ・・・
 走りながら考える。
 長時間、立ち止まって、完全に固執していると、タイムオーバーになります。
 さらにその努力は、自己満足に終わり、ほとんど報われないでしょう。

 

 

9.完全主義は単純思考

 

 旧社会では、多くの人が同じような価値観を持っていました。
 人々の頭の中に 「完全」 という概念が、定着しやすい環境 だったかもしれません。
 また完全なものに、救いを求めていたのかもしれません。
 たとえば、特定の人を神格化するなど。

 

 極端な言い方をすると ・・・
 完全主義は、白または黒の世界です。

 選択肢が 2 つしかなければ、正解を見極めるのは、それほど難しいことではありません。
 自分で判断しなくても、多数に従っていれば、大きな失敗も避けられました。

 

 しかし、選択肢が 2 つしかないと言うことは ・・・
 本質的には根拠のない賭け事に、近いと言えます。

 成功するか、失敗するかは、神のみぞ知るところ。
 複雑な社会を生き抜くのは、難しいでしょう。

 

 

10.無数の中から合格ポイントを見極める

 

 一方、現代は複雑な社会になりました。
 白も黒もなく、すべてグレー。 
 ただし 「限りなく白に近いグレー」 から、「限りなく黒に近いグレー」 まで。
 何れのグレーに焦点を合わせるか、常に頭を悩ませます。

 

 選択肢は無数にあり、時間の経過によって、正解は変化します。
 多数の判断も、アテになりません。
 どこのような状況で、完全な白または黒と決めつけると、失敗のリスクが高まります。
 合格ポイントは何% の完成度でよいのかを、見極める必要があります。

 

 これはケースごとに、判断しなければいけません。
 その結果、50% でよいことに、それ以上を求めないこと。
 「1% でも多く」 という乱暴な発想から離れ ・・・ 
 目標をピンポイントで見極めるように、トレーニングを重ねるべきでしょう。

 

 

11.完全主義と不完全主義の、視線の違い

 

 完全主義が通用した旧社会では・・・
 100 点満点が存在すると、信じられていました。
 その結果、注目が集まったのは、失点を減らすこと。
 キーワードは、「欠点」 「問題」 「解決」 「改善」 など。

 

 不完全な状態を許容すべき新しい社会では・・・
 100 点満点を、200 点満点にする方法を、考える べきでしょう。
 「80対20の法則」 により、20% の時間を有効に使えば・・・
 得点を 80 から 160 まで、増やすことができます。

 

 つまり、得点の増加に注目します。
 キーワードは、「成長」 「機会(チャンス)」 「優位性」 「革新」 など。
 完全主義者は物事のマイナス部分、不完全主義者は物事のプラス部分。
 両者の視線は、正反対を向いています。

 

 

12.不完全主義者の時代

 

 完全主義のような単純思考は ・・・
 気持ちがよいかもしれません。
 白か黒かの二者択一であれば、判断は楽かもしれません。

 しかし、実際に成果があがらなければ、意味がありません。

 

 今後は 「不完全主義」 という複雑な思考に慣れるべきでしょう。
 不完全な状態をあえて許容しながら、その中で 「発展」 「向上」 「前進」 を目指す。
 あくまでも長期的な繁栄を目的とすれば ・・・
 メンタル部分のブレは、セルフコントロールできるはずです。

 

 世の中には、完全な人・物・事など、存在しません。
 人工的と言う言葉がありますが、人間の中にさえ、多くの自然が残っています。
 米国社会が、非常に優れているのは ・・・

 先進国でありながら、あえて社会の一部に不完全さを残している ところではないでしょうか。

 

 

 ※参考文献 
   守谷洋著 「論語の人間学」     P.F.ドラッカー著 「仕事の哲学

成功者の考え方に学ぶ  2018.07.25

1.今の自分から 1 歩、抜け出す

 

 本を読んで、優れた人の考え方に触れてみる。
 このような習慣を、身につけました。

 自分の発想に固執するよりも、はるかに高い確率で、人生が改善される からです。
 今回のテーマは 「成功者の考え方に学ぶ」。

 

 Thinkers 50 (世界のビジネス思想家トップ 50) という賞があります。
 2 年に 1 度、選出されるそうですが ・・・

 クレイトン・M・クリステンセンは、世界 1 位を 3 度 (実質 6 年間) も、受賞 しています。
 世界中のビジネス思想家の中で、ずば抜けた存在と言えます。

 

 優れた人の考え方を学んだとしても、同レベルの成功などありえません。
 しかし、今の自分から 1 歩、抜け出すためのヒント が、見つかる可能性があります。
 参考図書は、「自分を成長させる極意(ハーバード・ビジネス・レビュー ベスト10選)」
 第 1 章、クリステンセンの 「自分の人生を成功に導く」 です。

 

 

2.「思う」 と 「考える」 の違いに気づく

 

 クリステンセンが ・・・
 成功するために、重要と言っているのは 「考え方」。
 その前に、私たちは、致命的な誤りに気づくべきです。
 それは 「考えていない」 という事実。

 

 多くの人は、「思う」 ことを 「考える」 ことと、勘違いしています。
 「思う」 は、本能や感情から、自然に湧き出てくるものです。
 だから 「思う」 ことが多い人は、本能や感情に流されがちです。

 一方、「考える」 は、自らの意思によって、行う ものです。

 

 人生に主体性を取り戻すためには、セルフ・コントロールが必要。
 本来の自分がドライバーだとしたら、マシンであるもう 1 人の自分を、うまく使いこなすべきです。

 そのためには、「思う」 をやめて 「考える」。
 この切換えによって、人生は変わるはずです。

 

 

3.「考え方」 とは、考えるための道具

 

 繰り返しますが ・・・
 クリステンセンは 「考え方」 が重要と述べています。
 ところで 「考え方」 とは、何なのでしょうか。

   「考え方」 とは、考えるための道具 ではないでしょうか。

 

 人生に対して、成功を求めるのであれば ・・・
 自分を成長させなければいけません。
 さらに自分に対して、成長を求めるのであれば ・・・
  自分の 「考え方」 を、優れた 「考え方」 に入れ替える。

 

 このような作業を、繰り返すべきでしょう。
 「考え方」 つまり考えるための道具は ・・・
 書店などへ行けば、1 冊たった 2 千円程度で、手に入れることができます。
 優れた道具と出会うチャンスは、身近にいくらでもあります。

 

 

4.考え方 ① 幸せなキャリアに必要なもの

 

 幸せなキャリアを歩むために ・・・
 本書には、臨床心理学者のフレデリック・ハーズバークの言葉が紹介されています。

 人生で強い動機づけとなるのは、お金ではない。
 責任の中で成長し、他者に貢献し、成果を認められる機会だ。

 

 このような経験を重ねていくと ・・・
 仕事面のみならず、人格や人生にまで、よい影響が及びます。
 さらにマネジメントを正しく実践すれば、自分以外の人を、その方向へ導くことができます。
 人を育てることによる、深い喜びが、そこにあります。

 

 キーワードは、「責任」 「成長」 「貢献」 「成果」。
 ドラッカーを学んだことのある方であれば、既にお馴染みのものばかり。
 成功者にも、いろいろなタイプがあります。

 ドラッカーとクリステンセンは、視点や価値観が近い と思われます。

 

 

5.考え方 ② 不幸な成功者にならないために

 

 多くの人にとって、人生の最終目的は、「幸せ」 ではないでょうか。
 ただし 「幸せ」 の中身は、人それぞれ。
 クリステンセンは、「家族」 も、その 1 つに挙げています。

 ところが 「家族」 との幸せを望みながら、不幸になってしまう 人たちが、少なくありません。

 

 何故、反対の結果を招いてしまうのでしょうか。
 クリステンセンによれば ・・・

 人生の目的 (=幸せ) について、ほとんど考えていない。
 その結果、自分の時間、エネルギー、能力の配分を間違えたから。

 

 さらに、この問題の根本には、近視眼的な考え方 があると。
 達成意欲の強い人たちは、目先の成果を求めます。
 短期間の内に成果があがる仕事に、つい飛びついてしまいます。
 逆に、長い時間を必要とする家族関係が、犠牲になるのではないでしょうか。

 

 

6.考え方 ③ 社員の協力を得る方法

 

 事業を成功させるためには、社員の協力が必要です。
 ところが社員の多くは、変化を嫌い、新事業に抵抗するものです。
 ① その新事業に参加して、得られるものについて、社員はどの程度、賛同しているか。
 ② 望ましい結果を生み出す方法について、社員はどの程度、賛同しているか。

 

 2 つの質問の答が、好ましくない場合、経営者は大いに困惑します。
 創業時であれば、権力を用いたとしても、やむを得ないかもしれません。

 しかし、現代の民主主義社会において、権力の効果には疑問 があります。  
 そこで有効なのが 「文化」 を定着させる方法。

 

 「文化」 とは、以下の要件を満たすものです。
 ① 繰り返し用いられる方法として、組織内で暗黙のうちに強制されている
 ② その効力は実証済みであり、受け入れられている
 「権力」 と 「文化」 の大きな違いは、「強制」 と 「自主性」 にあります。

 

 

7.考え方 ④ 過ちへの対応

 

 クリステンセンは、強靱な意志の持ち主です。
 たった 1 度の過ち (例外) もいけない。
 このように述べています。
 しかし大半の人にとって、それは不可能。

 

 私自身が、実践してきた方法を、紹介します。
 それは 「やりたいこと」 よりも 「やるべきこと」 を、優先 させる習慣。
 定期的に、自分の思考や行動を、チェックしています。
 「最近まずいな」 と思う度に、小さな軌道修正を繰り返しています。

 

 「思う」 ことが多いと、本能や感情に流されがちです。
 だから、「やるべきこと」 よりも 「やりたいこと」 を、優先させてしまいます。
 それが原因で、「やるべきこと」 が、疎かになるため ・・・
 なかなか成果に恵まれません。

 

 

8.考え方 ⑤ 謙虚さと自尊心 その1

 

 成長とは、「よい方向へ変わる」 ことと、考えています。
 ただし、変わるためには、今の自分を否定しなければいけません。

 謙虚な人は、思考や行動の一部を、さっさと改め、よりよい自分に生まれ変わります。
 その理由は ・・・

 

 クリステンセンは、次のように述べています。
 謙虚な人たちは、みな 「高い自尊心」 を持っている。
 自尊心、言い換えれば、自信があるからこそ、自分の一部を、謙虚に改める ことができるのではないでしょうか。
 つまり 「謙虚さ」 と 「自尊心」 は、セットと言えます。

 

 一方、自尊心のない人は、自分が変わることを拒絶します。
 1 つの思考や行動を、注意されたにもかかわらず ・・・

 自尊心が足りないので、全面的に否定されたと、感じてしまうから ではないでしょうか。
 結果的に、成長するチャンスを逃します。

 

 

9.考え方 ⑤ 謙虚さと自尊心 その2

 

 クリステンセンによれば ・・・
 謙虚さは卑屈な行動や態度ではなく、他者を敬う気持ちから生まれるものだ。
 自尊心のない人は傷つきやすく、傷つくことを、極度に恐れます。
 卑屈な行動や態度を取るのは、他者から攻撃を受けないためであり、相手を敬っている訳ではありません。

 

 「自尊心を傷つけられた」 という言葉がありますが ・・・
 本物の自尊心を備えた人たちは、他人の言葉に傷つくことなど、ありえない でしょう。
 なぜなら ・・・
 謙虚な人たちは、自分が何者かを知っており、そのことに満足している からです。

 

 職業や学歴に関わらず ・・・
 これ以上でもなければ、これ以下でもない自分を、ほぼピンポイントで認識 しています。
 他人の評価に惑わされることなく、自分らしい生き方を、全うしようとします。
 批判に傷つくこともないので、誤りについては、率直に指摘されることを好みます。

 

 

10.考え方 ⑥ 「正しい物差し」 で人生を評価する

 

 クリステンセンは述べています。
 神が私を評価する物差しは、お金ではない。 
 私が関わりを持った 1 人 1 人である。
 このような結論にたどり着いた。

 

 自分がどれだけ高い名声を得られたか。
 これに気を病むものではない。
 どれだけ他者がよりよい人間になれるよう助けたか。
 これに気を病むべきである。

 

 「物差し」 とは ・・・
 過去の経験などによって、自分の中に構築された、価値判断基準ではないでしょうか。
 ただし、これも考え方の 1 つに過ぎません。

 より優れたものに取替えたり、磨き上げていく、必要がある でしょう。

 

 

11.自分で考えて答えを生み出す

 

 これまでの人生の中で、真剣に努力したことが、2 度だけあります。
 1 度目は、国家試験に挑んだ、28 歳からの 4 年半。
 ただし、受験用のテキストや問題集など、敷かれたレールの上を、ひたすら走っただけ。
 知識と技術、資格は得られましたが、精神的自由という点では、何 1 つ改善されませんでした。

 

 2 度目は、経営戦略の勉強を始めた、45 歳からの 5 年間。
 前回と違い、何をすべきかわからないので、暗中模索、先が見えない中を、手探りで進みました。

 そこで気づいたのは、自分の人生を、自分の意思によって、わずかながら変えられる こと。
 もちろん自由自在とまではいきませんが。

 

 何が、幸いしたのでしょうか。                                                                                                                                                                               それはクリステンセンが勧める、「自分で考えて答えを生み出す」。
 このような作業に、日々、明け暮れざるをえなかった。
 おかげで、「考える」 ことの本質を、ようやく理解し始めたから、なのかもしれません。

 

 

12.優れた考え方との出会い

 

 自分自身に固執する限り ・・・
 今の自分から、抜け出すことができません。

 だから、成功者の考え方を学び、自分の考え方と入れ替える。
 この作業を繰り返すと、成長することができます。

 

 そのために ・・・
 まずは、「思う人」 から、「考える人」 へ、変わる 必要があります。
 それによって、「本能や感情に流される人生」 と 「自ら主体的に前進する人生」。
     この2つの人生の違いを、明確に実感できるはずです。

 

 本書には、第 1 章のクリステンセン以外にも・・・
 第 2 章のP.F.ドラッカーほか、全部で 10 のレビューが掲載されています。
 まだ、半分も、目を通していませんが・・・

 優れた考え方との出会いを、楽しみにしています。

 

 

 ※参考文献 
   クレイトン・M・クリステンセン共著「自分を成長させる極意(ハーバード・ビジネス・レビュー ベスト10選)」

50歳、第2の人生を考える時  2018.05.30

1.50歳で見えてくる人生の終わり

 

 50歳が近づいたとき ・・・
 自分の人生にも終わりがあることを、初めて実感しました。
 きっかけは、病気や事故などではありません。
 簡単な引き算によるものです。

 

 平均寿命まで生きられるとすると ・・・
 40 歳の時点で、人生の残り時間は、80 − 40 = 40 年間になります。

 しかし 40 歳の人が、40 年間の長さを、実感することはできません。
 なぜなら、過去 40年間 の人生のうち、生後、数年間の記憶がないからです。

 

 やがて 50 歳になると ・・・                                                                                                                                                                                 人生の残り時間は、80 − 50 = 30 年間になります。
 30 年前、つまり 20 歳以降の記憶であれば、断片的ながら、鮮明に残っている ものです。
 この瞬間、人生の残り時間の短さに、初めて気づかされました。

 

 

2.第 2 の人生を考える時

 

 残り 30 年しか生きられない。
 この事実に気づいたときのショックは、相当なものでした。

 さらに 今後 30 年間は、過去 30 年間よりも、はるかに短く感じられる でしょう。
 どうすれば 1 日をより長く感じられるかと、悩んだものです。

 

 一方、50 歳になったおかげで、楽になったこともあります。
 家庭では、子供もある程度、育っていました。
 仕事では経験を積み、日常起きることであれば、おおむね結果を予測できます。

 若い頃のような、強いストレスと向き合うことも、なくなりました。

 

 時間と体力の面では、限界を意識しつつも、心身への負担はピークを過ぎていました。
 このような状況のもと、ある思いが頭を過ぎりました。

 これまでとは違う生き方を、模索すべきではないか。
 今回のテーマは、「第 2 の人生」 です。 

 

 

3.第 1 の人生の限界

 

 順調にやってきた 45 歳あるいは 50 歳と言えば、心身ともに働き盛りである。
 その彼らが仕事に飽きたということは・・・
     第 1 の人生では、行き着くところまで行った ということである。
 そのことを知ったということである。

 

 これはドラッカーの言葉です。
 未成年期を除けば ・・・
 第 1 の人生は、最初の就職から始まっています。
 50 歳にもなれば、そこから 30 年前後は、経っているでしょう。 

 

 仕事にも精通し、安定した成果を残すことができます。
 かし、それが原因で感動から遠ざかり、惰性の日々を送るようになります。
 もし 100 歳まで生きることになったとしたら、残り 50 年はあまりに長く、辛いものになる でしょう。
 経済的な不安もありますが、精神的な不安は、さらに大きなものです。

 

 

4.働き方を変えてみる

 

 第 1 の人生の限界が訪れたとき ・・・
 
問題があるのは、「能力」 ではなく 「意欲」 です。
     気分転換をすれば、よみがえる可能性があります。

 たとえば、働き方を変えてみる。

 

 ドラッカーが提案する 3 つの方法とは ・・・
 ① 転職する
 ② 副業をもつ
 ③ 今の仕事を減らして、新しい仕事 (特に非営利の仕事) をもつ

 

 サラリーマンは、自分を抑えなければいけません。
 心の健康を維持するためには、オンとオフの切り換えが必要です。
 今の職場に限界が見えてきたら ・・・

 一度、自分をリセットするために退職し、まとまった余暇を過ごす ことも考えられます。

 

 

5.人生に新たなテーマを設定する

 

   退職も転職も不可能な、中小企業の経営者には ・・・
 「人生に新たなテーマを設定する」 という方法もあります。
 50歳までに準備することでも、お話ししましたが ・・・
 「人生の残り時間」 と 「その間にできること」 には、限りがあります。

 

 余生の中で、自分が何に取り組むべきか。
 50 歳までには、そのテーマを決めたい ものです。
 私自身は、50 歳を数年オーバーしたところで、ようやく決まりました。
 ここでドラッカーの金言を 1 つ。

 

 エネルギッシュに働くことはできない。
 しかし判断力に狂いがなく、20 年前よりも優れた意思決定を行う人がいる。
 年とともに欲を離れ、かつ知恵と親身さを併せもつならば ・・・
 助言者として、最高の仕事をする。

 

 

6.余生をいかに充実させるか

 

 第2の人生を始める目的は ・・・
 「自分自身をリフレッシュさせること」。
 それによって 「人生の残り時間を充実させること」 と、考えています。

 だからこそ、テーマは 「やりたいこと」 の中から、選びたい ものです。

 

 私は 「やりたいこと」 を、2 つに絞りました。
 1 つ目は、「有益なこと」。
 社会にとって有益な目標に向かうとき、精神面を最も充実させることができます。
 過去の人生から学びました。

 

 2 つ目は、「楽しいこと」。
 趣味、人づきあい、仕事など ・・・
 自分の本心と向き合い、心から楽しいと感じられることをしようと。
 以上の結果、有益でもなければ、楽しくもないことには、時間を割かなくなりました。

 

 

7.旧友と再会して感じること

 

 第 2 の人生のテーマは、さらに 「できること」 の中から、選択したい ものです。
 それが成果を生み、充実感につながります。
 「自分が何をやりたいのか」 は、人によって、わかりにくいかもしれません。

 一方、「自分ができること」 は、案外、わかりやすいものです。

 

 たとえば旧友と再会する度に、感じることがあります。
 それは、その後の 「時間の長さ」 と 「経験の重み」 。
 それぞれの道を、延々と歩いてきたものだと、しみじみ思います。

 その結果、それぞれが異なる色に染まっています。

 

 何れがよいのかという問題ではありません。
 それぞれが偏った存在になったという事実だけです。
 お互いに自分の仕事ではプロになったものの ・・・

 相手の分野では、足下にも及ばない ことが、明確になっています。

 

 

8.自分のことをよく知る

 

 「自分ができること」 を、より正確に把握するためには ・・・
 自分自身のことを、よく知る 必要があります。
 能力、経験、性質、性格、好み、時間、体力、環境、人脈など。
 これらについて客観的に評価し、等身大の自分を直視する。
 ここでドラッカーの金言を 2 つ。

 

 今さら自分を変えようとしてはならない。
 うまくいく訳がない。
 自分の得意とする仕事のやり方の向上には、力を入れるべきである。

 

 不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。
 自らの強みに集中すべきである。

 

 無能を並みの水準にするには ・・・
 一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。

 

 

9.第 2 の人生の準備を急ぐこと

 

 第 2 の人生の準備は、急がなくてはいけません。
 もし定年退職後にスタートさせると ・・・
 退職前の数年間は、仕事への意欲も低下し、時間を無駄に過ごす恐れがあります。
 さらに定年後の可能性も狭まり、第 2 の人生を充実させることが難しくなります。

 

 たとえば仕事オンリーだった人が、60 代後半から趣味を始めたとしても ・・・
 若い頃のような感性が失われているため、趣味の素晴らしさに気づけない かもしれません。
 趣味であるにもかかわらず、義務や責任、比較や競争など、仕事と同じ感覚でとらえてしまう人もいます。
 これでは 「楽しむこと」 も 「味わうこと」 もできません。


 最後にドラッカーの金言をもう 1 つ。

 第 2 の人生をもつには、1 つだけ条件がある。
 本格的に踏み切るかなり前から助走しなければならない。

 

 

10.まずは、健康と体力

 

 私は、まだ 57 歳です。
 60 歳以降、どんな経験が訪れ、何を感じるのかは、正直わかりません。
 その範囲内で、第 2 の人生について、お話ししました。
 現在は人生の先輩方と交流しながら、参考にさせていただいています。

 

 これまでにわかったことは ・・・
 健康維持だけではなく、基礎体力の向上にも努めること。
 基礎体力が低下すると、健康の維持そのものが、難しくなるからです。
 身体的な活動だけではなく、精神的な活動のためにも、基礎体力が必要と考えています。

 

 人生の残り時間を生かして、何に取り組むべきか。
 50 歳が間近に迫ったとき、この問題に気づいてよかったと、今は考えています。

 せっかくの人生、晩年まで充実させたい と思われる方は ・・・
 第 2 の人生設計に、今日から取り組まれては、いかがでしょうか。

 

 

      ※ 参考文献 

  P.F.ドラッカー著 仕事の哲学

 

      ※ 関連記事 

   「20 歳から始める自分のマネジメント」 → こちら 

   「30 歳から始める社会人のための勉強」 → こちら 

   「人生は 35 歳で決まるのか ?」 → こちら

      「人生100年時代は、40代までに起業する」 → こちら

      「50 歳までに準備しておくこと」 → こちら

          「50代、初めての起業」 → こちら

          「高学歴を活かせない人」 → こちら

30歳から始める社会人のための勉強  2017.08.20

1.勉強は 「嫌なもの」 とは限らない

 

 もし 「学生時代までの勉強」 を怠ったとしても ・・・・
 「社会人になった後の勉強」 さえ、しっかりすれば、十分、挽回できます。
 ここから先は、学生時代までの勉強を、「学生時代の勉強」。
 社会人になった後の勉強を、「社会人のための勉強」 と、呼ぶことにしましょう。

 

 実は、多くの人が、2 つの勉強の違いに、気づいていません。
 だから、社会人になった後も、「勉強とは嫌なもの」 と考えています。
 それが原因で、社会人になると、勉強をしなくなります。
 やがて、生活のためだけに、いやいや仕事をするようになります。

 

 しかし、両者の違いを知ると、進んで勉強をするようになります。
 なぜなら、「社会人のための勉強」 は、やればやるほど、よい人生が訪れる からです。
 収入が増えたり、仕事が上達したり、他人の役に立てたり、不安を解消したり、生き甲斐を得たり、前向きになったり。
 1 日も早く、「社会人のための勉強」 に、取り組んでみましょう。

 

 

2.「学生時代の勉強」 と 「社会人のための勉強」 の違い

 

 「学生時代の勉強」 と 「社会人のための勉強」。
 両者の違いは、たとえば以下のようなものです。

区 分 学生時代の勉強 社会人のための勉強
①動 機 大人から強制される 自主的に行う
②テーマ ・ 教  材 大人が決めたものの中から選択する 自分で探す・選ぶ・決める
③仕事に役立つかどうか 役に立たない (一部の職業では役立つ) 役に立つ

 「学生時代の勉強」 とは、極端な言い方をすると ・・・
 大人に決められた、役に立たないことを、受け身で行うもの と、言えます。
 だから 「嫌なもの」 と感じるのも、当然かもしれません。

 

 「社会人のための勉強」 とは、極端な言い方をすると ・・・
  仕事や人生、社会に役立つことを、自分で探し求め、自ら進んで行うもの と、言えます。
 つまり、そこには 「自分の意思」 が求められます。

 

 

3.「社会人のための勉強」 をすると、恐怖や不安から解放される?

 

 「学生時代の勉強」 には、終わりがあります。
 たとえば、受験勉強は、合格したら、終わり。
 しかし 「社会人のための勉強」 には、終わりがありません。

 やればやるほど、自分の無知に、気づかされるからです。

 さらに、カントという哲学者が、次のように述べていました。
  「恐怖の原因は、無知である」。
  2 つのことから ・・・
  「社会人のための勉強」 をすると、様々なことがわかるようになり、恐怖や不安から、解放されると言えます。 

 

 もし 「学生時代の勉強」 しか知らなければ ・・・
 勉強とは、役に立たないものと信じているため、噂レベルのことしか知ろうとしません。
 これでは、無知な状態から抜け出すことができません。

 それが原因で、些細なことに対しても、いちいち恐怖や不安を感じやすい のではないでしょうか。

 

 

4.社会人の勉強にも 2 種類ある

 

 社会人の勉強にも、2 種類あります。
 
1 つ目は 「日常的な勉強」。
  日常の中で、仕事や生活を通じて、学んでいくもの。

 ただし、これだけでは、成長速度が限られてきます。

 

 2つ目は 「飛躍するための勉強」 。
 現状から飛躍するために行う、勉強のことです。
 本を読んだり、講演を聞いたり、異なる立場の人と接したり ・・・
 非日常的な知識や経験から、自分を向上させます。

 

 多くの人は 「日常的な勉強」 に、留まります。
 だから、ここでは、あえて 「社会人のための勉強」 には含めません。
 社会人になった後、勉強と呼ぶべきものは ・・・
 「飛躍するための勉強」 です。

 

 

5.「何を勉強するのか」 の 「何を」 が重要

 

 学生は 「努力」 するだけで、評価されます。
 しかし、社会人は 「結果」 がすべてなので、「結果」 に責任を負わなければいけません。

 だから、努力する以前に、「何を努力するのか」 の 「何を」 が重要です。
 もし、努力の方向性が間違っていれば、何もしないよりも、悪い結果を招いてしまうからです。

 

 「社会人のための勉強」 も同じ。
 勉強する以前に、「何を勉強するのか」 の 「何を」 が重要です。
 より重要な 「何か」 を発見するためには、社会人としての自覚が求められます。
 まずは、自分の仕事に対して、真剣に取り組むことではないでしょうか。

 

 社会人としての自覚が足りないと ・・・ 30 歳を過ぎても、重要なテーマが見つからなかったり、そのテーマに対して、努力を重ねることができません。
 私自身は「仕事」 「人生」 「社会」 の 3 つに、行き着きました。
 つまり、仕事、人生、社会に、役立つこと。

 

 

6.「仕事」 と 「人生」 と 「社会」 の関係

 

 「仕事」 「人生」 「社会」。 なぜ、この 3 つの分野の勉強が、必要なのでしょうか。
 それは、3 つの分野の勉強をした方が、仕事のみの勉強に集中するより、レベルアップできる からです。
 実は、3 つの分野は、それぞれ関係しています。

 

 たとえば 「仕事」 は、単独で存在している訳ではありません。
 「仕事」 とは、「社会」 の需要に応じて、発生するものです。
 だから、「社会」 とは何かを理解することが、「仕事」 の成果にもつながります。
 また、「仕事」 を成し遂げることによって、物心ともに恵まれ、「人生」 も豊かになります。

 

 さらに 「社会」 とは、無数の 「人生」 の集合体と、見なすこともできます。
 「仕事」 を生み出す源泉と、見なすこともできます。
 ある分野を勉強するときは、その分野の勉強しかしない。

 このような、近視眼的な思考を離れ、より広い範囲から、ダイナミックにとらえる 必要があります。

 

 

7.3 つのうち、メインは 「仕事」

 

 「仕事」 「人生」 「社会」。
 これら 3 つのテーマのうち、メインは 「仕事」 と考えています。
 なぜなら、「社会」 はコントロールできないし、「人生」 は結果に過ぎないからです。
 自分の意思と行動を、最も反映させられるのは、「仕事」です。

 

 だから 「仕事」 を向上させることによって ・・・
  「人生」 と 「社会」 をよくしたいと、考えています。
 逆から見れば ・・・
「人生」 と 「社会」 がよくなるような 「仕事」 をすべきと、考えています。

 

 仕事がすべてではないが、仕事が第一である。
 ドラッカーのこの言葉も、逆から読むことができます。
 仕事が第一ではあるが、仕事がすべてではない。

 つまり、 「人生」 や 「社会」 のことも、よく勉強して、「仕事」 の成果に生かせるようにしたい ものです。

 

 

8.まずは自分の仕事でプロになる

 

 現代社会は分業制です。
 それぞれの職業の人が、それぞれの仕事を分担し合って、社会全体が成り立っています。
 だから、どんな職業の人も、まずは、その道のプロのレベルに、到達したい ものです。
 つまり、プロの名にふさわしい知識や技能を、身につける必要があります。

 

 しかし、そのために学ぶべきことは、無限にあります。
 段階を踏んで、専門分野を絞っていく、必要があるでしょう。
 たとえば、料理人であれば ・・・
 料理の基本 → 中華料理 → 天心 → 餃子 → 水餃子

 

 世の中には、何でも知ったかぶり、上から目線の人たちがいます。
 しかし、大半の知識が、聞きかじりのレベル。

 このような人は、自分の仕事に関する知識も、大したものではありません。
 逆に、プロフェッショナルな人ほど、専門外の分野については、驚くほど謙虚なものです。

 

 

9.「社会人のための勉強」 を始める時期

 

 成功するためには、「何が正解なのか」 を、知る必要があります。
 しかし、成功するためには、さらに 「何が間違いなのか」 も、知る必要があります。
 正解だけを追い求めても、うまくいく訳ではありません。
 「仕事」 「人生」 「社会」 に関する勉強についても、同じことが言えます。

 

 そこで 「社会人のための勉強」 を、スタートさせる時期。
 就職後、ただちに取りかかるのが、理想と思われるかもしれません。
 しかし、「人生の間違いとは何か」 を知るために、20 代前半までは、若さを謳歌しましょう
 そこで、自分の愚かさに気づくことができれば、しめたものです。

 

 ジャンプする前には、一度、沈み込む必要があります。
 人生で飛躍する前には、一度、落ち込む必要があります。
 そこで大いに反省して、その後は 「社会人のための勉強」 に全力で取り組む。
 早ければ 20 代後半、遅くとも 30 代前半には、スタートさせたいものです。

 

 

10.最後は 「自分の意思の強さ」 で決まる

 

 人生は 「学生時代」 よりも 「社会人時代」 の方が、圧倒的に長いものです。
 だから 「社会人のための勉強」 の方が、はるかに重要です。
 「社会人のための勉強」 に目覚めた人たちは、その後、生き生きとした人生を歩んでいます。
  そこで、特に頑張って欲しいのは ・・・

 

 「学生時代の勉強」 を怠り、青春時代を楽しく過ごしてしまった人。
 このような人は、精神的疲労が少ないため、過酷な勉強にも、耐えうる余力が十分に残っています。
 また、高学歴でありながら、就職後、仕事でうまくいかなくなった人。
 このような人たちは、正しい方向性さえ発見できれば、高い学習能力を生かすことができます。

 

 多くの人にとって、「学生時代の勉強」 は無駄なものでした。
 しかし 「社会人のための勉強」 は、すべての人に、役立つものです。

 そのためには、2 つの勉強の違いを知ることから、スタートします。
 さらに「自分の人生を自分の力でよいものに変える」 という、強い思いが、原動力になります。

 


※ 参考文献 

  P.F.ドラッカー著 仕事の哲学

 

※ 関連記事 

   「20 歳から始める自分のマネジメント」 → こちら 

   「人生は 35 歳で決まるのか ?」 → こちら (前回のテーマ)

    「人生100年時代は、40代までに起業する」 → こちら

   「50 歳までに準備しておくこと」 → こちら  

   「50 歳  第2の人生を考えるとき」 → こちら

     「50代、初めての起業」 → こちら

     「高学歴を活かせない人」 → こちら

マーケティングの基本  2017.07.08-16

■ マーケティングの基本(前編・戦略)  2017.07.08

 

 

1.売上を確実に増やしたいなら 「マーケティング」

 

 売上を増やす方法は、明らかにされています。
 最も効果的な方法がマーケティング。

  まずは マーケティングの技術を学び、経営に採り入れていく。
 この方法が最も成功率が高いと思われます。

 

 しかしマーケティングに関しては、本だけでも、数知れずあります。
 信用できないものも、少なくありません。
 たまたま書店で手にした本の内容を信じて、大金を失う人もいます。
 このようなことは、絶対に避けたいものです。

 

 マーケティングの第一人者と言えば、フィリップ ・ コトラー。
 コトラーの理論は広範囲に渡っており、私もその大半を知りません。

 ただし、中小企業レベルであれば、基本を実践するだけでも、十分な効果が出る はずです。
 今回のテーマは、コトラーの 「マーケティングの基本 (前編・戦略)」 です。

 

 

2.マーケティングの枠組み

 

 マーケティングの枠組みは、以下のとおりです。
  ① ミッション ・・・ 企業としての使命・目的・目標
  ② 戦略 ・・・・・・ ミッションを達成するための長期プラン
  ③ 戦術 ・・・・・・ 戦略を実現させるための具体的な方法

 

 次の順番で組み立てていきます。
  ① ミッション → ② 戦略 → ③ 戦術
  しかし、① を言葉にするのは、案外、難しいものです。
 また、机上で考えているうちに、時間だけが過ぎてしまいます。

 

 そこで ・・・
 「② → ③」を進め、結果を確認しながら、① を構築していく。
  つまり、走りながら考えるのも、1 つの方法かもしれません。

 まずは 戦略から取り組み、具体的なイメージをつかみたい ものです。

 

 

3.マーケティング戦略

 

 マーケティング戦略は、次の順番で進めます。
 ① セグメンテーション → ② ターゲティング → ③ ポジショニング

 

 それぞれの簡単な意味は、以下のとおりです。
  ① セグメンテーション ・・・ 市場 (顧客) を、年齢層、職業、性別、考え方、地域などによって、分ける

   ターゲティング ・・・・・ ① で区分した中から、ターゲット客を絞る
  ③ ポジショニング ・・・・・ ② で選んだターゲット客に好まれるポジションを、市場の中で確立する

 

 すべての顧客に好かれようとすると ・・・
 企業や商品として、特徴のない中途半端な存在になります。

 それでも、成功させたいなら、莫大な資金が必要です。
 そのような資金など、中小企業にあるはずがありません。

 

 だから ターゲット客を絞って、そこに経営資源 (人・モノ・資金・時間など) を集中させる。
 これが 「マーケティング戦略の基本中の基本」 ではないでしょうか。

 

 

4.セグメンテーション

 

 セグメンテーション (Segmentation) とは ・・・
 市場あるいは顧客を細分化する作業 です。
  細分化する要素は、様々です。
 年齢、性別、職業、考え方、地域など。

 

 たとえば小売店が 「地域」 によって、セグメンテーションを行う場合 ・・・
 店舗型なら、「半径 ○○㎞ 以内の顧客」 などと、分けることができます。

 ターゲットとする 地域分けについては、「ランチェスター戦略の地域戦略」 が有効 ではないでしょうか。
 また、ネット型なら 「全国、あるいは全世界の顧客」 になります。

 

 どの要素によって、セグメンテーションを進めるかは、企業ごとに異なります。
 また複数の要素を、組み合わせることもあります。

 「当社に最も多い顧客のタイプ」 に注目して、セグメンテーションに用いるべき要素を、導き出す 方法もあります。
 どのような要素を選択するかは、非常に重要なので、何度も挑戦することになります。

 

 

5.ターゲティング

 

 ターゲティング (Targeting)とは ・・・
 セグメンテーションの中から、ターゲット客を絞る作業 です。
 すべての顧客に好まれようとすると、莫大な資金が必要です。
 さすがのトヨタでさえ、スズキのジムニーや、マツダのロードスターのような車には、手を出していません。

 

 ところが中小企業であるにもかかわらず ・・・
 すべての顧客の需要に応えようとしている、企業も少なくありません。
 たとえば、やたらとメニューが多いのに、どれも美味くない飲食店など。
 ターゲットがわからないと、そうなりがちです。

 

 顧客から見ると、このような企業には、何 1 つアピールするものがありません。
 星の数ほどある同業他社の中に、埋もれてしまうため、新規顧客に見逃されてしまいます。
 顧客を絞る理由は、そこにあります。
 企業はターゲット客にとって、ベスト企業を目指すべきです。

 

 

6.顧客を絞ってもよいのか

 

 顧客のタイプを絞ると、売上が減るのではないか。
 このような不安をもたれる方も、少なくありません。
 確かに 「男性専用」 に限定すれば、女性がその店を訪れることはないでしょう。
 またターゲティングを絞りすぎると、市場が小さくなり、事業として成り立たなくなります。

 

 しかし、ターゲティングを誤らなければ、むしろ顧客は増えます。
 なぜなら、人が人を呼ぶからです。
 ターゲティングの対象になる顧客は、企業や商品を選ばない顧客より、熱意をもっています。
 この熱意が、従業員の働き甲斐にもつながるため、企業全体に活気をもたらします。

 

 ただしターゲティング客は、時代とともに変化します。
 定期的な見直しが必要になります。

 しかし、ターゲティング客を大きく変えると、既存客の多くを失いかねません。
 ターゲティングの見直しは、くれぐれも慎重に進めたい ものです。

 

 

7.ポジショニング

 

 最初にこの言葉をマーケティングに採用したのは ・・・
 マーケティング22の法則などの著者、アル・ライズとジャック・トラウトです。
 このお2人の、ポジショニング (Positioning) の定義を、わかりやすく言い換えると ・・・
 当社または当社の商品を、ターゲット客の心の中に、どう位置づけるか。

 

 たとえば、どのような要素でポジショニングを行うべきなのでしょうか。 
 ターゲット客の価値観に照らし、下記の何れかにおいて、「最高のもの」 と見なされる 必要があります。

 ① より速い ② より安全 ③ より安い ④ より便利

 ⑤ より長持ち ⑥ より使いやすい ⑦ より高品質 ⑧ より付加価値がある   など

またマイケル・トレーシーとフレッド・フィアセーマは ・・・
 次の 3 つのうちの何れかで、ポジショニングを行うべきと、述べています。 
  ① 優れた商品  ② 優れた業務活動  ③ 優れた人間関係
 このうち 1 つに集中し、残り 2 つについても、必要十分なレベルが求められます。

 

 

8.次回は 「マーケティング戦術」

 

 マーケティング戦略を進めることによって、おおまかな方向性を、見出さなければいけません。
  ① 当社にとって、ターゲットとすべき顧客は、どんな人たちなのか ?
 ② ターゲット客のハートをつかむためには、どんな会社、どんな商品として、認識されるべきなのか ?
  これらの質問に答えられることが、目標です。

 

 ドラッカーは次のように述べています。
 マーケティングの理想は、販売をなくすこと。
 つまり マーケティングとは、「売り込み」 をしなくても、顧客自らが求めてくる、仕組みを作る ことです。
  自社に合うマーケティング技術を、経営の仕組みの中に、採り入れたいものです。

 

 次回のテーマは、マーケティング戦術。
 マーケティング戦略を、実現させるための、具体的な方法。
 メインは、「差別化」 と 「マーケティング・ミックス」。
 これらについて、簡単に触れてみます。

 

 


 ■ マーケティングの基本(後編・戦術)  2017.07.16

 

1.「戦略」 と 「戦術」 を混同しない

 

 戦略と戦術は、混同されがちです。
 戦略とは、ミッション (当社の使命・目的・目標) を実現させるための、長期的プラン。
 さらに、戦術とは、戦略を実現させるための、具体的・短期的なプランです。
 木にたとえれば、ミッションが 「根」、戦略が 「幹」、戦術は 「枝・葉」 と言えるかもしれません。

 

 通常、他社の戦略は、外部から見えません。 見えているのは、表面的な戦術の部分のみです。
 だから、もし 好調な他社を、表面的に真似たとしても、一時的な成功に終わりがちです。
 戦略が異なるので、一貫性や統一性に、欠けてしまうからです。

 

 このようなケースでは、戦略を推測してみましょう。
 ① セグメンテーション  →  ② ターゲティング  →  ③ ポジショニング
 他社はどんな顧客をターゲットにして、どのようなポジションを狙っているのか。
 もし、その戦略が当社に合うものでなければ、深追いする必要はありません。

 

 

2.マーケティング戦術で具体化する

 

 マーケティング戦略では、以下の手順で、作業を進めてきました。
   ① セグメンテーション ・・・ 市場・顧客を細分化
   ② ターゲティング ・・・・・ ターゲットにする顧客を選択
   ③ ポジショニング ・・・・・ 当社の立ち位置を決定

 

 マーケティング戦略によって ・・・
 当社や当社の商品を、「ターゲット客の心の中に、どう位置づけるか」 が決まりました。
 マーケティング戦術では、さらに具体的な方法へと進みます。
 おもな戦術は、「差別化」 と 「マーケティング・ミックス」。

 

 実は、マーケティングを実践している中小企業は、ほとんどありません。
 ターゲット客が絞りきれず、人、モノ、資金、時間などの経営資源が、分散されています。
  だから、中小企業こそ、マーケティングを実践すべきです。
 この 2 つをマスターしただけでも、成果に恵まれる可能性が、高まるのではないでしょうか。

 

 

3.差別化

 

 製品やサービスが、同業他社と比べて差のない市場を、コモディティ市場と言います。
 他と違いがなければ、価格競争に巻き込まれます。  そこで求められるのが、差別化。
 ターゲット客から見て、同業他社と異なる違いを、作り出す ことです。

 

 もちろん 「意味のある違い」 であれば、ベストです。
  しかし 「意味のない違い」 でさえ、成果を生む ことがあるそうです。
  たとえば 「シルク入りシャンプー」 は、まったく効果がないのに売れました。
  差別化には、以下の種類があるそうです。

 1.製品による差別化 ①特徴 ②性能 ③適合 ④耐久性 ⑤信頼性 ⑥修理可能性 ⑦デザイン(色・形)
 2.サービスによる差別化 ①コンサルティング ②顧客トレーニング  ③配達 ④取付 ⑤修理

 3.スタッフによる差別化

①コミュニケーション ②親切丁寧 ③迅速な対応 ④信頼性 ⑤確実性  ⑥スキル

 4.イメージによる差別化 ①文章 ②雰囲気 ③メディア ④シンボル ⑤イベント

4.マーケティング・ミックス

 

 マーケティング・ミックスとは、「マーケティング・ツールの組み合わせ」 のことです。
  
代表的なものは、4P と呼ばれます。
  Product (製品)、Price (価格)、Place (流通チャネル)、Promotion (広告)。
 しかし、4P は、あくまで企業側の視点。

 

 一方、顧客側の視点は、4C と呼ばれます。
 Customer Value (顧客から見た価値)、Cost to the Customer (顧客の総負担)
 Convenience (入手の容易性)、Communication (会話・意思疎通)
 最近は、顧客側の視点である 4C を理解してから、4P の差別化を検討すべきと、言われています。

 

 企業は 「製品」 に関心があります。
 しかし、顧客の関心は「自分が得られるメリットや、解決してくれる問題」にあります。
 いくら業界トップの性能であっても、関心のないものには、見向きもしません。

 だから、Product (製品) の差別化は、Customer Value (顧客から見た価値) の観点から、検討する必要があります。

 

 

5.顧客観点から差別化

 

 企業は 「価格」 に関心があります。
 しかし、顧客の関心は 「製品を購入から、使用、廃棄に至るまでの、総コスト」 にあります。

 購入価格だけではなく、維持費や廃棄費も含めて、比較します。
 だから、Price (価格) の差別化は、Cost to the Customer (顧客の総負担) の観点から、検討する必要があります。

 

 企業は 「流通チャンネル」 に関心をもっています。
 しかし、顧客の関心は 「入手の容易性」、つまり 「手に入りやすいかどうか」 にあります。
 企業側にとって都合のよいルートとは限りません。
 だから、Place (流通チャネル) の差別化は、Convenience (入手の容易性) の観点から、検討する必要があります。

 

 企業は 「広告」 に関心があります
 しかし、顧客の関心は 「会話や意思疎通」 にあります。

 広告という、一方通行のものではありません。
 だから、Promotion (広告) の差別化は、Communication (会話・意思疎通) の観点から、検討する必要があります。

 

 

6.価格の差別化

 

 企業が価格を決めるとき、以下の算式を用います。
 価格 = 人件費などの総コスト + 確保したい利益
 ただし、これは、企業側の一方的な希望にすぎません。
 「安い」 か 「高い」 かを決めるのは、あくまで顧客です。

 

 たとえば、化学製品でお馴染みのデュポンでは ・・・
 ①従来型ホースの交換サイクルは 「1年に1回」 ですが、新製品の改良型ホースなら 「3年に1回」 で済みます。
 ②交換の度に、工場の生産ラインが 1 日停止することにより、1 万ドルのコストが発生します。

 ③3 年間のコストを比較すると、従来型なら 「ホース3本分 + 3万ドル」、改良型なら 「ホース1本分 + 1万ドル」になります。
 そこで問題 ・・・ 改良型ホースを多く販売したいデュポンは、どんな価格付けをするのでしょうか。

 

 30 代の頃、私は幸運にも、ある著名な経営者が主催される勉強会に、参加させていただきました。
 そこで 「顧客が進んで購入する価格のうち、最も高い 1 点を見抜け」 と、教えられました。

 

 

7.流通チャネルの差別化

 

 化粧品は小売店を通して、店頭販売されるのが、当たり前でした。
 しかし、後発のエイボンは、店頭に並べてもらえません。

 そこでセールス・レディを育成し、「個別訪問販売」 で成功しました。
 またタッパウェイは 「パーティ形式」、アムウェイの 「マルチ商法」は、日本でもお馴染みです。

 

 また、ダイレクト販売も拡大しています。 
 デルのパソコン、ソニー損保などは、低コストを生かして、低価格を実現しています。 
 またカスタマイズをしやすい点でも有利です。 
 ただし、同一企業内で、店頭販売とダイレクトを行うと、取引の奪い合いなど、対立を生みやすいそうです

 

 ネットやカタログの通販も、大人気です。
 私もその 1 人で、家に居ながら、各地から買い物をすることができます。 
  実店舗をもたなくてもよいので、低コストでスタートできます。
 便利でしかも低価格、時代に合った流通チャネルと言えます。

 

 

8.プロモーションの差別化

 

 プロモーションの差別化には、以下の方法があります。
 ① 広告  ② セールス・プロモーション  ③ PR  ④ 営業マン  ⑤  ダイレクト・マーケティング
 それぞれの特徴を理解し、最低でも 1 つは得意分野にしたいものです。
  業界常識を超えた方法も、検討したいものです。

 

 「広告」 は、最も強力な手段です。
 しかし、一工夫がなければ、その他大勢の中に埋もれ、顧客の目に留まりません。
 ターゲット客が求めているものを、いかに伝えるかが問われます。
 手段としては、インターネット・メール・FAX・新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・屋外広告・電話・DMなど。

 

 セールス・プロモーションとは・・・ 「ただ今、○○セール」 「今なら○○がプレゼント付き」 「もれなく賞品が当たる」 ・・・など。
 多くの場合、安いときしか売れなくなります。
 ただし、優れた商品を試用品で広めるケースなどでは、有効なのだそうです

 

 

9.顧客にベネフィットを提供する

 

 当社には特徴がない。
 このようなケースでも、差別化を進めることができます。
 顧客に対して、ベネフィット (利益や便益) を提供する方法です。

 

 ①〜⑧ のうち、まずは 1 つを強化しましょう。

 

 ① 製品やサービスを、お客様ごとにカスタマイズ 
 ② 使いやすい、利用しやすいなど、利便性が抜群 
 ③ すばやいサービス 
 ④ よりよいサービス 
 ⑤ 指導、研修、コンサルティングのサービス付き

 ⑥ ダメな場合は、○○を保証 
  ⑦ ハードウェアとソフトウェアの提供
 ⑧ 会員のみの特典

 

 

10.マーケティングに挑戦!

 

 1945 年の終戦以来、日本経済は右肩上がりで、成長を続けました。
 この時代は、受け身の経営でも、業績が伸びたものです。
 ところが 1990 年代のバブル崩壊。
  さらに、失われた 20 年に続き、リーマン・ショック。

 

 時代はすっかり変わり果て、攻めない企業は、生き残れなくなりました。
 しかし、カンや経験、ウワサやデマ、願望や思いつきで、攻めるのは危険です。
 安定経営を目指すなら ・・・
  マネジメント理論に基づいて、根拠のある経営を目指しましょう。

 

 まずは集客、そのツールは、マーケティングです。 今回は 2 度に分けて、フィリップ・コトラーのマーケティングに触れました。
 「基本中の基本」 しか、取り上げていませんが・・・
 マーケティング挑戦への、きっかけになれば幸いです。 

 

 

※ 参考文献 
  フィリップ・コトラー著  戦略的マーケティングマーケティング・コンセプト
   宮崎哲也著 フィリップ・コトラーのマーケティング論がわかる本
  P.F.ドラッカー著 経営の哲学 

50歳までに準備しておくこと  2017.06.11

1.未来から逆算して、現在の過ごし方を計画する

 

 前回のテーマは、 社会人 Ⅰ 期(20 〜 34 歳)の過ごし方でした。
  この期間を充実させれば、未成年期のマイナス面を挽回し、その後の人生で成功する可能性が高まります。
 反対に、未成年期で高い評価を得ても、この期間を無駄に過すと、その後の人生で成功することが、難しくなります。
  未成年期と社会人では、求められることが異なる からです。

 

 社会人 Ⅰ 期を無駄に過ごす人は、「もったいない生き方をしている」 と言われます。
 なぜなら、長い人生の中で、最も努力が報われやすいのが、社会人 Ⅰ 期 だからです。
 ただしタイムラグがあるため、大きく報われ始めるのは、35 歳以降ですが。
 もし無駄に過ごしたいなら、かなりの高齢になってからにしたいものです。

 

 それでは、社会人 Ⅱ 期(35 〜 49 歳)は、どのように過ごすべきでしょうか。
 この期間のゴールは 50 歳です。
 だから 「 50 歳以降の人生の準備」 を進めるべき でしょう。
  そのためには、50 歳という年齢の意味を、まずは理解したいものです。

 

 

2.50 歳という年齢の意味

 

  ドラッカーが 13 歳のとき、先生が生徒 1 人ひとりに尋ねました。
「何によって人に憶えられたいかね」。
 しかし誰も答えられませんでした。
 すると先生は笑いながら、答えたそうです。

 

 「今、答えられるとは思わない」
 「でも、50 歳になって答えられないと問題だよ」。
 「人生を無駄に過ごしたことになるからね」。

 

  50 歳が近づくと、人生の終わりが、はるか彼方に見えてきます。
 人生の 「残り時間」 には限りがあること、「その間にできること」 にも限りがあることを、初めて実感させられます。
「限られた時間の中で、自分は何を成し遂げるべきか」 を、決めなければいけません。
  もし50歳の時点で、その答えが出てこなければ ・・・
  それまでの人生を、無駄に過ごしたことになるのかもしれません。

 

 

3.社会人 Ⅱ 期 (35 〜 49 歳) の過ごし方

 

  社会人 Ⅱ 期 (35 〜 49 歳)は、最も負担の大きな時期です。
 準備は、社会人 Ⅰ 期 (20 〜 34 歳) から始まっており、その成果の収穫に入る時期です。
 おかげで収入も増えますが、同じように支出も増えていきます。
 その中で、家族が増えたり、子供が成長したり、マイホームにも住めるようになる訳ですが ・・・

 

 また、社会人 Ⅱ 期 (35 〜 49 歳)の過ごし方は、50 歳以降の人生にも影響を及ぼします。
  50 歳になったとき、「人生の残り時間」 と 「その間にできること」 の限界を知らされます。
 社会人 Ⅱ 期 (35 〜 49 歳)を充実させれば ・・・ 
  「50歳以降に何をやり遂げるべきか」 が、見えてくるかもしれません。

 

 実は、年齢を経るほど、意識的に成長を目指さなければ、仕事にやり甲斐を見い出せなくなります。
 たとえば、仕事の目的が 「お金のため」 から成長しなければ、働くことが馬鹿らしく思えてきます。
 やがて成長も止まり、他の人たちに追い抜かれるなど、人生は下降線をたどります。
 職業人生は長いので、仕事がつまらなくなると、人生の大部分が辛くなります。

 

 

4.30 代後半のテーマは 「世界を拡げる」

 

 30 代後半は、人間関係を広げる時期です。
 34 歳までに修得した知識や技術を生かすために、仕事を集めなければいけません。
 出会いを広く求め、様々な集まりに参加しましょう。
 50 歳以降、何か 1 つのテーマに絞るためにも、それまでは幅広く出会いを求めたいものです。

 

  また拡がる人間関係の中で、成長も求めるべきです。
 頭の中で、理屈や理想を考えることも重要ですが、それだけでは、机上の空論で終わります。
 ドラッカーが主張する、成長の条件は 「責任」。
 現実生活の中で、責任ある立場を求め、それを果たしていく ことでしょう。

 

 何事も、日々の積み重ねです。
 よい生活を続けて、それを習慣化させる。
 「習慣化させる」 とは、「そうしないと、気持ちが悪いレベルにまで、もっていく」 ことです。
   おかげで悪い習慣が身に付くと、なかなか断ち切ることができません。

 

 

5.40 代前半のテーマは 「重圧に耐える」

 

 40 代前半は、公私ともに責任も重く、苦しい時期です。
 以前、世界ニュースでアンケートを採った結果、人間が最も不幸を感じる年齢は、44 歳でした。
 公私ともに負担が大きいにもかかわらず、若さに陰りが見え始めます。
 人生の中で、もっとも大変な時期、リスクと隣り合わせの時期かもしれません。

 

 30 代を全力で駆け抜けた人の中には、張りつめた気持ちを、緩めたい 人もいるでしょう。
 私もその 1 人でした。
 経営も順調だったため、気分転換とばかりに、子供関係のつき合いなどに時間を割きました。
 それはそれでよかったのですが ・・・

 

 このようなケースで、注意したいのは、リラックスする期間の長さ です。
 あまり長く休憩してしまうと、「とぎすまされた感覚」 を取り戻すのに、苦労します。
 知人の中には、ついに元に戻らず、変わり果てた人たちもいます。
 若い頃のことを思うと残念ですが、それもまた人生かもしれません。

 

 

6.40 代後半のテーマは 「力から技術への転換」

 

 40 代後半は、転換期です。
 この時期に差し掛かると、多くの人が 2 つの事実を、受け入れざるをえません。
 1 つ目は、もう若くないこと。
 2 つ目は、社会の変化に遅れを取り始めていること。

 

 これらが原因で、生き方や働き方について、方向転換を図る必要があります。
 それまでの 「力」 中心から、「技術」 中心へと、生き方を変える 時期です。
 そのためには、新たな分野の勉強をスタートさせる、必要があるでしょう。
 社会人 Ⅰ 期 (20 〜 34歳) と同じ気持ち、つまり初心を取り戻したいものです。

 

  また健康についても、「検査の数値が悪い」 から、「病気として表面化する」 へと、進む時期です。
 さらに体力低下に伴い、積極性や集中力も、衰えてきます。
健康維持だけではなく、体力増強にも、努めたい ものです。
 これらの準備さえ怠らなければ、50 歳以降の人生を、より充実させることができるでしょう。

 

 

7.人は皆、同じように老いる訳ではない

 

 50 歳が近づくと、人生の終わりが、はるか彼方に見えてきます。
 それまで知識としてしか、知り得なかった事実が、実感として感じられるようになります。

 そして、もう 1 つ気づかされる事実があります。
 ドラッカーが述べたとおり、「人は皆、同じように老いる訳ではない」 こと。

 

  人生の最初の 30 年間は、皆、同じようなペースで、成長するものです。
 しかし、後半に訪れる 「老い」 は人それぞれで、50 歳にもなれば、その差が明らかになってきます。
 肉体的な差も少なくありませんが、精神的な差の方が、より大きなものです。
 精神的な老化に対して、ブレーキ役を果たすのは、やはりチャレンジ精神 でしょうか。

 

  早い時期にチャレンジ精神を失うと、50 歳の時点で、すでに意欲の低下が進み、覇気を感じられない人もいます。
 反対に、チャレンジを繰り返す人たちは、まだまだ元気。
50 歳の時点で、平均的な 30 歳よりも、はるかに意欲的 です。
 どちらを選ぶかは、自分の意思次第です。

 

 

8.人生のピークはいつ訪れるのか?

 

  企業の場合、組織構造は下から順に、次の 3 層に分かれています。
 ① 作業者(現場担当者)  ② 管理者  ③ 経営者
 それぞれのピークも、次の年代に、分かれるのではないでしょうか。
 ① 作業者のピークは 30 代後半  ② 管理者のピークは 40 代後半  ③ 経営者のピークは 50 歳以降

 

 もし、「作業者 (現場担当者) 」 として、職業人生を終えるとすると ・・・
 よほど責任感が強くなければ、人生のピークは、30 代後半に、訪れる 可能性があります。
 もし、40 代以降も、同じ職場で働いていると ・・・
 仕事そのものよりも、収入や人間関係に関心が高まるかもしれません。

 

 もし、「管理者」 として、職業人生を終えるとすると ・・・
 仕事にやり甲斐がなければ、人生のピークは、40 代後半に、訪れる 可能性があります。
 もし、50 代以降もこの状態が続くと ・・・
 仕事から受けるストレスに、大きな苦しみを感じるかもしれません。

 

 

9.経営者という生き方

 

 私は 30 代半ばから、3 つの役 (経営者・管理者・作業者) を、兼任しています。
  一般的なサラリーマンと比べ、リスキーではありますが、退屈しない人生を送っています。
  50 代後半の今、作業者としては、かなりレベルが落ちてきました。
  特に肉体作業のスピードは、全盛時と比較になりません。

 

 反対に、判断力や決断力、発想力など、経営者に求められる能力は、向上しました。
 これは、職業経験と人生経験を、積み重ねた結果ではないでしょうか。
 仕事上、起きることは、おおむね結果が、予測できるようになりました。
 努力さえ怠らなければ、人生のピークを、60 代以降まで遅らせることができるかもしれません。

 

 経営者と言っても、大企業の取締役になるのは、ほぼ不可能。
 しかし個人事業者や中小企業の社長であれば、自分の意思でスタートさせることができます。
 サラリーマンの方も、第 2 の人生の選択肢に、加えられてもよい かもしれません。
 生き甲斐を感じながら、小さな事業を経営することができれば、ちょっと贅沢な人生になるかもしれません。

 

 

10.最終的に成し遂げたいことは何か ?

 

 1 日を無駄に過ごすと、1 日が長く感じられます。
 反対に、1 日を夢中に過ごすと、1 日が短く感じられるものです。
 ところが、人生という単位で見ると、逆の結果になります。
 つまり、何かに夢中になった方が、人生を長く感じることができます。

 

 この違いは、「成し遂げたことがあるかどうか」 による、のではないでしょうか。
 人生を無駄に過ごすと、「成し遂げたこと」 もなく、鮮明な記憶として、残るものがありません。
 反対に、何かに夢中になって、「成し遂げたこと」 があれば、鮮明な記憶として、心に刻まれます。
 特に、苦しいことを乗り越えた経験は、記憶として深く刻み込まれるようです。

 

 ドラッカーの言葉、「何によって人に憶えられたいかね」。
 言い換えれば、「残りの人生をかけて、何を成し遂げたいのか」 ではないでしょうか。
 そのために 「選択肢」 と 「可能性」 を、拡げておくことが、「50歳までの準備」 かもしれません。
 以上、これまでの人生の中から、経験したこと、感じたことについて、お話ししました。

 


  ※ 参考文献 
  P.F.ドラッカー著 仕事の哲学

 

  ※ 関連記事 

   「20 歳から始める自分のマネジメント」 → こちら 

   「30 歳から始める社会人のための勉強」 → こちら 

   「人生は 35 歳で決まるのか ?」 → こちら (前回のテーマ)

    「人生100年時代は、40代までに起業する」 → こちら

    「50 歳  第2の人生を考えるとき」 → こちら

     「50代、初めての起業」 → こちら

     「高学歴を活かせない人」 → こちら 

人生は35歳で決まるのか?  2017.06.07

1.人生の節目は、何歳なのか ?

 私は50代後半の人間です。
 気づいた時には、この年齢になっていた・・・という感じですが。
 振り返れば、「節目」 と感じられた年もありました。
 それは、20 歳、35 歳、50 歳。

 

 20 歳は、未成年期と訣別すべき時期。
 35 歳は、仕事で急に成果があがり始めた時期。
 50 歳は、人生にも終わりがあることを、初めて実感させられた時期。
 その他の年齢においては、何も感じることなく、通過しました。

 

 これらの年齢を基に、50歳までの期間を、以下の3つに区分してみました。
 ■ 0 〜 19 歳 ・・・ 未成年期  ■ 20 〜 34 歳 ・・・ 社会人 Ⅰ 期  ■ 35 〜 49歳 ・・・ 社会人 Ⅱ 期
 今回のテーマは、社会人 Ⅰ 期 (20 〜 34歳)、つまり 35 歳までの過ごし方について。
 あくまで私自身の経験を基にしていますので、個人差もあると思います。

 

 

2.未来から逆算して、現在の過ごし方を計画する

 

 社会人 Ⅰ 期(20 〜 34 歳) は、どのように過ごすべきでしょうか。
 この期間のゴールは 35 歳です。

 だから 「 35 歳以降の人生の準備」 をすべきでしょう。
 そのためには、35 歳という年齢の意味を、まずは理解したいものです。

 

 同じように、社会人 Ⅱ期 ( 35 〜 49 歳)は、どのように過ごすべきでしょうか。
 この期間のゴールは 50 歳です。

 だから 「 50 歳以降の人生の準備」 をすべきでしょう。
 そのためには、50 歳という年齢の意味を、まずは理解したいものです。

 

 目的や目標もなく歩いていると、どこに行き着くのかわかりません。
 人生も、目的や目標がないと、無駄に過ごしてしまいます。

 「今、何をすべきか」 は、ゴールから逆算すれば、見えてきます。
 つまり、常に未来を見据えて、今を生きる のがよいのではないでしょうか。

 

 

3.35 歳という年齢の意味

 

 今から 10 年以上も前のことですが ・・・
 「人生は 35 歳で決まる」 といった内容の本を、読んだことがあります。
   確かに、当時の中途採用の年齢制限は、35 歳がほとんどでした。
 人生は本当に 35 歳で決まるものなのでしょうか。

 

 私は 33歳 で、税理士登録しました。
 しかし、成果があがり始めたのは、35 歳以降 です。
 顧客に対して、同じ説明をしても、受け止められ方が、大きく変わったのが、この時期です。
 その勢いを借りて、36 歳で独立開業しましたが。

 

 当初の 2 年間は、何が原因だったのでしょうか。
 それは 「人間的な未熟さ」 「人生経験不足」 だったと、考えられます。
   50 代にもなれば、40 代の時点の自分でも、未熟に感じますが ・・・

 世間一般的には、35 歳が、その境界線 なのかもしれません。

 

 

4.社会人 Ⅰ 期 (20 〜 34 歳) の過ごし方

 

 社会人 Ⅰ 期 (20 〜 34 歳) は、重要な時期と、私自身も考えています。
 なぜなら、人生全体に最も大きな影響を及ぼすからです。
 もし未成年期に、学校の成績がよかったとしても、この時期に努力を怠ると、才能を生かすことができません。
 また、この時期に努力すれば、未成年期のマイナス点 (生い立ちや学歴など) は、帳消しになる可能性が高いものです。

 

 ポイントは、「成功 (出世や収入) 」 に、こだわらないこと。
 なぜなら、「成功」 は、社会人 Ⅱ 期 (35 〜 49 歳) のテーマ。

 社会人 Ⅰ 期 (20 〜 34 歳) は、「成功するためのプロセス」 を修得することが、テーマだからです。
 失敗を恐れずに、与えられた課題に対して、精一杯、努力することです。

 

 自分独自の成功方法を、モノにするためには、数多くの経験と、膨大な時間を要します。
 「挑戦 → 失敗 → 反省 → 改善 → 再挑戦」 を、ひたすら繰り返して、成功までたどり着きましょう。
 さらに努力する習慣も、身につけなければいけません。
 この時期を無駄に過ごすと、35 歳以降で挽回するのが難しくなるので、注意が必要です。

 

 

5.20 代前半のテーマは 「自立」

 

 社会人 Ⅰ 期 (20 〜 34歳) は、5 年ごとに、 3 つの期間に分けることができます。
 ■ 20 代前半 (20 〜 24歳)  ■ 20 代後半 (25 〜 29 歳)  ■ 30 代前半 (30 〜 34歳)
 20 代前半 (20〜24歳)は、未成年期と訣別する時期です。
 つまり保護される立場を卒業して、自立を確立すべきです。

 

 何故、自立が必要なのでしょうか。
 それは、自分の力で生きていかなければならないという自覚が、成長を促す からです。
 つまり、自分に対して成長を求める意識が強くなります。
 その結果、眠っていた能力が、どんどん高まっていきます。

 

 たとえば人生には努力が必要ですが、努力の方向性が間違っていると、不毛な結果をまねきます。
 しかし自立して、真剣に生きるようになると、判断力も高まっていきます。
 判断力が高まるにつれ、「努力の方向性」 の見極めも、正確さが増していきます。
 20 代前半にスタートさせるテーマは、「自立」 以外、ありえません。

 

 

6.20 代後半のテーマは 「職業の選択」

 

 20 代後半は、一生の職業を決める時期です。
 ドラッカーも 「最初の仕事はくじ引き」 「最初から適した仕事に就く確率は高くない」 と述べています。
 もちろん転職も含め、「一生、続けられそうな仕事」 かどうかを、検討してみましょう。
 この 「職業の選択」 において、20 代前半から鍛えてきた 「判断力」 が役に立ちます。

 

 「判断力」 と共に鍛えたいのが、「決断力」 です。
 両者は混同されやすいので、違いを知っておきましょう。
 「判断力」 とは、複数の中から、選択する能力。

 つまり 「最も正しいものを、複数の候補の中から選ぶ能力」 です。

 

 「決断力」 とは、正しいかどうかではなく、自分で決定したり、行動することを決める能力。
 つまり 「やるということを決める能力」 です。
 判断力はあっても、決断力がないと、転職のチャンスを逃します。
 反対に、決断力はあっても、判断力がないと、転職に失敗します。

 

 

7.30 代前半のテーマは 「成功の準備」

 

 30 代前半は、成功する方法の基礎を修得する時期です。
 成功、つまり成果が手に入る時期が、間近に迫っています。
 20 代後半までに選んだ職業で、大きく飛躍するための準備を、本格化しなければならないからです。
 とにかく与えられた課題に対して、真剣に取り組むべきでしょう。

 

 成功する方法を修得するためには、努力に関して重要な要素があります。
 ① 何を、 ② どんな方法で、 ③ どれだけ、④ 努力できるのか。
 ① 〜 ③ は判断力、④ は決断力が問われるでしょう。
 20 代からスタートした準備が、ここで問われます。

 

 成功する方法は人それぞれ、自分独自の方法を、構築しなければいけません。
 そのためには、膨大な時間を要します。

 失敗しても、メゲない、懲りない、くじけない ・・・ 反省と挑戦を、ひたすら繰り返しましょう
 私も条文の読み方、税務調査の受け方、仕事の進め方など、基本はこの時期にマスターしました。

 

 

8.成長の妨げになるもの

 

 10 代までは優秀だったのに、社会に出た後、成果があがらない人。
 反対に、若い頃は今ひとつだったのに、年齢とともに成果をあげていく人。 
 この違いは、どこから生まれるのでしょうか。

 最も大きな原因は、「自立」 しているかどうか ・・・ ではないでしょうか。

 

 年齢と共に、取り組むべき課題は、異なります。
 次々に訪れる課題に対して、真剣に取り組むことが、成長につながると考えられます。
 つまり今の課題に集中すること。

 しかし、自立していない人は、今ではなく、過去 (未成年期) に引きずられがちです。

 

 たとえば 30 歳を過ぎても、10 代の頃の友人たちと、日常的なつき合いを続けたり ・・・
 未成年期の、趣味や遊び中心の生活から、離れようとしない人もいます。
 このような過ごし方をしていると、努力をする習慣も身に付きません。

 35 歳以降で成功する可能性も、低くなる のではないでしょうか。

 

 

9.人生は 35 歳で決まるのか ?

 

 20 〜 34 歳の過ごし方によって、人生はある程度、決まる。
 私は、このように考えています。
 重要なことは、その間に、成功したかどうかではなく ・・・

 成功するまで努力する習慣を身につけるなど、成功するためのプロセスを修得したかどうか、ではないでしょうか。

 

 そのプロセスとしては ・・・
 「自立 → 職業の選択 → 成功の準備」 と考えています。
 これによって、35歳以降の飛躍に、備えることができます。
 「成功の方法よりも成功そのもの」、つまり 「仕事よりも収入」 に執着すると、小さな成功で終わるため、注意が必要です。

 

 もし35歳の時点で、合格レベルであったとしても、油断すべきではありません。
 35 歳以降は、さらに大変なハードルが、待ち受けているからです。
 次回のテーマは、社会人 Ⅱ 期 (35 〜 49 歳) の過ごし方。

  「 50 歳以降の人生の準備」 です。

 


  ※ 参考文献 
  P.F.ドラッカー著 仕事の哲学

 

 ※ 関連記事 

   「20 歳から始める自分のマネジメント」 → こちら 

   「30 歳から始める社会人のための勉強」 → こちら 

    「人生100年時代は、40代までに起業する」 → こちら

   「50 歳までに準備しておくこと」 → こちら (次回のテーマ) 

   「50 歳  第2の人生を考えるとき」 → こちら

     「50代、初めての起業」 → こちら

     「高学歴を活かせない人」 → こちら 

人手不足は生産性向上で乗り切る  2017.03.13

1.人手不足を解消するためには生産性向上

 

  「コストダウン」 と 「生産性向上」。
 この2つは、ケースによって、使い分ける必要があります。

 収益率が悪化したケースであれば、不足しているのは 「人」 ではなく 「お金」。
 「コストダウン」 と 「生産性向上」 の 2 つを、同時に進めると、大きな効果が期待できます。

 

 ところで、現在は深刻な人手不足のケース。
 仕事はあるのに、それを行う人がいない。

 つまり、不足しているのは 「お金」 ではなく 「人」。
 だから 「コストダウン」 の問題と、とらえるべきではありません。

 

 課題は 「今いる人たちで、今取れる仕事を、いかにこなしていくのか」。
 つまり 「生産性向上」 のみの問題 です。
 今回のテーマはこの 「生産性向上」。
 ドラッカーが残した 「知恵のある言葉」 に沿って、進めてみましょう。

 

 

2.肉体労働を減らすと生産性が向上する

 

 ドラッカーは次のように述べています。

 

 生産性向上は、肉体労働によっては、実現されない。
  逆にそれは、肉体労働をなくす努力。
  肉体労働を他のものに、置き換える努力によってもたらされる。

 

 肉体を生かして、価値を生産するのが 「肉体労働」。
 知識を生かして、価値を生産するのが 「知識労働」 と、ドラッカーは呼んでいます。

 生産性向上という観点から見ると、肉体労働ではすぐに限界が訪れます。
 1 時間に 100 個、生産できる人が、1 時間に 200 個、コンスタントに生産するのは不可能です。

 

 知識労働の場合は、どうでしょうか。
 たとえば、効率のよい生産方法に変える。
 それだけで、生産量を 2 倍以上に引き上げることも可能になります。

  だから、自社の仕事の中身を検討し、肉体労働から知識労働へ移行させる 必要があります。

 

 

3.メンバーの意識を変える

 

 ドラッカーによれば ・・・
  「知識労働者の生産性を向上させる条件は、大きなものだけで 6 つある」 そうです。

 

 ① 仕事の目的を考えさせる。
  ② 生産性向上の責任を負わせる。
  ③ イノベーションを行わさせる。
  ④ 「量よりも質」 が問題であることを理解させる。
  ⑤ 継続して学ばせ、教えさせる。

  ⑥ 彼らを 「コスト」 ではなく 「資産」 として遇する。

 

 中身を分けると ・・・
  ⑥ は経営者自身が実行すべきことと、言えます。
 ①〜④ は、メンバーに実行させること。
  さらに ⑤ には、「① 〜 ④ を継続させるべき」 と述べられています。

 

 

4.生産性の低い肉体労働者タイプ

 

 肉体労働から知識労働への移行は、実行部分だけではありません。
 メンバーの意識部分も、肉体労働者タイプから、知識労働者タイプへと、移行させる必要があります。
 そうしなければ、社内で強い抵抗にあい、知識労働への移行は、挫折してしまいます。

  前述の ① 〜 ④ から浮かび上がる 「肉体労働者」 タイプとは ・・・

 

 ① 仕事の意味や目的を考えない。
  ② 成果が低くても、労働時間分の賃金を求める。
  ③ 変化を嫌い、現状に固執する。
  ④ 仕事や勉強について、質 (生産性) よりも、量 (努力量) を意識する。

 

 たとえば、日本企業の賃金は、成果給ではなく、時間給 × 労働時間 で決まります。
 また年数を経るにつれ、賃金は上がる仕組みになっています。
 これは工業が中心だった 「単純肉体労働時代の遺物」 と、言われています。

 つまり 工場の流れ作業において、経験年数が同じなら、誰の生産量もほぼ同じことが、前提 になっています。

 

 

5.賃金体系を改める

 

 生産性を高めるためには、組織内の体質を、変えなければいけません。
 そこで 従業員に対して、効果的なシグナルを送る 必要があります。
  これについて、ドラッカーは次のように述べています

 

 組織内の人間にとって、報酬や報酬システムほど、強力なシグナルはない。
  報酬は金銭的な意味あいをもつだけではない。
  トップの価値観を教える。
  自分にいかなる価値があるかを教える。

  いかなる位置づけにあるか、いかに認められているかを教える。

 

 まずは、組織がどのようにな考えと行動を求めているのかを、明確に示す。
 さらに、それに基づいた評価方法を、明らかにする。
  それによって、賃金が増減することを、明確にする。

  つまり 賃金体系の見直し が必要になります。

 

 

6.「証明できるもの」 で評価する

 

  評価要素には、目に見えるもの、かつ数値で測定できるものがベスト です。
 営業職の評価であれば、販売数や、達成利益、新規開拓数など。
 これらで 100% 評価できれば、説得力もあります。
  しかし、それだけでは組織内の空気が殺伐としてしまう恐れもあります。

 

 やはり 目に見えない部分も、評価すべき ではないでしょうか。
  たとえば後輩の指導や、他部門への協力、備品の取扱いなど。
 ところで、これらを数値化するには、どうすればよいのでしょうか。
 この点について、ドラッカーは次のように述べています。

 

 人事評価は、「証明済みの仕事ぶり」 だけに焦点を合わせなければならない。
  潜在能力、人柄、将来性などは、証明できるものではない。
  これらに焦点を合わせた人事評価は、力の濫用である。

 

 

7.人選において注意すべきこと

 

 ドラッカーは、人選について、次の注意を促しています。

 

 追従や立ち回りのうまい者が昇進する。
  このような状態では、組織そのものが、業績のあがらない追従の世界となる。
  公正な人事のために、全力を尽くさないトップマネジメントの弊害である。
  それは業績を損なうリスクを冒すだけではない。
  組織そのものへの敬意を損なっている。

 

 またトップ候補の人選についても、言及しています。

 

 優れた者ほど間違いは多い。
  それだけ新しいことを試みるからである。
  一度も間違いをしたことのない者、それも大きな間違いをしたことのない者。
  このような者を、トップレベルの地位に就かせてはならない。
  間違いをしたことのない者は、凡庸である。
  いかにして間違いを発見し、いかにしてそれを早く直すかを知らない。

 

 

8.評価ほど難しいものはない

 

 私自身も従業員の評価については、人一倍、悩んだ方です。
  ドラッカーの次の言葉が、心底、身にしみています。

 

 かなりよいといえる報酬システムさえ、つくることは難しい。
  できることは限られている。
  間違った行動を褒めてはいけない。
  間違った成果を強調してはならない。
  間違った方向へ導いてはいけない。
  これらに気をつけることだけである。

 

 評価方法を変えることは、組織にとって手術とも言えます。
 ドラッカーは組織改革について、次のように述べています。

 

 組織改革を手軽に行ってはいけない。
  それは手術である。
  小さなものでも危険が伴う。
  たびたびの組織改革は退けなければならない。
  もともと完全無欠の組織はない。
  ある程度の摩擦、不調和、混乱は覚悟しておかなければならない。

 

 

9.人のマネジメントと仕事のマーケティングの共通点

 

 ドラッカーによれば、マーケティングの理想は、販売 (売り込み) をなくすこと。
 つまり 「勝手に売れる仕組み」 を作ることです。
  「人のマネジメントも、マーケティングと同じ」 と述べています。

 つまり 「勝手に応募してくる仕組み」 を作る ことです。

 

 人をマネジメントすることは、仕事をマーケティングすることを意味する。
  相手が何を望むか、相手にとっての価値は何か。
  目的は何か、成果は何かである。
  マーケティングの出発点は、組織が何を望むかではない。

 

 つまり働く人が望む会社を作ればよい。
  このような答を導くことができます。
  しかし、すべての条件を満たすことはできません。

 そこで検討すべきは、「当社が望む人材が求めるものは何か」 ではないでしょうか。

 

 

10.知識労働者が求める職場環境を整える

 

 話を最初に戻すと、当社は肉体労働を減らさなければいけません。
 そして知識労働を増やしていく。

 そのためには 知識労働者に選ばれる組織を目指す こと。
 ドラッカーは次のように述べています。

 

 どこまで知識労働者を惹きつけ、とどまらせ、やる気を起こさせるか。
  知識を基盤とする新産業の成否は、ここにかかっている。
  彼らの価値観を満足させ、社会的な地位を与え、社会的な力を与える。
  これによっ活躍してもらわなければならない。
  そのためには、部下ではなく、同僚として、遇さなければならない。
  高給の社員ではなく、パートナーとして、遇さなければならない。

 

 今いるメンバー全員が、生産性を 10% 高める。
 それだけで、人手不足の問題は、しばしば解決するものです。
  その解決のために用いるツールが、「生産性向上」。
 経営者として、その技術を高めたいところです。
 

 

 ※参考文献

 P.F.ドラッカー著 経営の哲

よいアイデアに出会うコツ  2016.12.26

1.よいアイデアに出会うコツ

 

 私は税理士として、毎日のように、様々なご相談を受けています。
 おかげで、解決すべき問題を、常に複数抱えています。
 しかも、期限付きのものがほとんどです。
 そこで問われるのが、問題解決能力。

 

 ある日、突然、よいアイデアが浮んできて、いかなる難問も、瞬時に解決に向かう。
 このような夢のようなことを、若い頃からずっと期待してきました。
 さらに経験を積みながら、改善を重ねた結果 ・・・
 ある方法にたどり着きました。

 

 今回のテーマはその方法。
 つまり 「よいアイデアに出会うコツ」。
 アイデアについては、多くの方がご苦労されていることでしょう。
 参考になることが、1つでもあれば幸いです。

 

 

2.私が求めるアイデアとは?

 

 まずは、私が求めるアイデアについてお話しします。
 持ち込まれる問題の中には、必ず対立があります。
 たとえば 「納税者と税務署」、「相続人Aさんと相続人Bさん」、「顧客と業者」 など。
 また 1 人の人の中に、「理想と現実」 の対立があることも、少なくありません。

 

 AとBの間で対立が起きた場合 ・・・
 一方的にAが有利な案を 「第1の案」、一方的にBが有利な案を 「第2の案」 とすると・・・

 両者のように、何れか一方に偏った結論は、次の対立を生みやすい ものです。
 そこで、私が求めているのは、「第3の案」。

 

 「第3の案」 とは、両者が問題を終結させ、生産的な活動に専念できる ものです。
 それは妥協案でありながら、双方にメリットがなければいけません。
 「第1の案」 や 「第2の案」 のように、単純なものではないので、発想に飛躍が求められます。
 つまり、私が求めているのは 「飛躍的なアイデア」 です。

 

 

3.アイデアは無理に引き出すものではない

 

 若い頃はアイデアを引き出そうと、四苦八苦しました。
 強く念じてみたり、逆立ちしてみたり、足をつねってみたことさえあります。

 しかし、一向に、よいアイデアなど浮かんできません。
  当たり前と言えば、当たり前ですが。

 

 実は、ここに致命的な間違いが ・・・
 アイデアとは 「無理に引き出すもの」 ではなく 「勝手に浮かぶもの」 でした。
 ただし準備が必要です。
  準備さえ怠らなければ、アイデアは勝手に浮かんでくるものなのです。

 

 この 「準備をすることによって、結果を導く方法」 は、他のことにも応用 することができます。
 たとえば、「よい仕事に出会う」 「よい人に出会う」 「よい本に出会う」 など。
 マスターされれば、今まで諦めていたことに、希望の光が見えるかもしれません。
 まずは 「アイデア」 について。

 

 

4.アイデアの芽は、植物の芽に似ている

 

 アイデアのヒントは 「アイデアの芽」 と呼ばれるように ・・・
 植物にたとえるとわかりやすい ものです。
 植物を発芽させるとき、何を準備するのでしょうか。
 それは 「豊かな土壌」 です。

 

 土壌とは、土地の表面にある 「土」 のこと。
 土を豊かにするためには、肥料や水を与えます。
 アイデアにとって、「肥料や水」 に当たるのが 「知識・情報」 です。

 だから、アイデアの芽を出すためには、頭 (土) に知識・情報 (肥料や水) を与える 必要があります。

 

 このように考えると、準備もせず、無理にアイデアを引き出そうとするのは ・・・
 やせた土壌に種をまき、種の片隅を、無理に引っ張り出そうとするのと同じ です。
 よいアイデアが浮かぶことなど、絶対にありえません。
 強く念じる、逆立ちする、足をつねるなど、何れも効果がないのは、当然のことでした。

 

 

5.具体的な手順

 

 私が具体的に実践している手順は、以下のとおりです。
 まずは 大型書店に出かけ、関係本を 10 冊前後、購入します
 足りなければ、ネットで購入します。
 そして、ひたすら読み続けます。

 

 最初から内容をまとめようとせず、インプットに努めます。
 なぜなら人間の脳には、優れた能力があるからです。

 無作為に入れた知識や情報を、睡眠中に整理する そうです。
 自分でまとめようとすると、固定観念や先入観が邪魔をするので、あえて脳に任せます。

 

 この能力を、さらに早く、さらに精度を高めるコツがあります。
 それは 「自分が何を求めているのか」 を、明確にしておく こと。
  「必ず正解にたどり着く」 と信じること。
  すると脳はその指示に従って、迷うことなくゴールを目指します。

 

 

6.アイデアの芽を表に出すための最終仕上げ

 

 水や肥料を与え続けると、やがて土は固まってきます。
 そこで土を耕して、空気を送り込むと、発芽しやすくします。
 脳を 「耕す」 ためには、脳に刺激を与えること。

 つまり 「緊張状態」 と 「リラックス状態」 を繰り返す ことです。

 

 ① まずは 「緊張状態」 をやめる
 ② 1人で静かに過ごしたり、家族や友人との交流などで 「リラックス状態」 をつくり出す

 ③ 趣味やスポーツなど、異なることに熱中して 「緊張状態」 をつくり出す  
 これらを繰り返していると、ある日、突然、アイデアが浮かびます。

 

 私の場合、入浴中または散歩中 (何れも午前10時まで) に、アイデアが浮かぶことが、少なくありません。
 注意すべきは、早くメモを取らないと、忘れてしまうこと。
 アイデアが浮かぶパターンは、人それぞれでしょう。

 自分のパターンを発見すれば、意図的にそのシーンを増やす ことができます。

 

 

7.アイデアの質は何で決まるのか?

 

 浮かんでくるアイデアの 「質」 は、インプットした知識や情報の 「質」 に左右されます。
 優れたアイデアが欲しければ、質のよい知識や情報をインプットする こと。
 逆に質の悪い知識や情報をインプットすると、身を滅ぼすようなアイデアが生まれる可能性もあります。
 その点には注意が必要です。

 

 たとえばお金儲けについて。
 詐欺やインチキと言える本も、山ほどあります。
 このような知識や情報をインプットすると、ロクな結果を招きません。
 知識や情報の選択能力には、個人差があるため、自信のない人は信頼できる人に、アドバイスを求める べきです。

 

 私が行き着いた結論は、時間を経ても、なお世界的な名著として残っているもの。
 これらは外れが少ないと言えます。
 「楽をして儲けたい」 という気持ちが強いと、印税や名声を得るために書かれた本に騙されがちです。
 ベストセラー本や、経済評論家の著書を信じて、多額の財産を失った人も少なくありません。

 

 

8.この方法に適した人

 

 よいアイデアを導くためには、準備をします。
 この 「準備をして結果を導く方法」 は、他のことにも応用 できます。
 たとえば、「よい仕事が入る」 「よい人に出会う」 「よい本に出会う」 など。
 共通するのは、「自分自身を充実させれば、自ずとよい人生が開けてくる」 とも言えます。

 

 ただし 「100%よい結果が出る」 とか 「○○の法則」 などと言った万能のものではありません。
  しかし、やらないよりは、はるかにマシ。
 改善を重ねるごとに、結果はよくなっていく。
 このようなものてす。

 

 だから目先の結果を追い求める人や、目先の費用対効果に囚われる人。
 つまり、「小さな成功」 や 「短期的な成功」 で終わればよい人には向いていません。
 努力が報われなくても、努力に価値を見いだせる人。

 つまり、ある程度 「大きな成功」 や 「長期的な成功」 を成し遂げる人向け です。

 

 

9.ラッキーをモノに 「できる人」 と 「できない人」 の違い

 

 税理士試験の合格率は、 1 科目当たり 10 〜 15% 程度。
 全 5 科目合格までたどりつく確率は約 2%。

 合格のポイントは、頭の良し悪しではなく、やるべき勉強をしたかどうか。
 その量があまりに多いため、98% の人は途中で挫折します

 

 このような試験でさえ、実はラッキーな年があります。
 あまりに簡単な問題が出題され、首をかしげてしまいます。

 しかしその ラッキーの恩恵にあずかれるのは、一定のレベルまで実力を高めた人まで です。
  つまり一定レベルまで準備をした人。

 

 反対に 準備不足の人は、ラッキーな年でさえ不合格。
 翌年以降、つらい受験生活が、再び始まります。
 「最低どこまで準備をすれば、ラッキーを拾えるのか」 を見極めることができれば、人生は効率のよいものになります。
 このような勘も養うべきかもしれません。

 

 

10.よい仕事とよい人に出会うコツ

 

 税理士は税金の専門家です。
 しかし税金の範囲は膨大であり、さらに奥が深いものです。 

 だから、目先の仕事だけで精一杯。
 この繰り返しで、一生が終わりがちです。

 

 そこで時間をやり繰りして、新しい分野の勉強をすると ・・・
 よいタイミングで、その分野の仕事に出会うことがあります。
 実は不思議なことではないのかもしれません。

 準備することによって、目前を通り過ぎていた仕事を受けられる ようになっただけ、なのかもしれません。

 

 また理想の人間像を求めて、勉強や経験を積んで、自分を高めていると ・・・
 同じ方向を目指す人や、目標になる人に出会うことがあります。
 これも不思議なことではないのかもしれません。

 準備することによって、無数の人の中から、理想に近い人を見抜ける ようになっただけ、なのかもしれません。

 

 

11.よい本に出会うコツ

 

 私は年間 100 冊程度、ビジネス書を購入します。
 しかし 「よい本に出会う確率」 に関しては、波があります。
 だから 100 冊も購入してしまう訳ですが ・・・
 この反省のもとに、本の購入についても、検討を重ねてきました。

 

 これまでの経験から・・・
 よい本を手にする確率が高いのは、自分自身の気力が充実している時期 に限られます。
 つまり明確な目標に向かって、一路邁進しているとき。
 本を購入するケースでは 「気力の充実」 が準備に当たります。

 

 これも 準備することによって、無数の本の中から、必要な本を見抜ける ようになっただけ、なのかもしれません。
 なぜなら 「無数の本がある」 という現実は、常に変わらない訳ですから。
 このように準備と結果の関係に気づくと、人生をコントロールしやすくなります。
 あれこれ悩むことなく、有効な目的に向かって、準備に取りかかることができます。

 

 

12.よい結果に必要な思考回路

 

 最後に 「どのような準備をすべきか」 について、お話しします。
 前述したように、準備を間違えると、不幸な結果をまねきます。

 だから 準備を選択する前に、自分自身の思考回路を確認する 必要があります。
 私は思考回路を、次の 2 つに分けて考えます。

 

 ① 今の自分を出発点に物事を考える
 ② 求める結果から逆算して、自分はいつ何をすべきか、どこまで到達すべきかを考える

  の思考回路を持つ人は、自分に囚われるため、努力の方向性を間違えやすいものです。
  必ず ② の思考回路によって、必要な準備を選択すべき でしょう。

 

 多くの人が大成しない原因は、努力の中断にあります。
 努力を中断する理由は、努力が報われないことにあると考えられます。

 努力を報われやすいものにすれば、疲労感はやり甲斐に変化し、さらに努力を続け、より高いレベルを目指します。
 まずはアイデアから試されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 ※参考文献 
   過去 30 年間に読んだ多数の書籍。ただし書名等は忘れました。

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1960年生まれ 名古屋市出身 1989〜1993年 税理士試験 法人税法、消費税法、事業税、簿記論、財務諸表論、全5科目合格
 
1994年税理士登録 日本税理士会連合会 登録番号 税理士法人3430 税理士78397 名古屋税理士会名古屋北支部所属

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