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税理士法人 今井会計事務所

事業規模を間違えない  2010.12.08

 1.事業規模拡大こそ経営の鬼門

 「企業にとって第一の責任は存続すること」だとドラッカーは述べています。この存続を脅かす主な要素の1つに「事業規模の誤り」があります。実は「大きくなりすぎた」ことが原因で倒産したり、経営危機を迎える企業が少なくないのです。

 

 なぜ大きくなりすぎてしまうのか。それは「縮小するよりも拡大する方が簡単だから」です。極端な言い方をすれば、資金さえ調達できれば、そのお金を使って店舗や設備、従業員を増やすだけ。実は事業規模拡大は誰にでもできることなのです。

 

 たまたま好成績が続くことがあります。経営者なら誰もが一度は経験することです。ここで設備や従業員を安易に増やしてしまうと数年後に業績が下降したとき、固定費の重みで耐えられなくなります。よくある倒産パターンではないでしょうか。

 

 2.拡大によって発生してしまう問題

 事業規模を拡大すると経営が難しくなります。具体的にどのような問題が発生するのでしょうか。ドラッカーは「採用すべき構造、戦略、行動が違ってくる」、さらに「量の変化ではなく、質の変化になる」と述べています。

 

 たとえば「戦略」を例にお話をすると、事業規模の拡大に伴い自社が取るべき戦略を変えなければいけません。それは小規模だった頃の戦略を「量」的に増やせばよいと言うものではなく、「質(方法)」を変えなければいけないということです。

 

 さらに「変化は連続的なものではなく、一定点で飛躍的な変化を起こす」と述べています。従業員数の場合「15名を超えると管理方法を変えなければいけない」と言われますが、これもドラッカーの言う一定点なのかもしれません。

 

 3.規模に合うシステムが必要になる

 続けて「組織が大きくなると内部構造が専門化し複雑になる」、「規模の増大は情報を流し方向づけを行い成果のフィードバックを行うなど、組織内部を活かすために多くのエネルギーを必要とする」。

 

 事業規模を拡大すると組織内部の問題が複雑かつ大きくなります。製品やサービスの品質にバラツキが出てきます。従業員に関する問題が激増します。経営者はこれらの問題にエネルギーを消費させられ、経営が傾いてしまうこともあります。

 

 これらの問題を解決するためには、拡大した規模に合うシステムが必要になります。反対に事業規模が小さいのに、大企業並みのシステムを用いると、小企業としてのメリット(下記9)を活かせなくなります。

 

 4.時代によって変化する適正規模 

 適正規模は「業種によって異なる」とドラッカーは述べています。もし個人で経営する生命保険会社があったとしたら、満足な保証などできません。もし近所の町医者が大型病院だったとしたら、軽い風邪でさえ数時間も待たされます。

 

 ただし難しいのは「適正規模は時とともに変わっていくこと」です。たとえば製造業。かつては「大きいほどよい」の典型でしたが、現在はどうでしょうか。大企業は海外進出、家族経営も生き延びています。最も苦しんでいるのは固定経費のかさむ中企業でしょう。

 

 また「最適規模は最大規模のはるか下にある」。1人で管理できる人数は最大で15人と言われていますが、もし社内の管理者が社長さん1人の場合は、従業員数5〜10名以下に抑えられた方が、収益性の高い経営が実現すると思われます。

 

 5.縮小するときのリスク

 次は事業規模の縮小。当社が事業規模を縮小したい時、周囲はどんな状況なっていると思われますか。たぶん「不景気」ではないでしょうか。この前提をもとに、「事業を拡大したい時期」と「事業を縮小したい時期」の比較表を作りました。 

区  分  ①当社の業績 ②景気 ③銀行融資 ④人 ⑤設備
1.事業を拡大したい時期

上がっている

易しい経営

よい

よく売れる

受けやすい

余分な支出

必要人員

採用しにくい

必要設備

価格が高い

2.事業を縮小したい時期

下がっている

難しい経営

悪い

売れにくい

受けにくい

資金繰り難

余剰人員

解雇しにくい

不要設備

売れにくい

 通常、上段①②の状況で事業を拡大しますが、③〜⑤で無駄な出費が発生します。次に事業縮小時には下段①〜⑤の状況になります。不要な設備を処分しても二束三文。従業員を退職させたくても再就職先が見つからず、経営者として難しい判断に迫られる訳です。

 

 しかも、その作業を、売上も伸びない、支払いに追われている、銀行から融資も受けられない・・・といった困難な状況の中で進めなければなりません。事業規模を拡大するときは、縮小する時のリスクについて必ず考慮する必要があります。

 

 6.縮小を避けてしまう理由

 「不適切な規模の組織には、肥大化した分野、活動、機能が必ずある」とドラッカーは述べています。つまり努力や投資の割に儲からない。他の分野の利益を吸い取ってしまう分野があります。これによって企業全体が不振に陥ります。

 

 この問題の解決に向けて「企業はさらに売上を増やそうとするが、収入は間違った規模を支えることができない」、これがドラッカーの考えです。つまり規模に間違いがあるのに、売上増加によってさらに規模を増やしてはならない言うことです。

 

 中小企業の社長さんは人情家が多いため、なかなか解雇に踏み切れません。事業を増やすことによって雇用を守ろうとします。しかし、根本的な問題が「規模」にあるとき、さらにそれは事態を悪化させることになります。

 

 7.事業規模を縮小するための方法

 事業規模を縮小させるための方法について、ドラッカーは3つ挙げていますが、最も成功しやすいものからご紹介します。1番目は「売却と整理」。肥大化した事業規模の誤りを認めて、他の企業に事業の一部を売却することです。

 

 2番目が「M&Aによる合併と買収」。収益性の見込める分野については、手持ちのものと合わせて完全になるように、それを手放したがっている相手を見つけ出すこと。不要な分野はそれを求めている相手を見つけ出して手放すことです。

 

 3番目は「事業の性格を変えること」。しかし「これは成功の確率が低い」とドラッカーは述べています。成功の見込み、成功によって事態をさらに悪化させないか、永続的な成功に結びつくかを検討しなければいけません。

 

 8.自社の強みを発揮できるニッチはどこに?

 「大企業、中企業は小企業に依存している」。つまり大企業も中企業も、実は下請け企業に頼っています。小企業が担当している細かい業務について、大企業はノウハウも持たなければ、そのリスクを背負いたくもないと考えていることでしょう。

 

 さらに、「小企業が生存できるのは、巨大企業との競争にさらされることのないニッチ(隙間という意味=小さな市場)のみである。そのニッチにおいても際立った存在にならなければいけない」。と、ドラッカーは述べています。

 

 そのためには「有利に戦うことのできるニッチを見つけること」。例として、地理や嗜好など市場に関わるニッチ。サービスの卓越性に関わるニッチ。技術に関わるニッチなどが挙げられています。

 

 9.小企業のメリットをフルに活かそう

 「規模は戦略に影響する」。逆に「戦略は規模に影響する」とドラッカーは述べています。つまり規模と戦略はそれだけ密接な関係にあるということです。つまり小さな規模に応じた戦略を採ることが、トップマネジメントにとって重要だと言えます。

 

 それでは小企業のメリットとは何でしょうか。それは「小さいだけでなくシンプルであるために、反応が早く機敏である」。「資源を重点的に投入できる」です。これらは大企業のデメリットになります。

 

 反対に、大企業のメリットとは何でしょうか。それは「長期にわたって資源を投入できる」。「長期の研究プロジェクトを手がけることができる」です。これらは小企業のデメリットですから、あえて不利な選択をしないように注意したいものです。

 

 10.現在の規模から戦略をスタートさせる

 事業規模を拡大するのは簡単なことです。しかしそれに伴いマネジメントが複雑になり、倒産リスクも高まります。さらに縮小には困難が伴うことを覚悟しなければなりません。事業規模拡大はくれぐれも慎重に行うべきでしょう。

 

 近年はIT革命により小企業のデメリットが解消されつつあります。たとえば家族経営なら労働基準法を気にする必要もありません。日本経済が下り坂に入った今、リスクの少ない家族経営も悪くないでしょう。ただしそのメリットを活かすことが求められます。

 

 小企業の多くは小企業のまま終わりを迎えます。中企業になることさえマレです。従って現在の規模を前提に何をすべきかを考えることが重要です。まずは自社規模のメリットからスタートする。ここに活路を見い出すための第一歩があるのではないでしょうか。

 

 

 ※参考文献   

変革の哲学6491.jpg
経営の哲学6499.jpg
マネジメント6591.jpg

 

 

 変革の哲学    P192~193

 

 

 

 

経営の哲学     P118

  

 

 

 

 

 マネジメント(下)    P51~111

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代表社員 税理士 今井 睦明


1960年生まれ 名古屋市出身 1989〜1993年 税理士試験 法人税法、消費税法、事業税、簿記論、財務諸表論、全5科目合格
 
1994年税理士登録 日本税理士会連合会 登録番号 税理士法人3430 税理士78397 名古屋税理士会名古屋北支部所属

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