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税理士法人 今井会計事務所

続11 「 嫌われる勇気 」 人生が変わるアドラー心理学  2015-02-27

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160.「時間の使い方」 が、成否を分ける      2015.02.27

 

 自分の 「成長スタイル」 を、確立するためには、 「時間の使い方」 が、ポイントになります。
 あらゆる人にとって、1 日は、24 時間です

 そこから、生活のための時間を、差し引くと、一体、何時間、残っているでしょうか。
 この 残った時間を、成長のために、有効に使えるかどうかが、成否を分ける のではないでしょうか。

 

 時間の量が、一定であれば、時間の質を、高めるしかありません。
 時間の質を高めるためには、 「集中力を高める」 必要があります。
 集中力は、体調の影響を、少なからず、受けているものです。

 だから、自分の体調と、集中力との関係を、注意深く、観察 してみましょう。  

 

 私の場合、集中力が、最も、高まるのは、「目覚めた後 2 時間」 です。
 実は、これまで、本気で努力したことは、たったの2回しかありません。
 1 回目が、28 歳からの、約 5 年間 ・・・ 税理士試験、受験のため。
 2 回目が、46 歳からの、約 5 年間 ・・・ 税理士事務所の経営改革のため。  

 

 この 2 回ともに、夕食後 2 時間の仮眠を、利用 しました。
 これによって、集中力が高まる時間帯を、1 日に 2 回、2 時間ずつ、設けることができました。
 さらに、この効果で、「仕事 7 時間 + 勉強 7 時間」、という生活を、続けることもできました。
 ただし、健康的な生活ではないので、何れも、5 年以内で、切り上げています。  

 

 また、集中力が続かないときは、無理に、考えない ようにしています。
 なぜなら、疲労感、無力感、絶望感などに、襲われるからです。
 これらの感覚が、潜在意識に残ると、その後の勉強に、悪影響を及ぼします。

 それでも、有効に過ごしたいときは、単純作業に、とどめるべきでしょう。  

 

 疲れがたまってきたら、思い切って、休憩するのが、一番です。
 どんな過ごし方をすれば、効率よく、短時間で、自分をリフレッシュさせられるのか を、知っておくことです。
 また、休憩するときも、罪悪感を持ったり、漠然と過ごしては、いけません。
 仕事や勉強と同じように、主体性をもって、「休むときは、一所懸命、休む」 「眠るときも、一所懸命、眠る」 を、心がけましょう。

 

 

61.「思考回路のクセ」 を、知る      2015.03.01  

 

 以前、どこかのニュースで、聞いた話です。
 人間の脳には、実は、ものすごい量の記憶が、残っているそうです。
 目に入った景色を、すべて覚えていたり、言葉を覚える前に、聞いた言葉まで、覚えているなど。

 問題は、その 「記憶の引き出し方」 に、ある そうです。

 

 つまり、人間には、1 人 1 人、隠れた能力が、山のようにあります。
  もし、その能力を、うまく、引き出すことができれば、成長速度を速められる、可能性があります。

  そのためには、自分の 思考回路のクセを、知る ことも、重要なテーマの 1 つ、ではないでしょうか。
 自分のクセに合った方法で、努力すれば、能力を引き出しやすいからです。  

 

 私の場合、理詰めで、結論を導き出すタイプでは、ありません。
 周辺知識を、吸収していくと、ある日、突然、アイデアが、降ってきます。

 そして、後で理由を推測する ・・・ まさに 「目的論」 の世界 ですね。
  だから、新たな課題を見つけると、まずは、関係がありそうな本を、片っ端から、読むことにしています。  

 

 あるセミナーで、講師が言っていました。
 目の前で、両手を握り、次に、目の前で、両腕を組む。

 もし、右手の親指が手前なら、左脳でインプットし、右腕が上なら、左脳でアウトプットする そうです。
 もちろん、右半身を左脳、左半身を右脳が担当し、左脳は論理的、右脳は感覚的である ・・・ ということが、前提です。  

 

 この方法によれば、私は、右脳で、感覚的にインプットし、左脳で、論理的にアウトプットしている、ことになります。
 そう言えば、子供のころ、「理屈っぽい」 と、通知表に書かれていました。
 また、理由を、後づけすることが、少なくないことも、自覚しています。

 真偽のほどは、定かでありませんが、自分の思考回路の、クセを知るヒント になれば、幸いです。  

 

 思考回路のクセは、人それぞれですが、成長すると、お互いに、理解し合える ようになります。
  たとえば、悲観的に考える傾向がある人は、楽観的に考えるように、努めています。
 楽観的に考える傾向がある人は、悲観的に考えるように、努めています。
 両者とも、異なるプロセスを歩みますが、成長した後は、現実的に物事を考えられるように、なるのではないでしょうか。

 

 

62.最後の1秒まで、「成長」 を目指す      2015.03.02

 

 アドラー心理学によれば、亡くなる 2、3 日前まで、生まれ変われる、そうです。
 成長とは、よい方向へ、生まれ変わることだと、私は理解しています。
 だから、亡くなる 2、3 日前まで、成長することが、できることになります。
 さらに、ピンピンコロリで、亡くなる場合は、最後の 1 秒まで、成長することが、可能 と言えます。

 

 以前も、お話ししましたが、成長すると、人生が、どんどん、楽しくなります。
 この 「楽しくなる」 には、「楽になる」 と 「面白くなる」 の、2つの意味があります。
 さらに、この 「楽」 は、「つまらないことから解放される」 という意味です。
 決して、「安楽」 という意味ではありません。  

 

 私の周囲には、50 代以上になっても、成長速度を、ゆるめない人たちがいます。
 特徴としては、非常に、好奇心が旺盛。
 ある人は、60 代半ばでも、大変、よく勉強をされています。
 若者を真似て、スマホをいじったり、妙な略語を使うのとは、本質的に違います。
 

 

 私は、年長者の方から、いろいろなことを、学びます。
 将来、自分が通る道なので、あらかじめ、知っておくべきことも、少なくありません。
 老化や健康の面では、60 代以降で、個人差が拡大することが、わかりました。
 そこで、50 代から、これに備えるために、週末は、欠かさず、歩いています。
 

 

 身近な人から学ぶ場合、注意すべきことは、近づきすぎない、ことではないでしょうか。
 人には、それぞれ、短所もあります。
 もし、節度もなく、近づけば、崇拝するタイプの人は、その人の悪い面まで、真似てしまいます。
 反対に、自己愛の強い人は、他人を認めたくないので、一所懸命、他人の短所を、探しているからです。
 

 

 「課題の分離」 を、マスターすれば、他人と適度な距離を、保てるようになります。
 その中で、他人のよい所だけを、参考にすべきでしょう。

 相手が、自分と、まったく異なるタイプであっても、学ぶべきものはあります。
 前向きな生き方や、努力、責任感など、成長のために、役立つことは、どんどん吸収しましょう。

 


  E.勇気を、身につける

 

 

163.なぜ、嫌われる 「勇気」 だったのか?      2015.03.03

 

 私は、1960 年、生まれです。
 若い人は、ご存じないかもしれませんが、1970 年代くらいまでは、日本でも、「勇気」 が、重んじられました。
  特に、男性には、欠かせないものだったらしく、勇気が足りないと、非難を浴びることさえ、ありました。
 だから、「勇気ある男」 を目指して、涙ぐましい努力をした人も、少なくありません。

 

 たとえば、モリモリの筋肉を、勇気の証として、トレーニングに励んだ人たち。
 また、高倉健さんや、矢沢永吉さんの、言葉や態度を、真似た人たち。

 さらに、無謀さを、勇気と、勘違いして、危険なことに、挑んだ人たちなど。
 だから、必ずしも、勇気の意味が、正しく理解されていたとは、限りません。  

 

 1980 年代に入ると、日本経済は、バブルに向かって、進み始めます。
 いわゆる 「拝金主義」 の始まりです。

 お金に対して、大きな価値が、置かれる ようになりました。
 同時に、勇気をはじめ、精神的なものに対する価値は、どんどん、軽んじられるようになりました。  

 

 「勇気」 は、やがて、死語同然に、おちいります
 弱者が、目の前で、被害に遭っても、見て見ぬフリをする。
 さらに、自分が被害者にならないように、イジメに加わる ・・・ など。
 これが、賢い生き方のような風潮さえ、見受けられるようになりました。  

 

 「嫌われる勇気」 の著者、岸見一郎先生は、1956 年生まれです。
 健全な社会を、維持するためには、1人 1人の勇気が、必要不可欠であること。

 心理学の専門家として、個人の幸福にも、勇気が、大きな役割を、果たす こと。
 これらを、感じてみえたから、「勇気」 いう言葉が、タイトルに使われたのかもしれません。  

 

 私は、約 25 年間、アドラー的な生き方を、進めてきました。
 だから、時代の変化に関係なく、「勇気」 の必要性には、こだわってきた方では、ないでしょうか。

 しかし、この本を、読みながら、「勇気って、何だろう」 と、改めて、考えました。
 次回以降は、このような話を、進めていく予定です。

 

 

4.最も重要な 「勇気」 とは ?      2015.03.15  

 

 ひと口に、「勇気」 と言っても、たくさんあります。
  その中で、最も、重要なのは、「成長するための勇気」 ではないでしょうか。
 なぜなら、それによって、人生が大きく変わるからです。
 ポイントは、「他人を意識してのもの」 ではなく、「未熟な自分との戦い」 という点にあります。

 

 「成長するための勇気」 は、さらに、2 つに分けて、考えています。
  1 つは、「それまでの自分を改める勇気」、もう 1 つは、「自分の強みを高める勇気」 です。

  まずは、「それまでの自分を改める勇気」。
 改めるべき自分とは、それまでの、自分の価値観、感情の動き、行動、発言、習慣などです。  

 

 「嫌われる勇気」 の中にも、いくつかの勇気が必要と、書かれていました。
 たとえば、「嫌われる勇気」 が必要な人は、嫌われることが、平気な人では、ありません。
 嫌われることを恐れて、嫌われまいとする人たちです。

  このような人たちが、それまでの自分を、改めるためには、勇気が必要、ということではないでしょうか。  

 

 また、「普通の人でいる勇気」。  
 この勇気が必要な人は、普通の人としての人生を、楽しんでいる人たちではありません。
 「特別な人でなければならない」 と、思い込んで、特別な人を、目指している人たちです。

  このような人たちが、それまでの自分を、改めるためには、勇気が必要、ということではないでしょうか。  

 

 他人を干渉する人は、「課題の分離」 ができるように、勇気を出して、それまでの自分を改めること。
  自分の現状を、他人のせいにする人は、「目的論」 で、考えられるように、勇気を出して、それまでの自分を改めること。
 行動に移せない人は、第一歩を、踏み出せるように、勇気を出して、それまでの自分を改めること。
  退くことが苦手な人は、「勇気ある撤退」 ができるように、勇気を出して、それまでの自分を改めること。  

 

 人生には、様々な勇気が、必要かもしれません。
 しかし、大半の勇気は、「それまでの自分を改める勇気」 に、集約 されるのではないでしょうか。
 この 「それまでの自分を改める勇気」 の有無は、性格や気質によるもの、ではありません。
 その人が、自分の人生に対して、どれだけ主体性を求めているのか、つまり、考え方によって決まるもの、ではないでしょうか。 

 

 

65.「恐怖」 の原因は、「無知」      2015.03.16  

 

  「成長」 には、必ず、変化が伴うものです。
  しかし、人間は、変わることに対して、恐怖感を抱きます。
 「嫌われる勇気」 にも、書かれていました。
 未知の恐怖に、出会うくらいなら、たとえ不幸でもいいから、今の自分のままでいよう ・・・ と。

 

 「恐怖」 は、しばしば、勇気の妨げになります。
 この 「恐怖」 を、取り除くためには、どうすればよいのでしょうか。

 正解は、「知る」 こと です。
 これは、カントという哲学者が、述べていたことです。  

 

 たとえば、道で、ピストルを持った男に、出会ったとします。
 もし、自分が、相当なガンマニアで、それが偽物であると、確信できれば、恐怖感は、大幅に減少します。
 もし、それが、本物であっても、適切な対処の方法を、知っていれば ・・・

 まったく、知らないよりは、恐怖感が少なくなる でしょう。  

 

 人間関係においても、同じことが、言えます。
 我は世界を知るとき、世界の中で、我が家のようにくつろぐことができる。
 こちらは、ヘーゲルという、哲学者の言葉です。
 相手のことや、人間の本質を、よく理解していれば、人間関係の中で、リラックスしながら過ごせる、という意味です。
 

 

 だから、知れば、知るほど、人生の中から、恐怖感は、消滅 していきます。
 また、「知っているかどうか」 だけで、有利不利が、決まることが、人生には、たくさんあります。
 「知る」ということは、「知識」 にとどまらず、「経験」 を、必要とすることもあります。
 だから、「未知の知識」 と 「未知の経験」 には、大きな価値を感じています。
 

 

 私が、アドラー的な生き方に気づいたのは、29 歳で出会った、アインシュタイン博士の言葉が、きっかけです。
 当時は、税理士試験の勉強が、嫌になり、2 ヶ月ほど、異なる分野の本を、読み漁って いました。
 実は、前述の、カントとヘーゲルの言葉も、この間に出会っています。
 受験勉強は遅れましたが、その後の生き方に、大きなヒントを得ることができました。

 

 

66.なぜ、あの人は、勇敢なのか      2015.03.17

 

 多くの人が、「できない」 と、信じていることを、平然と、やり遂げる 人がいます。
 あの人は、さぞかし、勇気があるに違いないと、思われるのではないでしょうか。
 私も、以前は、このように考えていました。
  しかし、それは、間違いでした。

 

 平然と実行できたのは、実は、「結果が見えていたから」 ではないでしょうか。
 つまり、正しい結果を、予測して、計画に沿って、実行したに、過ぎない のです。
  事前に、結果がわかっていれば、恐怖感は、最小限に抑えられます。
 後は、油断せず、平常心を維持して、計画に沿い、滞りなく、実行するのみです。
 

 

 ポイントは、やはり、「知る」 ことに、あります。
 物事をよく知れば、その結末を、高い確率で、正しく、予測できるようになります。
 そのためには、「知識」 と 「経験」 を、増やすこと。

  さらに、人や物事について、日頃から、本質を考える、習慣を持ちましょう。  

 

 私たちが、経験することは、千差万別です。
 まったく、同じことは、二度と起きません。
 また、操作された情報が、無数に、飛び交っています。

 だから、本質を理解しなければ、常に、振り回される ことになります。  

 

 中国古典には、人間の本質が、いくつか語られています。
 たとえば、「極めれば転ずる」 の意味は、「幸福を極めると、不幸に変わる」 「不幸も極めまれば、幸福に変わる」 の2つです。

 この言葉を知っていれば、幸運であっても、奢ることなく、不運であっても、腐ることなく、 過ごせます。
 また、将来、転落する人や会社、浮上する人や会社が、見えることもあります。  

 

 多くの人が、「できない」 と、信じていることを、平然と、やり遂げる人。
 その、おもな原因は、勇気ではありません。
 知識と経験に基づいて、結果を正しく予測できるからです。

 この方法によれば、誰もが、勇者への切符を、手に入れられる と、私は、考えています。

 

 

67.最後のハードルは 「行動」      2015.03.18

 

 勇者になるためには、最後に、高いハードルを、越えなければいけません。
 それは、勇者になるための、列車に乗り込むこと。
 つまり、行動に移すことです。

 物事の結果を、正確に予測できても、「行動」 がなければ、勇者にはなれません。

 

 義を見て、為さざるは、勇なきなり。
 「義務であることが、わかっているのに、行動に移せないのは、勇気がないから」、という意味です。
 これは、紀元前 550 年頃に書かれた、論語の一節です。

 2500 年以上前から、勇気には、行動が必要 と、言われている訳です。  

 

 「行動」 に移す場合は、事前に、失敗を想定して、さらに、多面的な予測が、必要になります。
 それでも、不測の事態が発生して、瞬時の判断が、求められることもあります。
 このような極限状態では、勘に、頼るしかありません。

 非常時に、正しく勘を働かせるためには、日頃のトレーニングが、モノを言います。  

 

 トレーニングの、質と量を、高めるためには、どうすれば、よいのでしょうか。
 まずは、広く、社会に関心を持つこと。
 自分には、関係がないからと、無関心でいると、トレーニング量を、増やすことができません。

 もし、自分の身に起きたら、どうすべきかを、考える習慣 を、持ちましょう。  

 

 行動に移すためには、動機づけも必要です。
 そのために、役立つのが、「共同体感覚」 と 「目的論」 です。

  「共同体感覚」 によって、社会に対して 「貢献感」 を持つと、無関心ではいられなくなります。
  もし、見ず知らずの人が、被害にあったとしても、共同体の一員として、心に感じるものがあるはずです。  

 

 また、「目的論」 を、マスターすると、人生に主体性を、取り戻すことができます。
 生まれ変わった自分の、目の前に広がるのは、「自己責任」 の世界。

 今の環境が、どんなものであっても、自力で、生きなければならない ことに、気づくことができます。
  これによって、社会の出来事に対する、感覚が研ぎ澄まされる、のではないでしょうか。

 

 

68.「野獣の一生」 と 「家畜の一生」      2015.03.19  

 

 30 代のころ、「野獣の一生」 と 「家畜の一生」、その本質の違いについて、考えてみたことがあります。
 野獣は、たとえ、野ネズミであっても、自己責任の世界で、生きています。
 だから、小さな物音にも、気をとめながら、用心深く、暮らしています。
 自分のルールに従って、生きるためには、そのルールが、厳しいものでなければ、ならないからです。

 

 一方、家畜である、ブランド牛は、贅沢な生活が、補償されています。
 エサがとぎれると、不機嫌になるなど、「今の私の気分」 を、何よりも、大切にしています。
  だから、自分の子が、何度となく、殺されているのに、出産をつづける 「愚かな生き物」、と言えます。

 その愚かさ故、自分の一生の意味が、「肉」 であることにも、最後まで、気づくことができません。  

 

 もし、山火事が起きれば、野獣は、異変に気づいて、さっさと、その場から、いなくなります。
 一方、家畜は、逃げ場を失うころに、ようやく、事態に、気づくことでしょう。
 実は、人間も、同じかもしれません。

 「今の私の気分」 を、大切にしていると、家畜のような、愚かな生き物に、近づく ことでしょう。  

 

 ところで、大自然の中で、野獣が生き抜くためには、何が必要 でしょうか。
 ライオンは、獲物を捕らえ、つかんで離さない腕と、大地を駆け抜けられる足。
 渡り鳥は、南の国と、北の国を、毎年、行き交えるだけの、強い翼。
 サケは、河口から、激流を上がり続けられる、ヒレと身体など。
 

 

 人間が暮らす社会も、野獣が暮らす環境と同じように、過酷な一面を、備えています。
  その中で、人間だからこそ、必要なものとは、何でしょうか。

 それは、「知識」 と 「知恵」 ではないでしょうか。
 これら2つは、ライオンの 「腕力と走力」、渡り鳥の 「飛力」、サケの 「泳力」 に、当たると、考えられます。  

 

 だから、さまざまな知識と、すぐれた知恵を、身につけなければいけません。
  社会で起きることに、幅広く、関心を持ち、人生に必要な知識と、知恵の向上を、心がけるべきでしょう
 アドラー心理学が、厳しいと感じられるのは、自己責任を求められる部分、ではないでしょうか。

  しかし、自己責任の世界を、選択した者だけが、手にする一生 もあると、感じています。

 

 

69.「無謀」 の価値      2015.03.20  

 

 正しい結果を、予測できないのに、行動に移す人たちがいます。
 これは 「勇気」 ではなく、「無謀」 と、呼ば れます。

 ただし、「無謀」 は、必ずしも、悪いものではない と、私は、考えています。
 「無謀」 が、よい結果をもたらすケースも、あるからです。

 

 たとえば、新たな発見や発明は、常識的に見て、「不可能」 と思われるものが、ほとんどです。
  しかし、そのテーマに、長い年月をかけて、成功させる人たちもいます。
 一般的な感覚からすれば、成功したからよいものの、その生き方は、「無謀」 とも言えます。

 実は、これら、無数の 「無謀」 のおかげで、今日の豊かな社会が、実現している のではないでしょうか。  

 

 さらに、一生をかけたにも関わらず、失敗に終わる人たちもいます。
 しかし、このような挑戦によって、その人が取り組んだ仮説が、間違いであったことが、証明されます。

 未知のテーマほど、正解を導き出すためには、多くの不正解を、確定させることが、必要 になります。
 だから、このような人たちの 「無謀」 も、社会に、大きく貢献してきた、のではないでしょうか。  

 

 無謀」 と 「勇気」 は、紙一重 です。
 たとえば、おぼれる人を、助けるため、泳げないのに、飛び込んで、命を落とす人たちがいます。
 その行為は、美しいものではありますが、やはり 「無謀」 と言わざるをえません。
 自分にも、家族がいることを、自覚すべきでしょう。
 

 

 正義感の強い人にとって、無力感は、大きな苦痛かもしれません。
 もし、「無謀」 を 「勇気」 に変えたいのであれば、どうすればよいのでしょうか。
 それは、「泳げない自分」 から、「泳ぎが得意な自分」に、変わることです。

 つまり、それまでの自分を改めることによって、「勇気」 を手に入れる ことができるのではないでしょうか。  

 

 以前、「勇気」 の意味を、とり違えている人たちを、ご紹介したことがあります。
 実は、20代までの私は、3番目の 「無謀を勇気と勘違いしている人」 でした。
 今は、ジェットコースターに乗ることさえ、恐ろしいのですが、若いころは、危険なことに、何度も、挑戦したものです。
 そのせいか、少々、「無謀」 を、正当化 してしまったかもしれません。

 

 

70.勇気を備える、もう 1 つの方法      2015.03.21  

 

 これまでの経験の中から、勇気を備えるために、役立った方法を、もう 1 つ、ご紹介します。
 それは、「より大きな、共同体の立場で、考えること」 です。
 嫌われる勇気にも、これに通じることが、書かれていました。
 対人関係に、行き詰まったときは、「より大きな共同体の声を聞け」。

 

 狭い人間関係や、小さな共同体に、固執する人は、その世界の基準しか、持ち合わせていません。
 外の世界では、通用しないため、それを恐れて、内弁慶になりがちです。

 逆に、大きな立場に立つ人は、法律やルールなど、公正な基準で、物事を判断します。
 どこへ行っても、通用するため、外の世界へ出る、勇気を持ち合わせています。  

 

 また、自分と家族の幸せしか、考えない人は、小さな心で、怯えながら、生きています。
 なぜなら、自分たち以外の人たちを、最終的に 「敵」 と、認識しているからです。

 一方、社会全体のことを、考える人は、勇気を持って、生きています。
 なぜなら、社会全体を仲間と認識し、社会のためなら、多少の犠牲を払ってもよい、と考えているからです。  

 

 30 〜 40 代の頃、私は、仕事を通じて、自己愛の強い、利己的な人たちと、しばしば、対立しました。
 たとえば、顧客から、お金をたかる人や、だまし取ろうとする人たち。
 税理士である私が、邪魔になるため、「お前の首をくくって、クレーンで吊り上げてやる」 と、暗に、言われたこともあります。
  この言葉に、屈しなかったのは、「口にするだけで、実行できない」 と、予測できたからです。
 

 

 実は、もう1つ、私の背中を、強力に、後押ししてくれた、ことがありました。
 それは、「社会のために、自分は仕事をしている」 という、自覚 です。
 あなたは、私利私欲のため、かもしれないが、私は、公正無私に、仕事をしている。
 いずれ、あなたが、社会に裁かれるだろう ・・・ このような思いを、強く、持ち続けました。  

 

 すると、どこからともなく、勇気が、湧いてきたものです。
  もし、自分と家族のことしか、頭になければ、怖じ気づいていたかもしれません。

  より大きな共同体に対して、貢献意識を持つと、より大きな勇気につながる。
 この事実を、私は、このような経験を通じて、知りました。

 

 

71.「小さな勇気」 から、始めてみる      2015.03.23  

 

 より大きな共同体に対して、貢献意識を持つと、より大きな勇気につながる。
 前回、このようなお話をしましたが、これを踏まえて、前々回の話を、思い出してください。
 世の中には、成功するかどうか、わからないテーマに、一生をかけて、挑戦する人たちがいます。

 常識的に、考えれば、それは 「無謀」 と、言えます。

 

 しかし、そうではないかもしれません。
 もし、「社会」 という、大きな共同体に対して、貢献意識を持っているとしたら ・・・
 自分の一生をかけてでも、社会をよくしたいと、考えているとしたら ・・・

 結果に関わらず、これは 「勇気」 と、呼ぶべき かもしれません。  

 

 同じような例は、身近なところに、いくらでもあります。
 たとえば、家族、会社、学校、サークルなど ・・・
 何か、トラブルがあったり、うまくいかなかったり、辛いことがあったとします。
 おかげで、人間関係も、今ひとつ、組織として、どんどん嫌な雰囲気になっていったとします。
 

 

 ここで、組織を悪く、言うのは、簡単なことです。
 「うちの ○○ は、雰囲気が悪い」 と、言うのは、誰にでもできることです。

 しかし、それでは、自分とわずかな人のことしか、共同体として、認識していません。
 つまり、自分が ○○ の一員であるという、自覚が足りないと言えます。  

 

 勇気とは、主体性を、必要とするものです。
 主体性の多くは、共同体に対する貢献感から、生まれます。

 共同体全体から、「自分はどうすべきなのか」 を、考えて、実行に移す段階で、必要なのが、勇気 です。
 逆に、自分とわずかな人のための、発想や行動は、「エゴ」 と呼ぶべきです。  

 

 もし、所属する共同体の雰囲気が、暗かったとしたら、自分は、どうすればよいのでしょうか。
 それは、自分自身が、灯りになって、周囲を明るく照らすこと、ではないでしょうか。
 他人に同じことを、求めることなく、自分一人でも、やり抜けば、次第に、効果が出るでしょう。
 小さなことですが、これも、立派な勇気、ではないでしょうか。

 

 

72.なぜ、「強みを高める」 べきなのか ?      2015.03.24

 

 「成長するための勇気」 の 1 つ目は、「それまでの自分を改める勇気」 でした。
 これは、成長を目指して、間違った方向に進んでいる場合、転換する勇気です。

 そして、2 つ目の、「自分の強みを高める勇気」 は、方向を合わせた後、パワーとスピードを、上げるための勇気です。
 これによって、成長そのものを、力強いものにしておくと、後戻りしなくなります。

 

 しかし、なぜ 「弱みを、引き上げる」 のではなく、「強みを高めるべき」 なのでしょうか。
 この疑問は、 P.F.ドラッカー著 仕事の哲学 で、明確に、語られています。
 不得手なことの改善に、あまり時間を使ってはならない。 自らの強みに集中すべきである。 
 無能を並の水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。  

 

 今日、私たちの仕事は、すべて、分業化されています。
 また、人間関係においても、役割が分担されています。
 グループの方向性を決める人、雰囲気を盛り上げる人、潤滑油の役割を果たす人、地味な役割を好む人など。

 このような条件において、成果を上げるためには、関わる人の、パフォーマンスの合計点を、高める ことが、望まれます。  

 

 たとえば、3人で、飲食店を、始めた とします。
 Aさんは、「調理」 担当なら 100 点、「接客」 担当なら 50 点、 「経理」 担当なら 0 点
 Bさんは、「接客」 担当なら 100 点、「経理」 担当なら 50 点、 「調理」 担当なら 0 点
 Cさんは、「経理」 担当なら 100 点、「調理」 担当なら 50 点、 「接客」 担当なら 0 点  

 

 A 〜 C さん、それぞれ、どの仕事を、担当させるべきでしょうか。
 Aさんが 「経理」、B さんが 「調理」、C さんが 「接客」 のケースでは、パフォーマンスは、最低の 0 点。
 具体的には、「まずい料理」 「不愉快な接客」 「間違った代金請求」 など、客も近寄らない店になります。
 もし、各人が、苦手な分野を、鍛え直そうとしても、まもなく、閉店に、追い込まれるでしょう。  

 

 反対に、Aさんが 「調理」、Bさんが 「接客」、Cさんが 「経理」 のケースでは、パフォーマンスは、最高の 300 点。
 具体的には、「うまい料理」 「快適な接客」 「正確で迅速な代金請求」 など、客から見て、好ましい店になります。
 さらに、各人が、自分の強みを、高めれば、400 点、500 点に、レベルアップできます。

 もし、総合 500 点以上の店しか、生き残れない時代になっても、可能性があるのではないでしょうか。

 

 

73.なぜ、「弱み」 に、囚われるのか ?      2015.03.25  

 

 強みを高めるためには、勇気が必要です。
  なぜなら、弱みに、見切りをつけなければ、いけない からです。
  しかし、多くの人が、弱みに囚われ、強みを高めようとしません。
 なぜでしょうか。

 

 弱みに囚われるのは、受験勉強の弊害 という、意見もあります。
 たとえば、前回、お話しした、「飲食店を始めた3人」。
 そのうちの、Aさんの点数は、「調理」 100 点、「接客」 50 点、「経理」 0 点。
  3 つの、合計は、150 点です。
 

 

 Aさんが、学校の生徒だとしたら、点数を増やすためには、どうすればよい のでしょうか。
  100 点の 「調理」 を、これ以上、伸ばしても、合計点は増えません。
 まずは、0 点の 「経理」 を、せめて 50 点くらいに、引き上げるべきではないでしょうか。
 つまり、弱みを並レベルに、引き上げるのが、正解になります。
 

 

 しかし、現実社会、つまり、仕事は、100 点満点ではありません。
 100 点の 「調理」 を、伸ばしていけば、200 点、300 点に、達することも、可能です。
 また、苦手な分野を、得意な人に、担当してもらうことによって、仕事全体のパフォーマンスを、引き上げることができます。
  これが、分業化された、現代社会における、成長の進め方、ではないでしょうか。
 

 

 詳しくは、ドラッカーのマネジメント論に、書かれています。
  人と関わり、組織として仕事をする場合、まずは、自分の強みを高めることに、集中すべきです。
 自分の強みをもって、他のメンバーの弱みをカバーする。

 また、他のメンバーの強みをもって、自分の弱みをカバーすれば、組織全体で、お互いの弱みを、ないものにできます。  

 

 すべての分野で、50 点レベルの人たちが、共同作業を行っても、組織として、優れた成果は、得られないでしょう。
 しかし、1 つの分野に秀でた者が、集まって、共同作業を行えば、超一流のレベルを、目指すことも、可能 になります。
 自分自身を成長させるためには、弱みに、心を奪われないこと。
 強みの発見に努め、さらに高めることを、心がけましょう。 

 

 

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代表社員 税理士 今井 睦明


1960年生まれ 名古屋市出身 1989〜1993年 税理士試験 法人税法、消費税法、事業税、簿記論、財務諸表論、全5科目合格
 
1994年税理士登録 日本税理士会連合会 登録番号 税理士法人3430 税理士78397 名古屋税理士会名古屋北支部所属

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