004.ランチェスター戦略とブルー・オーシャン戦略の違い 2012.06.28
ランチェスター戦略とブルー・オーシャン戦略の違いがわかると、マーケティング戦略とイノベーション戦略の違いも理解しやすくなります。両者を例にご説明しましょう。小売店の業績を決定する重要な要素が、たとえば下記の5つと仮定します。
①商品構成 ②立地条件 ③広告宣伝 ④仕入価格 ⑤顧客対応
ランチェスター戦略(マーケティング戦略)は、この中の1つを選択し、さらに細分化し、その中で1位を目指します。鮮魚店の場合、「①商品構成」を選択したとすると、商品構成 → まぐろに特化 → 「地域一番の本格まぐろ店」と言った進め方。
一方、ブルー・オーシャン戦略(イノベーション戦略)は、5つの要素を「増やすもの」「減らすもの」「捨てるもの」に分類し、さらに他の業界から「つけ加えるもの」を選択します。この作業のポイントは、顧客に何を提供できるかにあるようです。
もし「健康」を提供するのであれば、魚の品数を絞る → 無農薬野菜や健康食品も加える → 栄養士の研修を開催 → スポーツクラブや総合病院と提携 → 「健康のデパート」と言った進め方。顧客には同業他社と異なるカテゴリーに見えます。
ランチェスター戦略が競争を前提としているのに対し、ブルー・オーシャン戦略は競争を避け、高収益を目的としています。どちらが優れているのかではなく、両者の違いを理解した上で、目的に応じた使い分けが必要なのではないでしょうか。
※参考文献 竹田陽一著「プロ★社長」 W・チャン・キム、R・モボルニュ著「ブルー・オーシャン戦略」
安部義彦・池上重輔著「日本のブルー・オーシャン戦略」 長尾一洋著「戦略の見える化」
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