売れる商品の選び方

 

  

売れる商品の選び方★7つのアプローチ

 

  

企業の成績は「商品」で決まります。

 

 お客さんが欲しくない「商品」など、いくら戦略を練っても売れません。

逆にお客さんが欲しがる「商品」なら、店舗や広告に関係なく売れます。

  

 もし業績低迷がつづくようなら、「商品」の見直しが必要です。

 今回のような深刻な不況時は、特に思い切った決断が必要になります。

 

 今、最も苦しんでみえる輸出メーカーの下請け企業は、

 素晴らしい技術をもってみえることでしょう。

 

 その技術を必要としている市場がどこかにあるかもしれません。

従来とは違った視点で探してください。

 

このコーナーでは「商品の選び方」をテーマにしました。

読者の皆さまの業績改善のヒントになれば幸いです。

 

なお販売するものには「商品」と「サービス」の2つがありますが、

ここではまとめて「商品」と呼ぶことにします。

 

アプローチの方法は全部で7とおり。

詳しい内容については、各タイトルをクリックしてください。

  

  

 

  ◆商品のライフサイクルから考える

  ◆ランチェスター戦略から考える

  ◆ブルー・オーシャン戦略から考える@

  ◆ブルー・オーシャン戦略から考えるA

  ◆ポジショニングから考える

  ◆80対20の法則から考える

  ◆ロング・テールの法則から考える

 

 

  

◆商品のライフサイクルから考える

  

 人間にも一生があるように、商品にも一生があります。ボストン・コンサルティング・グループは、この商品の一生を4つに区分しました。わかりやすくするために、ここでは四季にたとえてお話をします。

 

 ◆商品を4区分しましょう  

●春期の商品・・・出たばかりの商品。ライバル企業も少なく、粗利益率が高くても売れます。ただし、社会に認知されていないため数は伸びません。商品の説明にも苦労します。

●夏期の商品・・・売れ始めの商品。粗利益率はやや高めまで低下。多くの人に知れわたり、大量に売れるようになります。参入業者も急速に増加します。

●秋季の商品・・・ピークを越えた商品。業者間の競争は激化し、値下げ合戦が繰り広げられます。粗利益率はかなり低下。市場が成熟し、だんだん売れなくなります。

●冬期の商品・・・終わりを迎えた商品。買う人はほとんどいなくなります。値下げしても売上は伸びません。業界1位の会社のみが利益を独占。多くの企業が撤退します。

あなたが扱っている商品やサービスすべてをこの4つの何れかに分けてください。 

  

 ◆戦略にチャレンジ 

戦略は次の手順で進めてみましょう。

@冬期の商品・・・撤退する。買い手がいたら売却する。

    ↓

A春期の商品・・・将来性があればテコ入れ。なければ捨てる。

    ↓

B夏期の商品・・・事業強化・販売拡充する。

    ↓

C秋期の商品・・・マンネリ化。思い切った改革に着手。

    ↓

D利益を上げている業界の事業に参入する。

 

 ◆シンデレラ商品も検討してみる

 通常の常識から言えば、とっくに売れなくなっているはず。しかし、地道に売れ続ける商品があります。これを「シンデレラ商品」と呼びます。経営の神様P.F.ドラッカー氏が名付け親です。伝統品や定番品がこれに当たります。大した儲けにはなりませんが安定した業績を残すことができます。

  

 

◆ランチェスター戦略から考える

 

 ランチェスター戦略では、「弱者は強者の反対のことをしろ」と言われます。とてもいい戦略なのですが、この「弱者」という言葉に抵抗がある方もいます。そこで「弱者」を中小企業。「強者」を大企業と置き換えて説明します。

 中小企業が大企業とまともに戦えば必ず負けます。だから「大企業を避ける」。これが中小企業の鉄則です、それにふさわしい商品とは一体どんなものなのでしょうか。

 

 ◆小さな市場を探してみましょう

 大企業に適した商品は、「大量生産」「豊富なラインナップ」「全国一斉販売」など。中小企業に適した商品は「少数限定」「手作り一品」「期間限定」。イメージはつかめましたでしょうか。

 たとえば食品販売。大企業の代表格は大型スーパーです。大量に安く幅広く提供する。季節に関係なくビニールハウスなどで栽培したものなどを年中販売する。これが採るべき戦略です。

 一方、中小企業が目指すべきものは、契約農家による産直無農薬野菜専門店など。今しかない、ここしかない、特定の顧客しか買わないなど、あえて小さな市場を狙う。これが採るべき戦略です。

  

 ◆力を一点に集中させましょう

 小さな市場のことを「ニッチ(すきま)市場」と言います。そこから得られる小さな利益は大企業にとって魅力のあるものではありません。おかげで参入してくる確立は低いと言えます。ニッチ市場は中小企業にとって。魅力的な市場なのです。

 狙うべき市場が決まったら、次はそこに力を集中させましょう。ランチェスター戦略では「小さな1位」を狙います。たとえ小さくても1位になれば、収益性が飛躍的に高まるからです。

  

 ◆マニア市場に注目する

 店の規模の割りにメニューが多い。何を食べても味は今ひとつ。このような店はほとんど閉店に追い込まれました。もしメニューを1つに絞り、評判の店になっていたとしたら、多分生き残ることができたでしょう。

 またニッチ市場には必ずマニアがいます。マニアの中には金に糸目をつけない人たちもいます。彼らを惹きつけることができれば、面白い商売も可能です。そのためには自分自身も相当なマニアになる必要があります。店舗のみでは商圏が狭すぎるため、ネット販売を有効に利用するケースもあるでしょう。

  

  

 

◆ブルー・オーシャン戦略から考える@

  

 ランチェスター戦略は、既存の市場を細分化、その中の「小さな市場」で勝負します。これに対してブルー・オーシャン戦略は、既存の市場の隣に「新たな市場」を作ります。一見、似ているようですが、ここに大きな違いがあります。

 手順を簡単に説明して算式で表すと、「これまでの要素−不要な要素+必要な要素」になります。わかりにくいので具体的に説明しましょう。

  

 ◆理髪店で考えてみましょう

 私が通う理髪店は、次のサービスを60分かけて提供します。料金は3,600円。理容組合に属する一般的な理髪店は、ほぼ同じような内容だと思われます。

 理髪 → 洗髪 → 顔剃り → 肩もみ → 耳そうじ

 

 ◆不要なものを削りましょう

 ブルー・オーシャン戦略では、通常業務を各要素に細かく分けます。次にその中から不要なものを削ります。

QBハウスという理髪店では、サービスの中から何と「理髪」以外のすべてのサービスを削ってしまいました。これで商売が成り立つのでしょうか。いえいえ爆発的に成功しているそうです。その秘訣は何でしょうか。

 

 ◆必要なものを加えましょう

 ブルー・オーシャン戦略では。次に新たな要素を付け加えます。これによって、まったく新しい市場を作り出すのです。QBハウスの場合「短時間で終わる=10分」「安い=1,000円」という価値を加えました。

 考えてみると10分で1,000円は高いのですが、必要最低限のことが1,000円で済むなら安い。しかも拘束時間はわずか10分。これなら十分、魅力的なことがわかります。

 

 ◆異業種に着目してみる

 実は「何かをなくすこと」が一番難しいのです。頭の中で「もしこれをなくしたら、どんな業態になるのだろうか」と、いろいろなケースを想像してみてください。

 「何かを付け加える」場合は、思い切って異業種の要素を持ってくることも考えて見ましょう。これによってまったく新しいカテゴリーが生まれる可能性があります。

 ブルー・オーシャン戦略の最終目標は「競争のない市場を想像すること」。新たに生み出した市場に、競争相手が参入してくるまでは、利益を独占することも可能なのです。

  

  

 

◆ブルー・オーシャン戦略から考えるA

  

 ブルー・オーシャン戦略によって、新たなカテゴリーを創造する場合、「バリュー・イノベーション」という考え方を用います。直訳すると「価値の革新」。具体的には「価格の引き下げ」と「顧客側から見た価値の引き上げ」を同時に行います。

 その他の戦略では、どちらかを選択すると、どちらかを捨てなければなりません。価格を下げれば、商品の価値も下がり、顧客から見た評価まで下がってしまいます。また逆に顧客側から見た価値を上げようとすれば、品質アップに伴い価格も上げざるをえません。

 このように何れか一方しか選択できないものを「トレード・オフの関係にある」と言います。ここでもう一度、QBハウスに登場してもらいましょう。

 

 ◆価格を下げる

 QBハウスでは、通常3,600円のところが、サービスが減ったとは言え、価格を1,000円まで引き下げることができました。

 

 ◆価値を高める

 QBハウスでは通常60分必要だったものが10分で済むようになりました。多忙な現代人にとって、大きな価値がありそうです。

  

 ◆企業側の利益も高める

 通常の理髪店の場合、店員1人あたりの60分あたりの売上高が3,600円です。これに対しQBハウスは6,000円。QBハウスの生産性は通常の理髪店の1.6倍です。

  

 ◆顧客が求める要素だけを割高に売る

 QBハウスの例から学ぶことはこれです。セット用品をバラ売りするという発想になりますが、付加価値を加えれば、QBハウスのように新たなカテゴリーを作り出す可能性もあります。

  

 

◆ポジショニングから考える

 

 ポジションとは「位置」のこと。実は顧客の頭の中には地図があります。この中で当社が販売している商品はどの位置にあるのか。ここから売れる商品を見つけだすのがポジショニング理論です。

 ポジションを選ぶ上で重要なことは、競争相手がいない商品で攻めるということです。特に自分よりも強い相手との競合は、絶対に避けなければなりません。

 ご存知じタレントの島田伸助は、ポジショニングの達人です。ある芸人さんによれば、若いころ彼の部屋を訪ねたところ、大きな紙が壁に貼ってありました。そこには大勢のタレント名が記入されていました。一体、どんな目的だったのでしょうか。

 この紙は、他のタレントとキャラがかぶらないようにするために、書かれたものだったようです。飲食店など実業家としても大成功を収める秘訣はこのあたりにもあるのでしょう。

  

 ◆自動車メーカーで考えてみると

 自動車メーカーのトップと言えば、世界のトヨタ。ポジショニングの理論から言えば、2位以下の企業はトヨタとの競合を避けなければいけません。あえて異なるポジションの車種を開発すべきなのです。次は実際に2位以下のメーカーを検証してみましょう。

  

 ◆日産とホンダ

 かつての日産はトヨタとシェアを争っていました。私自身もパワフルな日産車のファンでした。ところが、その栄光がアダになっているのか、最近は2位以下の戦略がとれません。トヨタ車と同じポジションの商品で攻めてきます。これではなかなか勝機がつかめないでしょう。

 その点ホンダはわきまえています。トヨタとかぶらないように、絶妙なポジションを狙ってきます。トヨタの後出しジャンケンに負けるまで、利益を獲得し続けます。オッデセイ、ストリーム、インサイトなど、そこにホンダの本領が発揮されています。

 両社の違いは販売台数ではわかりませんが、従業員1人当たりの利益(2008年7月現在)を比べれば、一目瞭然です。

 日産自動車  850万円    ホンダ  1,287万円

 

 ◆ポジショニングマップの利用

あなたの会社で販売している商品のポジションを調べてみましょう。次の手順で進めてください。

@1枚の白い紙を用意してください。罫線の入ったノートでも構いません。

Aそこに大きく「田」という漢字を書いてください。きっちりではなく、周囲に2pくらい余白が必要です。

Bお客さんが商品を選ぶ場合、ポイントになる要素をいくつか挙げてみましょう。車なら「価格」「サイズ」「燃費」などです。

CBの中から重要そうなものを2つ選びます。そしてAで書いた「田」の字の左と下に書き込みます。車なら左側に「価格」下側に「サイズ」としましょう。

D@〜Cの作業を終えると、ポジショニングマップができ上がります。「田」の字の、左上のマスは「高価格でサイズの小さな車」。右上のマスは「高価格でサイズの大きな車」。右下のマスは「低価格でサイズの小さな車」。左下のマスは「低価格でサイズの大きな車」になります。

Eここに、当社にとって最も手強い会社の商品を赤いボールペンで書き込んでください。次にその他の会社の主要な商品を、黒いボールペンで書き込んでください。

F何も埋まっていない空白部分が見つかりましたか。有利に攻めることができるなら、そこが狙うべきポジションです。くれぐれも赤い色には近づかないようにしてください。

 

 

◆80対20の法則から考える

  

 正式には「バレートの法則」と言いますが、イメージをつかむために、こちらの呼び方を使用します。この法則と反対のものは「ロングテールの法則」と呼ばれます。ぜひ、そちらにも目を通しておいてください。

 内容は簡単。たとえば「会社の利益の80%は20%の商品から生まれる」「営業時間の80%は、20%の顧客に費やされる」など。80%の結果は20%の原因に基づく。これによって世の中の現象の多くは説明がつくらしく、統計的にも証明されているそうです。

 この80対20の法則について、伊藤忠商事の丹羽宇一郎氏がテレビの対談番組で、こんなことを言われてました。丹羽氏は20%のダメな社員のクビを切りません。なぜかと言うと、彼らをやめさせても、残った者から新たに20%のダメな社員が発生するからなのだそうです。

 

 ◆商品と利益の関係を分析しましょう

 商品選択に80対20の法則を利用するためには、「どの商品がいくら利益を生み出しているのか」を測定しなければなりません。100%正確に行うのは不可能です。またあまり時間と労力をかけるのも考えもの。大ざっぱに見当をつける方法を、税理士さんに相談しましょう。

 利益の出し方を算式に表すと、純利益 = 売上高−仕入高−その他の経費  になります。売上高と仕入高は把握しやすいのですが、その他の経費をどのように各商品に振り分けるかは、難しいところです。慣れない内は、粗利益(売上高−仕入高)のみの判断でもよいでしょう。

 昔の経営者というと叱られますが、現在70代以上の経営者はノートに数字を並べて、簡単な採算チェックをされていました。この作業によって、損益や資金繰りの勘をつかんでみえたようです。大方当たっていましたので、皆さんもお試しにられてはいかがでしょうか。

 

 ◆利益に応じて順位をつけましょう

 利益が出たら大きな順に、上から並べてください。順位と商品名を書いたらその横に利益の金額を書いてください。利益がほとんど出ていない商品は、「その他5種」とでもまとめましょう。この作業が終わったら、上位20%の商品の利益を合計してください。全体の80%になりましたか。

 まったく違うという方は「ロングテールの法則」型の企業かもしれません。ここでは「80対20の法則」が成り立つ企業について説明をつづけます。わかりやすいように具体例を見てください。

 

 順位     商品名          商品ごとの利益    上位からの累積利益
                       
  @    A商品            利益 30万円     累積利益 30万円

  A    B商品            利益 20万円     累積利益 50万円

   B    C商品            利益 18万円     累積利益 68万円

   C    D商品            利益 12千円     累積利益 80万円

   D    E商品            利益  8万円

  E         F商品            利益  6万円

    F        G商品            利益  4万円

    G〜S H〜T商品        利益   2万円

                                    計 100万円

 

 ◆戦略にチャレンジ

 先ほどの具体例を見ながら、戦略を練りましょう。

 @利益の少ないE〜T商品は捨てる

  よほど将来性がなければ、在庫を処分して取扱いをやめる。

 A利益の多いA〜D商品に力を集中させる

  もっと売れるように、資本や人材を投入する。

  

◆自社の主力商品に焦点をあてる

 ブルー・オーシャン戦略でもお話ししましたが、ポイントは「利益の出ない商品を捨てる」。余った力を、今度は「利益の出る商品に集中する」ことです。ダメ商品を処分すれば、売れ筋商品の在庫スペースも増えます。大量仕入によるコストダウン、納品時間の短縮などのメリットが得られます。

 自社の主力商品を把握することは、会社の強み発見にもつながります。このような分析作業を苦手とされる方は、税理士に最初の道筋を作ってもらい、定期的に社内で検討しましょう。そうすると案外、利益が出ているようで、実は配送費用等で赤字になっている商品を発見することもできます。

  

 

◆ロング・テールの法則から考える

 

 80対20の法則は、万能ツールとしてその地位を築いてきました。ところが最近当たらないケースが出てきました。ご存じ、本のネット販売で巨大な売上を誇るアマゾン。その売上の3分の1はマイナー本。中には年に1冊しか売れない本もあるそうです。

 ロング・テールとは「長いシッポ」という意味です。棒グラフの縦軸に売上高、横軸の左から順に売れる商品を並べていくと、最後は延々と短い棒がつづきます。遠くから見るとこれが「長いシッポ」に見えます。このシッポ部分の面積がアマゾンの場合、全体の3分の1を占めるそうです。

 この原因は「消費者の多様化」「インターネット社会の到来」などが考えられます。希少な本を必要とする人たちが市民権を得ている証拠かもしれません。

  

 ◆商品と売上高を分析しましょう

 80対20の法則では、「商品と利益」を分析しました。これは難しかったと思います。このロング・テールの法則は、「商品と売上高」の関係ですから簡単です。その中からマイナー商品の売上高を抜き出し、全体に占める割合を出してください。

 マイナー商品が、欲しい人にはなくてはならないものなら、次のステップへ進みます。それ以外の単なる売れない商品なら、今すぐにでも捨てましょう。

 

 ◆小さな顧客をネットで集める

 ランチェスター戦略でお話しした「マニアねらい」と違う点は、より多くのマニアを相手にする点です。そこには当然、インターネットを利用した販売システムを構築しなければなりません。

 また、いつ売れるのかわからないような商品をそろえる訳ですから、在庫はなるべくもちたくないものです。ロング・テールの法則は、数々の技術的な問題をクリアする必要があります。中小企業が利用するのは難しいかもしれません。

 

 

 

 

  

 

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